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ナーヴ
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SS_紅の悪魔の夜遊び

梅雨が近づいていますね。

台風も発生してきて、暑い日も増えてきました。


今回も東方のキャラクター、レミリア・スカーレットです。


東方紅魔郷の6面ボスですね。

いわゆる旧作を除いた最初の作品なので根強い人気がある印象です。

一応、20年以上前の作品なのですけどね。


それでは本題。

東方Projectより、レミリア・スカーレット。

吸血鬼は弱点さえ突かれなければとても強い存在なのです。

(約6,000字)


※無断転載禁止


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「うーん、困ったわね……」



ここは紅魔館。

その主であるレミリアは部屋の中から空を見上げながら小さく唸っていた。

その理由は天気にあった。


吸血鬼は身体能力は高いものの、意外と弱点が多い。

十字架、にんにく、銀のもの、などなど……

むしろこれだけ弱点を抱えているからこそ

他の種族よりも優れた特徴を持つことが許されているのかもしれない。


もっとも、これは一般的に言われている話であって

レミリアにもすべて当てはまるというわけではない。

個体差があるらしい。


そんなレミリアだが、

天気については他の吸血鬼同様に致命的な弱点を2つ抱えている。


1つ目は日光。

日光に当たると灰になると言われている。

レミリアもそれがイヤで一帯を紅の霧で包んで日光を遮ろうとした経歴がある。


とはいえ実は日傘さえ差していれば問題ないらしい。

上記の経歴でお叱りを受けてからは大人しく日傘を差して出かけている。

つまるところ、レミリアにとって日光は悩むほどの大きな問題ではないのだ。


2つ目は流水。

これは定義があいまいなところがあるものの、雨全般が当てはまる。

彼女が唸っていた理由はこれだ。


この時期は通り雨が多い。

雨の日はもちろん、

外出中に通り雨が降ったらしばらくは身動きが取れなくなってしまう。

雨に濡れなければいい、とは少し話が違うのだ。


そのため、この時期は晴れていても外出を控えているのである。

そんな日々を過ごしていたため、彼女は困っていた。



「退屈だわ……」



なんのことはない。

外出できずに暇を持て余しているだけだった。


館内で過ごすこと自体は苦ではないものの、さすがに飽きが来てしまう。

とはいえ天気を変えることはそれはそれで難しい。



「こういうときは相談してみましょうか。」



彼女は館内を移動する。

向かう先は図書館、彼女の友人であるパチュリーが居る。


さすがに遊び相手になってくれることはないだろうが、

普段から出不精の彼女ならいい暇つぶしの方法を知っているはずだ。


図書館に着くとレミリアは早速相談を持ち掛けるのだった。



「……なるほど、体を動かして遊べる魔本ね。

 なかなかいいじゃない、遊ばせてもらうわ?」



パチュリーから1冊の魔本が手渡された。


異世界に移動することができる魔本とのこと。

つまり天気を気にせず外に出ることができる。

さらには遊ぶのに適した魔法を既に施してあるらしい。


心置きなく外で羽を伸ばしたい気分だったレミリアにはうってつけだった。


やってみれば大体分かると最後に一言もらったレミリアは

その本を受け取ると早速部屋に戻り、その魔本を起動するのだった。


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「……ん、無事に異世界に移動できたようね。

 ここはどんなところかしら?」



周囲を見渡す彼女。


目の前には四方を山に囲まれた街が広がっている。

いわゆる現代のよくある街並みである。


夜ということもあって街の至るところで街灯が輝いている。

街の中心地ほど明かりが強く、街のはずれはやや暗い。

どこに人が集まりやすいか一目瞭然だ。


一方で、彼女はすぐに気づいた。



「どうみても小さいわよね、この街。

 ……もしかして遊ぶのに適した魔法って、そういうことかしら?」



彼女のすぐ近くには民家が広がっている。

ここはいわゆる住宅街だ。


しかしそれらは足元に広がっていると表現するのが適切である。

2階建ての民家の屋根が足首にも届いていない程の小ささだ。


そう、今は世界がおおよそ200分の1のスケールになっている。

正確には、彼女が普段の200倍の大きさになっているのだ。


ふと空を見上げれば月が紅く光っていた。

この世界ではもともとそうなのか、あるいはこれも魔法による演出なのか。



「怪物ごっこ……怪獣ごっこの方が正しいかしら。

 後片付けもきっと魔法で勝手にやってくれるわよね?

