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【Pedicure Strangler】第二章②

祐里先生の足裏と彼女の最期に思いを馳せつつも、 僕は彼女のフラットパンプスを仕舞うとその隣に置いてあった 次の犠牲者の履いていた靴の入ったビニール袋の中から 紺色の紐リボンの付いたデッキシューズを取り出す。 その靴の持ち主は敷島万理──今回の犯行の切っ掛けにして、 祐里先生や有希さん達を引き合わせてくれた張本人でもある。 最初に出会った時からずっと、活発そうな見た目と言動の娘にしては 結構可愛らしいデザインをしたこの靴を履いていたっけな………。 ………中敷に鼻を突っ込むようにして匂いを嗅いでみる。 祐里先生と同様に、鼻につく異臭は殆どないが彼女と比べると 若干汗臭いというか酸っぱい感じの匂いがする。 靴下等は更衣室で見かけなかった気がするので、事件当日も 素足履きの状態で自宅からスタジオまで通ってたんだろう………多分。 適当かつ、自分自身に好都合な何の根拠もない考察を交えながら、 僕は万理を手に掛けるまでの回想に耽けるのだった………。 ───────────────────────── 「私、中学生の頃からずーっとヨガを続けてるんで こんなポーズも出来ちゃうんですよ、すごいでしょ?」

体験授業に参加してから間もなかった頃のあくる日。

僕に向かってそう言うと、万理はその柔らかな全身を駆使して

いとも容易く背中を反らし、ラクダのポーズをとった。

確かに凄かったが僕の視線は万理の足裏に自然と向いていた。



この娘を縊り殺したら、どんな足裏の動きをしながら死ぬんだろう?



「……聞いてますか………ちょっと██君!?

どうしました? どこか具合でも良くないんですか?」



いつの間にかラクダのポーズをやめてマットから立ち上がった万理が、

怪訝そうな顔をしながら僕の顔を覗き込んでいた。



………危ない危ない。

後ちょっとで目の前の彼女にバレる所だった。

もっとも彼女は薄々、僕の性的嗜好に気付いていたかも知れないが。




ともかく、祐里先生に続いて万理も僕の標的となった。

何よりも履いている黒いトレンカレギンスから覗く爪先と踵。

高校生の頃、初めて殺した紗月とそっくりだった。

厳密には紗月が履いていたのはレギンスソックスだったが、

それでも僕は万理に対して、自らの性的嗜好と劣情を思い切り

ぶつけたくて仕方無いくらいに、彼女を縊り殺してやりたくなった。





息絶えた祐里先生の足裏を堪能してからすぐ、僕は更衣室に向かうと

眠ったままの万理と有希さんを運び出し、彼女の遺体から少し離れた

場所に仰向けに並べ、二人の爪先にペディキュアを塗っていく。




色はどうしようか?

万理の着ているタンクトップシャツ、ショートパンツの色に

合わせてピンクのペディキュアにしようかな?

それとも………ダメだ、あまり悩んでる時間は無い、ピンクにしよう。

万理の爪先に速乾性のラメ入りのピンクのペディキュアを塗った後、

有希さんの爪先にも同様にペディキュアを塗っていく。




有希さんのペディキュアの色は何色なのか、そして彼女が

どういった最期を遂げたかについては追々話すとしよう。




僕は万理を殺害する為の下準備として、天井からぶら下がっている

青いハンモックに目を付け、即席の絞首台を拵えた。

祐里先生と同様にハンモックを使って絞殺したかった。

だけど力みすぎて筋肉に乳酸が溜まってきているのか両腕が悲鳴を

上げていて、時間が経つにつれてジワジワと筋肉痛が襲ってきた上に

有希さんも殺すとなると、あまり体力を消耗する訳にはいかなかった。





「よいしょっ……と」



「ぅ……う………………ん………」



僅かながら意識が戻りつつあった万理の口から猿轡を外して

その身体を担いだ僕は、頭上のハンモックの輪に彼女の首を

引っ掛けると、か細い彼女の首の骨が折れて即死しないように

ゆっくりと、そして慎重に首を吊るした。




「ぅ………くっ………がはっ!! げほっげほぇ゙っ!! 

██ぐ……ん……な゙んでぇ!? や゛めで………やめでっ゙!!」




「万理がいけないんだよ?

