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ナーヴ
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SS_インベーダーゲーム(EX)

少し空いてしまいました。

夏コミについては先日無事に入稿完了しましたので続報をお楽しみに。


夏コミ向けの執筆で思ったよりエネルギーを使ってしまいましたが

今月もなんとか形にできました。


今回も東方のキャラで、封獣ぬえです。

東方星蓮船のEXボスですね。

星蓮船まではキャラを知っているという人も少なくないかもしれません?


それでは本題。

東方Projectより、封獣ぬえ。

インベーダーゲームの始まりです。

(約4,500字)


※無断転載禁止


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いつもどおりに太陽が沈んで2時間ほど経つだろうか。

家路につく者、まだ仕事に勤しむ者、むしろこれから仕事を始める者。

夕飯を食べる者やお風呂に入る者、勉強する者や遊ぶ者。


灯りに照らされながら思い思いに過ごしている。

今日もまた1日が終わろうとしている。


どすぅぅぅぅんん……


突然の地響きが街に響き渡る。

日常を踏みにじる正体不明の存在は空からやってきた。



「インベーダーゲームができる、

 なんて話を聞いたから暇つぶしに乗ってみたけど……

 一応は問題なさそうね。」



街のどの建物よりもはるかに大きな存在がそびえ立っている。

黒基調のショートヘアー、丈の短い黒のワンピース、黒のニーソックス。

全身が黒ベースではあるが、胸元のリボンと靴は赤色である。

そして特徴的なのは、背中にある3対の羽……のようなもの。

鎌のような形の赤い羽と、先端が矢じりのようになっている細長い青い羽。


彼女の名前は封獣ぬえ。

鵺と呼ばれる妖怪である。

一部では妖怪のなかでも大妖怪として恐れられている。



「それにしても、夜になっているのに随分と明るいわね。

 本当に住みにくい世界だわ。」



数百年以上前より「昼は人間の時間、夜は妖怪の時間」と言われてきた。

人間は明るい昼間に活動をして、夜になって暗くなると住処で大人しく過ごす。

一方の妖怪は明るい昼間は大人しく過ごして、夜になって暗くなると活動を始める。


人間は不用意に夜に外に出ると妖怪に襲われてしまう。

そのため人間は妖怪と闇夜を恐れていた。

同時に妖怪は人間の恐怖を糧としていた。


しかし最近は技術の発展により夜でも明るい環境を作ることができるようになった。

科学の発展により妖怪という存在を信じなくなった。

そして人間は妖怪と闇夜を恐れなくなった。

妖怪にとっては存亡が危ぶまれるほどの大問題だ。


当然この問題は彼女にも大きく影響している。

そのため彼女は少し前にこの世界とひそかに繋がる世界へと移住したのだった。



「でも今回はここを襲ってもいいって言われているし……

 遊びだと甘く見ていたけど、俄然やる気が出てきたかな。」



足元を見下ろしながらにやりと笑みを浮かべる彼女。

理由は不明だが、

彼女の今の大きさは普段の約500倍、700メートル以上となっている。

さきほどの着地の衝撃で彼女の足元にあった建物たちは崩壊している状態だ。


ずしぃぃぃぃんん!!

ずどぉぉぉぉんん!!