 それなら、心置きなく……」



ゆっくりと右足をあげる彼女。

足を踏み下ろそうとするところには

道ではなく、いくつもの民家が建ち並んでいる。


ずどぉぉん!!


そのまま一切の容赦なく踏み下ろしてしまった。

屋根を簡単に踏み抜いてしまい、外壁も中の床も崩れるよりも早く靴裏を押しつけて

あっという間に民家がぺちゃんこになってしまった。


彼女のひと踏みで10軒ほどがまとめて同じ結末を迎えてしまったのだった。



「空箱みたいに簡単につぶせるわりに踏み応えはそれなりで悪くないわ。

 大きいからか少し身体が重く感じるけど、これはこれで逆にいいかも?」



どしぃぃん!!

ずしぃぃん!!


どんどん住宅街を踏み荒らしていく彼女。

綺麗に建ち並んでいる民家たちを踏みつぶしたり蹴散らしたり。


靴に引っかかる電線を軽々ちぎってしまえば周辺一帯が停電して真っ暗になる。

住人たちは大騒ぎだ。



「私の館より大きな建物もわりとあるけど、私に敵うかしら?」



どごぉぉん!!


団地に目をつけた彼女は早速キックをお見舞いする。

建物の中央部が足で簡単に吹き飛ばされて抉られてしまい、

左右に分断されてしまった。


ずどぉぉん!!

がしゃぁぁん!!


2つに分断してしまった建物を今度は両足で力強く踏みつけていく彼女。

5階建ての各フロアが上から下まで一気に踏み抜かれてしまう。

部屋の中にある全てのものは

何が起きたか分からないままにぺちゃんこになってしまった。



「やっぱりこの程度よね、まあ硬すぎるとそれはそれで面白くないけど。

 ともあれ大きい方がもっと遊びがいがあるのは間違いないわ。

 それなら次は……」



ずしぃぃん……

どしぃぃん……


住宅街を3分の1ほど襲ったところで移動を始める彼女。

彼女が向かう先は街の中心地である。



「ちょうどいい感じに道に明かりが灯っているわね。

 私を招いているみたいで悪くないわ?」



中心地へ向かう大通りに従って進んでいく彼女。

通り沿いの建物を容赦なく踏みつぶしていき、

道路にも深い靴跡を刻んでいくことで寸断していく。


足元では必死に逃げようとする車や急いでUターンする車も居たが、

彼女に見つかるとすぐに追いかけられて踏みつぶされてしまった。


高い建物があまりなく田畑も見かける地区から

緑はほとんどなくなり高層建築物が密集する地区へと変わっていく。


そしてあっという間に中心地エリアへと彼女は着いたのだった。



「随分と窮屈……そして夜なのに眩しすぎるわ?

 とはいえ、いい遊び場になりそうね?」



がしゃぁぁん!!


中心地エリアに早速踏み入れる彼女。

住宅街とは異なり、ビルが多く建ち並ぶこの地区。

彼女の膝下からスネあたりまで届く建物が多い。



「草とか藪とかをかき分けるのはあまりいい気分はしないけど、

 こういうところは悪くないわね?」



ずどぉぉん!!

ずしぃぃん!!


笑みを浮かべながらどんどん前に進んでいく彼女。


片側3車線の大通りを踏み抜いていったり、

通りを無視してビルに突っ込むように進んだり。

蹴散らされた建物の瓦礫が散らばって大通りが埋め尽くされていく。


彼女が襲ったところは逆に安全ではないかと考える人も居るだろう。

しかし道路に深く刻まれた靴跡と瓦礫の山がそれを許してくれないのだ。



「へえ、こんなに大きな建物もあるのね。

 感心しちゃうわ?」



彼女の目にとまったのは高さ100メートル以上のビル。

太ももにまで届いている。


すると彼女はゆっくりとしゃがんでみせる。

ビルの屋上と彼女の胸元の高さがちょうど同じになる。



「せっかくだから足以外でも楽しんでみようかしら?

 こんな感じで……」



ガシッ……

バキバキバキッ!!


屋上を右手で鷲掴みにすると、

そのまま上の数フロアごとまとめて握りつぶしてしまった。


つぶされたところの瓦礫は地上に降り注ぎ、

なんとかつぶされなかったフロアは中身が丸見えになる。



「そーれっ……!」



ずががががががぁん!!


