エッチなダンジョンに挑む翠ちゃんのお話の続きです。 次の階層で待ち受けていたのは・・・ ************************** <翠ちゃんのダンジョン攻略 2階層 触手編> 階段を下りきり、翠は次の階層へと足を踏み入れた。 そこは、ちょっとした広間のような空間だった。 四方の壁と天井に刻まれた古代の魔法式からは、妙な気配が立ち昇っていた。 「ふむ……なるほど」 立ち止まり、空間の魔力の流れを読むように視線をめぐらせた翠は、ひと呼吸おいてから一歩を踏み出す。 ——すると ズルリ、ズル……。 広間の壁に浮かび上がった魔法陣が淡く輝き、そこから褐色の触手が這い出してきた。 体表にはぬらぬらとした透明の粘液がしたたり、様々な形状のものが混じっている。 「やっぱり、来たか」 先ほどの別階層で見た軟体生物たちに色味こそ似ていたが、明らかにそれ以上の制御性と目的を持っている——そんな動きだった。 魔法陣は広間の壁だけでなく、天井にも、床の一部にも描かれている。 そしてそこから、無数の触手がぞろぞろと姿を現し、ぬめる音を立てながらうごめいていく。 ものの数秒で、広間の空間のほとんどが触手の群れに覆われた。 「……やれやれ、このダンジョンは本当にわかりやすい趣味してるなあ」 翠はため息をつきながらも、広間の奥にある重厚な扉へとちらりと目を向けた。 おそらくこの空間に仕込まれた触手式自体が、次の階層への扉のロック解除を兼ねている。 つまり、この触手をすべて排除すれば先へ進めるということだ。 ——だが、それだけだろうか? 翠は、壁一面に描かれた魔法式の構成を読み取りながら、首をかしげた。 それだけでは、あまりにも芸がない。 解析のために魔力感知を強めた瞬間、彼女の脳裏に、ある構造が浮かぶ。 「なるほど、そういうことか……。このフロア事態に蓄えられた魔力を消費しきることでロックが解除される仕組みなんだ。……でも触手の顕現にはほとんど貯蔵魔力が使われていない。普通に戦って排除するだけでは魔力が消費しきらないように仕組まれてる‥‥」 別の手段で貯蔵魔力を抜く必要がある。 そしてこのダンジョンの趣向・・・・そこから導かれる結論は、 「つまり……触手とヤレってことか」 にやりと不敵な笑みを浮かべ呟く翠。 自ら進んで、淫靡な魔法陣の中心へと踏み込んでいった。