早速周囲を踏み荒らし始める彼女。

彼女が居るところは数階建てのビルが数多く建ち並ぶ中心街の一角。

高さが25メートル近くある建物も彼女の足により

屋上から地上まで一気に踏み抜かれていく。

足首にも届いていない建物が敷き詰められているところを歩く彼女にとっては

まるで芝生の上を歩いている程度の感覚でしかないのだ。



「踏み応えは正直そこまで大したものではないけど、

 これはなかなか悪くないかも?」



霜柱よりも脆い建物群をどんどん踏みつぶしたり蹴散らしたりしていく彼女。

彼女の周りはどんどん建物が崩れていき、土煙や火の手が上がり始めている。


踏みつぶす感触自体は彼女の言うように大したことはないらしい。

彼女を満たしてくれるものは、人間たちの恐怖である。


突如としてやって来た日常を破壊する巨大な存在。

怪獣と言う表現でも足りない何かが街を踏み荒らしていく。

彼女が遊ぶだけで数えきれない人間たちが恐怖する。


その恐怖こそが彼女の糧になっていく。



「こんなに楽しいことなら、もっとたくさん時間をもらえばよかったかな。

 大したことないだろうと思って早めに切り上げたいって言っちゃったんだよね。」



彼女はすっかりインベーダーゲームの虜になっていた。


近くにある大きな建物を優先して狙って襲っていく。

踏み応えや壊しがいがあるのはもちろん、それによる恐怖も多く生み出されるのだ。


彼女が襲うことで

その一帯の灯りが消えていくところもまた彼女を楽しませている様子。

灯りを奪って夜の闇を広げていく。

そんな気持ちになれるところもまたいいらしい。



「そういえば、灯りの中でも結構速く動くものがあるみたいだけど……

 なんだろう?」



どしぃぃぃぃんん……

ずしぃぃぃぃんん……


周りを一通り踏み荒らした彼女は速く動く灯りを追いかけてみる彼女。

数歩進むと、

その光はひときわ光り輝く大きめの建物に吸い込まれていることに気づく。



「うわっ、あそこにいっぱい人間の気配を感じる。

 これは面白そう。」



そのままその建物へと近づくと、なんと跨ぎながら屈んでしまう彼女。

顔を建物に近づけるとその様子がある程度分かる。


彼女が跨いでいるのは大きめの駅である。

速く動く灯りは電車のことで、

ホームにはいくつかの電車が停まっているところだった。


彼女の出現により

遠くに逃げようと慌てふためく人間たちがたくさん集まっている様子。

パニック状態の人間たちが彼女を引き寄せてしまったといっても

過言ではないだろう。



「なるほど……これに乗って移動すれば逃げられるだろうってことね。

 たしかにさっき動いていたのを見た限りだと

 普段の大きさでは追いつくの厳しいかも?」


バキバキバキッ……


ホームに停まっていた1編成の先頭車両を摘まみ上げてしまう彼女。

彼女の指より一回り小さい車体は簡単に持ち上がってしまい、

連結している車両も引っ張られていく。


それをホーム上から見せつけられた人間たちはさらに恐怖していく。



「これだけでそんなに怖がってくれるなんて随分と居心地がいいね?

 それなら、こんなことしちゃったらもっと怖がるでしょう?」



そう言うと摘まみ上げた先頭車両をさらに持ち上げていく。

向かう先は彼女の口である。


ちゅるっ、バキバキッ、じゃくっ……


そのまま麺をすするように数両を口に含むと食べ始めてしまう彼女。

金属の箱とはいえ彼女にとっては厚さ数百マイクロメートル程度の薄さ。

妖怪である彼女にとっては大したことではない。


食物連鎖の頂点に立っていると勘違いしている人間も多いなか、

彼女が電車を食べる光景を見せられてしまえば最上級の恐怖を覚えてしまう。



「ん……さすがに全員食べるのは無理だから、

 その辺に残っている人たちはさっさと始末してあげる。」



どごぉぉぉぉんん!!

がしゃぁぁぁぁんん!!


屈んだまま今度はホームや電車に手を振り下ろしていく彼女。

ほんの少し苦い表情になっているのは金属の箱が美味しくなかったからだろう。

それを隠すように力いっぱい手を叩きつけて駅を壊していく。


電車はへし折れてつぶれていき、ホームは粉々になっていく。

レールも簡単にねじ曲げられてしまい、

誰が見ても線路としての役割を果たせそうにない状態に。


ずどぉぉぉぉんん!!

ずしぃぃぃぃんん!!