直後に手をグーにしてから全身を使って勢いよく叩きつけた彼女。

ビルの各フロアは彼女の右手でどんどん叩き割られていき、

そのまま彼女の右手は地面にまで届いてしまった。


周囲には粉々になったビルの瓦礫やガラスの破片が勢いよく飛び散っている。



「なかなかいいわね、気分が乗ってきたわ。

 このまま四足歩行怪獣ごっこでもやってみようかしら?」



左手も地面につくと、そのままゆっくりと四つんばいになる彼女。

身体の高さは100メートルを超えるほどまで低くなる。



「がおー、がおーっ。」



ずどぉぉん!!

どごぉぉん!!


付近の建物にどんどん突撃していく彼女。

頭突きで突き飛ばしたり、腕を振ってなぎ倒したり。


歩きながら蹴散らすよりは移動が遅いものの、

目線の高さが低くなることでより確実に地上を狙って襲うことができる。

さらには足以外で襲う感触は彼女をより楽しませる。



「全身を使って楽しむのもなかなかいいじゃない。」



中心地エリアを夢中で突き進んでいく彼女。


突撃して崩したビルの瓦礫を頭から被りながらも勢いはまったく衰えない。

彼女が通るところにある建物はひとつ残らず壊されていき、

道路も手や膝で粉々にされて使い物にならなくなっていく。



「っと、なんだか急に広いところに出たわね?」



しばらく四つんばいで進んでいた彼女だったが

広場に出たことで思わず止まって周囲を見渡す。


駅前のロータリーに着いたのだった。

バスは多く止まっており急いでこの場を去ろうとしている様子。

駅の方もとても賑わっているようだ。



「なかなか楽しそうね?

 ちょっと遊んであげるわ?」



ずどぉぉん!!


早速バスロータリーに侵入すると、右手をバスの駐車場に叩きつける。

停まっていた数台がまとめてぺちゃんこになると同時に爆発を起こす。


がしゃぁぁん!!

どごぉぉん!!


そのままバスロータリーを縦断し続けながら

バス停にいたバスを叩きつぶしていったり手で払って遠くに吹き飛ばしたり。


たったこれだけでバスロータリーごと全てのバスが駆逐されてしまった。



「本当にちっぽけね。

 さて、次はこっち。」



くすくすと微笑みながら駅へと向かい、様子を見下ろす彼女。


駅の建物はもちろん、駅のホームは特に騒がしい状態だ。

電車は2編成ほど停まっている。



「私のことが怖いから逃げたくなる気持ちはよく分かるわ?

 もちろん、逃がしてあげるつもりはないけどね?」



バキバキバキッ!!


まずは右腕を振り下ろす彼女。

駅のホーム……ではなく、

そこから少し離れたところを一気に爪で切り裂いてしまった。

全ての線路と電線がちぎられてしまい、電車は通ることができなくなった。


ペリベリベリッ!!


続けて左腕を振り下ろす。

今度は反対側の線路と電線を全て切り裂いてみせる。

4本の爪痕がくっきりと刻まれて人も電車も通ることができなくなってしまった。


これだけで電車は駅に閉じ込められてしまい、

もはや何の役にも立たない金属の箱になってしまった。



「それにしても、なかなかオモチャにするにはよさそうね。

 どんな感じかしら?」



そのまま右手で電車をひとつ摘まみ上げてしまう彼女。


ひとつの車両は彼女の指より少し大きい程度で簡単に持ち上げられてしまい、

摘まみ上げられた車両につながっている他の車両は宙ぶらりんになる。



「人間がいっぱい詰まっているようだし、ちょっと味見してみましょう。」



バキバキッ!

ベキッ、バリッ……


1両だけ引きちぎるとそのまま口へと入れて食べ始める。

細長いプレッツェルというには太く、寿司の細巻というには細い。


真ん中まで食べ進めたところで一瞬食べるのが止まったが、

そのまま1両全てを口の中に入れて咀嚼していき、そのまま飲み込んでしまった。



「……味も、魔法でなんとかしてもらう方がいいわね。

 中身はいいと思うけど、ちょっと厳しいわ?」



思わず苦笑いをする彼女。

金属の塊と考えれば無理もないかもしれない。


がしゃぁぁん!!


残りの車両を捨てるように手放してしまう彼女。

支えを失った車両たちが線路やホームに叩きつけられてしまった。



「さてと、じゃあ残りは……こうしてしまいましょう。

 ぎゃおーっ。」



ずがしゃぁぁぁぁん!!