そんなトレンカレギンスなんて履いて、僕の目の前で

エロい格好しながら足の裏なんか晒すから………。

でも安心していいよ。

祐里先生もついさっき殺したし、有希さんも万理の後で殺すから

一人で寂しいなんて事は全然ないからさ、何も心配いらないよ。

思う存分、バタバタ藻掻いて苦しんでから死んでってね」





「ひ……どぃ゙っ…………ぉ゙……ばゃひゃっ…………!!」



「ゆる……さな゙ぃ………なん゙でっ……………ぐ……ぇ!!」




ハンモックで首を絞められ殺害された叔母──祐里先生を見て、

絶望に打ちひしがれ、鬱血していく万理の顔面。

やがて足元から見上げている僕に向き直ると、憎悪の籠もった目で

一生呪ってやる、呪い殺してやるとばかりに僕を睨みつけるも

やがてその余裕も無くなり、激しくバタ足して悶え苦しみながら

爪先を艶めかしく曲げ伸ばししながら死の首吊りダンスを踊り出す。

「がはっ!! ぉ゙……げっ……ぐぇ!!」 「げほっけほっ!! あ゛……あ………アァァ………ッッ゙!!」 「ゔっ………んくっ………ゔっ!!」 「ゔっ……ゔゥゥゥゥ………ッ……ヴぅぅぅぅーッ!!」 「ぅぅ………ヴゥゥゥッ!! うゔゥゥゥーっ!!」 「ひはっ………かひゅ……………ゔうっ…………ゔゥゥーッ!」



激しいバタ足が収まったかと思いきや、万理は奇怪な呻き声を 上げながらブルブルと激しく全身を痙攣させ始めた。 爪先の足の指を思い切り広げ、内股気味に閉じた股間から アンモニア臭のする湯気を漂わせながら、万理は失禁した。 首を吊るされてから数分後、酸欠状態が続いて除皮質硬直を 引き起こした万理の死は、もうすぐそこまで迫っていた。 そして………………………。 ビクッ!! ビクッビクッ!! ビクビクンッ!! 「ぐ……おげぅ……ぇ………く……ひっ………………」 「あ゛…………ひゅ……………………………」 一際激しい痙攣の後、万理の口からひゅるひゅると消え入るような 声が漏れ、内股気味の両足が硬直してそれっきり動かなくなった。 僕は万理の両足首を掴み、爪先、足の指の間、トレンカに挟まれた 土踏まず、踵の匂いを嗅ぎながら舐め回す。 祐里先生に負けず劣らず、健康的な足裏の匂いと味だが妙齢の彼女に 比べて、その表面はスベスベでモッチリとした弾力がある。 だがトレンカに覆われた箇所には汗が溜まりがちなのか、 僅かながらにツーンとした酸っぱい匂いがした。 足裏を堪能していると、下半身の着衣の失禁の痕がジワジワと ショートパンツからトレンカレギンスの内腿の辺りまで広がり、 それに合わせてアンモニア臭もさらにキツくなっていく。 僕はふと気になって、ぶら下がっている万理の顔を見上げた。



万理の顔面は赤黒く鬱血し、醜く浮腫んでいた。 カッと見開いたまま瞳孔が散大した眼球からは生気が消え、 ドロッと濁った白目の毛細血管が充血している。 僅かに開いた口端からは吐瀉物が交じって粘つく涎を吐き出し、 まるで納豆のように糸を引いて片方の乳房に垂れている。 『非道い………どうしてこんな事をするんですか██君………? ██君はこんな事がしたくってあの日、 私の体験授業の勧誘に乗ったんですか……………? そう………██君は最初からヨガに興味なんか無かったんですね…………。 私や叔母さん達にこんな事をする為に態々、スタジオに忍び込んで 私や有希さんに睡眠薬まで盛るだなんて…………。 非道い…………あなたは本当に非道い人…………最低の人間です………』


既に息絶えている筈なのに、万理の死に顔を見た途端に 悲痛な彼女の消え入るような声が聞こえた……………気がした。 果たしてこれが幻聴だったのか、はたまた僕の感受性が高すぎるが故に 無意識の内に勝手に脳内で再生してしまったのだろうか、事件が公に なってしまった今となっては、確かめる術はもうない。 「んふぅっ………ん………んんぅ!!」 突然、僕のすぐ側で不明瞭な呻き声がした。 万理の首吊り死体を見上げてボーッとしていた僕だったが、咄嗟に 声がした方向に振り返るとそこには猿轡を噛まされ両腕を拘束された 状態で横たわっていた3人目の標的──目を覚ました有希さんが 怯えた目つきで僕を見上げながら、這うように後退りしていた。 僕は有希さんにトドメを刺すべく、彼女に歩み寄った………………。


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