手だけでは物足りず、ゆっくり立ち上がると追い打ちで何度も踏みつける彼女。

みるみる駅の建物ごと崩れていってしまい、

逃げようとしていた数多くの人間や駅周辺のロータリーごと全滅させてしまった。


直接襲った人間たちはもちろん、

その姿を見せつけられる周囲の数多くの人間たちからも恐怖を捧げられる。

彼女にとってはこの上なく幸せな状態だ。



「ここまで来たら、もっともっと欲しくなっちゃうよね。」



瓦礫まみれで小さく燃え上がっている足元を軽く踏みにじりながら

周囲を見渡す彼女。

もっと多くの恐怖を得られそうな場所を探している。


大きな建物や灯りの多い地区はまだまだありそうだ。

その中でも、襲うと多くの人間が恐怖しそうな場所は……



「……あっ、アレなんてどうだろう。」



ずしぃぃぃぃんん……

どしぃぃぃぃんん……


人間の道に従うことなく、建物に阻まれることもない。

ある場所へとまっすぐに向かう彼女。

通り道にあった数階建ての建物や大通りなどを軽々と蹴散らしていき

街に大きな足跡を刻みながらあっという間に近づいていく。



「やっぱり結構大きいね。

 こんなものを人間が作ったというのは正直驚きではあるかな。」



十歩ほどでたどり着いた彼女。

彼女の目の前にあったのは銀色の塔。

高さ600メートル以上のそれは夜にライトアップされていた。

彼女の首元付近まで高さがあることに感心する彼女。


これだけの大きさがあるということは遠くからでも見える。

このあたりで一番大きな建物を襲ってしまえば

得られる恐怖も相当なものであるはずと考えたらしい。



「さて、どうやって遊んであげようか?」



軽く見下ろしながら考える彼女。


高さがあるから手を使うのが手軽だろうか。

引きちぎってみたり、へし折ってみたり、絞るようにしたりでもいいかもしれない。


それとも足でたくさん襲ってきたからこれも足でやってしまうのはどうだろう。

脚を大きく上げて真ん中くらいからへし折るとか、

根元をへし折って勝手に倒れていくのを見守ってあげるとか。


少し変わり種で羽を使うのもいいかもしれない。

赤の羽でズタズタに切り裂くとか、青の羽を巻き付けて締めてしまうとか。


いっそのこと弾幕を派手に使うのも面白そうだ。

周りを巻き込みながらあちこちに弾をぶつけて粉々にしたり、

レーザー弾で焼き切ってしまったり。

夜だから明るくなって見栄えも悪くないはず。



「……よし、こうしちゃおう。」



ずずぅぅぅぅんん……


少し膝を曲げながら塔に一歩近づいた彼女。

そしてゆっくりと全身を近づけていく。


ミシミシミシッ……

ベキベキベキッ!!


そのまま全身で塔に抱きついてしまったのだ。

腕と胸に挟まれたところと両脚のももで挟まれたところがどんどんつぶれていく。

さらには軽く持ち上げているようで根元から引き抜かれてしまった。



「可愛がってあげているだけなんだけど、これでおしまい……っと。」



バキバキバキッ!!


言い終えると同時にグッと力を入れる彼女。

塔のあちこちが一気にへし折れてちぎられてしまった。

塔だったものは細かい金属の棒となって地上に大量に降り注いでいく。


周辺で一番高い銀の塔は

黒い彼女の抱擁によりあっという間に消えてしまったのだった。


あまりの出来事に人間たちの理解を越えてしまったようで

恐怖すらできずに呆然としている者も多い様子。

しかし数多くの人間たちに見られたことで

結果的には今回で一番の恐怖を得ることができた彼女。



「ふーっ、これはこれで結構征服感があるかも。

 わりと楽しめたし、今回はこの辺にしておいてあげる。」



インベーダーゲームの終了時間が来てしまったらしい。

もっともっと甘美な恐怖の味を楽しみたい気持ちもあったようだが、

一度に大量に味わってしまうと、

今度は人間たちが減ってしまうという問題が起きてしまう。

減らし過ぎては次にまた味わうときが困ってしまうということは

彼女も充分理解している。


意地悪な笑みを浮かべながら彼女は上空へと飛び立っていき、

そのまま夜空へと消え去ってしまった。


人間たちはまるで宇宙人の侵略を受けたかのように何もすることができなかった。

あるいは彼女のお楽しみに貢献するだけの存在となっていたのかもしれない。


インベーダーゲームの主役は侵略者側だった。


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おしまい。

Comments

ありがとうございますー。 キャトルミューティレーション的なヤツですね

ナーヴ

ぬえちゃんの蹂躙とてもよき... 間近で眺めてたい...玩ばれたい... インベーダーのUFOの光みたく連れ去られて誘拐されたい...(*´ч`*)

八雲橙


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