突然全身を使って駅のホームに飛び込んだ彼女。

頭や胸元、お腹や太ももなど。

彼女の全身が凶器となって駅に襲いかかる。


数十億トンの巨体がのしかかる。

ホームの屋根も足場も、電車も線路も抵抗することなどできるはずもない。

駅を構成するすべてのものが彼女の身体によって

一瞬で全てぺちゃんこになってしまった。



「ふう、なかなか豪快で悪くないわね。

 服が少し汚れるのが難点だけど。」



服についた土や瓦礫を払いながらゆっくりと体を起こす彼女。

駅があったところには彼女の身体の跡がくっきりと刻まれていた。



「思ったより楽しめたけど、せっかくなら仕上げをしてあげたいわね。

 まだまだこの街は明かりが多いもの。」



改めて周囲を見渡す彼女。

彼女が通ってきたところは照明がなくなり土煙や火事となっている。

しかしそれはこの街全体の5分の1程度である。


ひたすら暴れまわってもいいが、それはそれで作業感が出てしまう。



「そうだ、いい方法を思いついたわ。

 見栄えもするでしょうし、やってみましょう。」



ばさぁっっ……


羽を動かし周囲に暴風を起こしながら空に浮き始める彼女。

足元の瓦礫を吹き飛ばしながら彼女はどんどん上空へと移動していく。


街の建物よりも大きなその体が地上の明かりに照らされている。



「怪獣らしさはないかもしれないけど、私が夜を照らしてあげる。」



右手を天高く上げる彼女。

その瞬間、彼女の周囲に無数の紅の火の球が現れ、ばら撒かれた。

弾幕である。


彼女の住む世界の力比べの方法、それが弾幕ごっこである。

その際に使う攻撃方法として弾幕を放つのだ。


ひとつひとつの弾は

球体のものや炎そのもののような形のものなど様々な形をしている。

大きさも様々で、

小さな弾でも半径約10メートル、大きなものは半径数百メートルにもなる。

それらはまるで打ち上げ花火のように夜空を照らしていく。


ただし、花火と異なるのは、しばらく経ってもそれが消えないということだ。

火の球は輝きを失わないまま街へと落ちていく。


どごぉぉぉぉんん……

ずどぉぉぉぉんん……


弾は地上に当たり街の各地で爆発を起こす。

地上にあるさまざまなものは弾幕が当たると爆発で吹き飛び、

高熱で燃え上がり始める。


弾に当たれば残機を1つ失うのが弾幕ごっこのルールであり、今回も例外ではない。

避けられなければ残機を1つ失うことになる。

もっとも、他に1つ以上の残機を持っている者がどれだけ居るかは分からないが。



「弾幕撃つのも久々でいい運動になるからちょうどいいわね。」



無差別にばらまいてみたり、特定の地域を狙って集中的に撃ってみたり。

中心地だろうと街はずれだろうと弾幕の届くところを容赦なく襲っていく彼女。


忘れられているかもしれないが、

弾幕ごっこのなかでは彼女は強者の部類に入る存在なのである。


地上にある文明はあっという間に爆撃されて焼け野原となっていく。

紅の月の光の下で地上がどんどん紅の炎に包まれていく。



「ふう、ざっとこんなところかしら。

 こっちの方が雰囲気のある明るさでいいでしょう?」



あまりにも一方的な弾幕ごっこは数分ほどで終わった。

正確には、相手が居なくなったから止めたのである。


少し前まで文明の灯りで照らされていた街も

今では紅の炎に包まれており、違う意味で明るくなっていた。



「散歩だけじゃなくて弾幕も撃てたし、なかなか満足したわ。

 ちょうど街も全滅して用済みだし、私は帰るわね。」



言い終えると彼女はさらに上空へとあがっていき、

そのまま姿を消してしまった。


いつの間にか月は紅さを失っていたが、

街全体を包む炎は夜が明けても消えることはないだろう。


その後、この世界では紅の悪魔として恐れられながら語り継がれることになった。

偶然にも彼女の住む世界でも紅の悪魔と呼ばれているのだが、

どうやらこちらの世界とは呼ばれる理由が異なるようだ。


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おしまい。

Comments

ありがとうございますー。 夜の蹂躙がとても似合いそうですよね!

ナーヴ

レミィの蹂躙とても良き... 間近で眺めてたい...玩ばれたい... 連れ去られたい...連れ去って飼って〜♪(*´ч`*)

八雲橙


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