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しばりしばられ 13 アフタートーク

侵入者を再度拘束し、私たちは一階の広い和室に戻ってきました。


「和奏ちゃんの服どうしよっか。この丸太に括りついたのを解く?」


そ、そうでした…!縄抜けの術を使った時に服が脱げていたのでした。


「結構ギチギチに縛られていたので簡単に解けないです…どうしましょう…」


慌てて身体を隠します。あんな大見えを切った手前、言いにくいのですが友人の前で下着姿というのは恥ずかしいです…。


「縄原の服を着れば良いじゃん。」


屋敷内を物色していた優奏は縄原さんのスーツを渡してきました。


「優奏!勝手に人の物を…ダメですよ」


「いーんだよ。人のことを勝手にギチギチに縛りあげるキンバク市長の方がよっぽど悪いよ」


「悪さのベクトルで比べる物じゃないですよ!」


「ふーん、じゃあその気持ちよくなった痕が残ってる下着姿で過ごせば良いよ」


「っ……!」


改めて下着を見るとローターが当てられていた部分がシミに……


「わ、わかりました!着替えます!着替えれば良いんですね!」


そうして縄原さんの香りがするスーツを身に纏っていきました。


____________________


「わぁ!和奏ちゃん似合ってるよ〜」


「縄原市長みたいだね〜」


「もー!揶揄うのはやめてください!」


赤面しながら沙希さんと友梨さんに返します。恥ずかしいのです…。

それにしても全身から縄原さんの香りがしておかしくなってしまいそうです……。


「わたし、縄原の弱みになるモノがないか探してくるね〜」


優奏は再び屋敷内を捜索するようです。


「優奏、プライバシーというものがあるのですよ。あまり踏み込みすぎるのは…」


「だったら縄原に言ってよ。あの人私の毎晩のオカズまで知ってたんだよ!」


「オカズ…?」


「は…!?」


優奏は周りをキョロキョロと確認します。そんな姿を見て沙希さんと友梨さんはニヤニヤしていました。


「最近優奏ちゃんを縛るとき反応が良かったけど…へー、思春期だもんね…」


「さ、沙希さん、誤解です!」


「私と沙希ちゃんに言ってくれればもっとすごいことしてあげても良いのに?」


「え…もっとすごいこと……?」


友梨さんは優奏の耳元で囁きます


「(後手縛りだけじゃないよ…開脚縛りも、それに……光姫ちゃんも一緒にさ)」


「ぜひ!お願いします!!!」


何はともあれ優奏の機嫌は最高潮になっていました。その視線は光姫さんに向けられていました。


「ん…?あはは…」


状況がわからない光姫さんは笑顔で優奏に手を振っていました。


かわいい。


そう思った矢先優奏は昇天したように鼻から血を吹きました。


「わわわ、大丈夫?」


沙希さんがガーゼを当てて止血していました。


まったく…世話のかかる妹なのです。


「昨日のおかずなんてコロッケに決まっているじゃないですか。お手製のお肉が入ってるやつ、美味しかったですよ」


そんなに私のレパートリーを縄原さんに知られていたのは悔しいですが、そんなに恥ずかしがることでもないような気がします。


「和奏のご飯も食べてみたーい」


「いつでも作ってあげるのですよ。みんな一緒に食べると美味しいのです。」


そんな私たちを見ながら沙希さんたちはヒソヒソとお話ししていました。


「(和奏ちゃんってそういう知識とかないの?)」


「(恥ずかしながら…教科書の内容とかは理解しているので一連のメカニズムは分かるとは思いますけど…)」


「(大丈夫、大丈夫。光姫ちゃんも似たような感じだから。)」


「(そうなんですか!)」


「(そうだよー、でも最近は縄原につけられたローターを保管してるみたい。何に使っていることやら)」


「(あわわ…そんなの…妄想が捗るじゃないですか…)」


「(今度光姫の家行く機会があれば探してみると良いよ。)」


「(はい!貴重な情報をありがとうございます)」


小声すぎて何も聞こえないようですが、優奏が沙希さんと友梨さんに握手を求めていることだけは分かります。


「じゃ、縄原の弱みを探しに行ってくるねー」


そういうと優奏は屋敷内の捜索に出かけました。


__________________________


「ただいまー」


数分後、屋敷の探索から優奏が帰ってきました。


「おかえりなさいです。何か発見はありましたか?」


「これと言ったものは何もなかったよ。でもさこんなものを見つけたんだ。」


優奏は意気揚々とあるものを取り出しました。


「わぁ!麻縄だー!」


「しかもすごく綺麗に手入れされてるやつだ!」


大はしゃぎしていたのは沙希さんと友梨さん。


「ちょうど5本あったからみんなにプレゼントだ」


「わーい!」


「いつも縛られてて思ってだけどこの縄欲しかったんだよね」


「「……。」」


興奮するお二方をよそに私と光姫さんはジト目で縄を見ていました。


「そこで提案なんだけど、みんなで亀甲縛り対決をやらない?」


「ききき、亀甲縛り!?」


我が妹ながらとんでもないことを言い出したのです。


「みんなで自縛の要領で亀甲縛りをして1番綺麗だった人が勝ちって感じで」


「私たちらしいといえばらしいですけど…」


「1番の人は他の4人に好きな命令ができるってルールでどう?」


「くノ一に自分を縛る技術なんて必要ない気がしますが…」


「いーよ!やろう!みんなにあんなことを…ふへへ」


「私もさんせーい!みんなで楽しく縛れるなんて幸せだよ〜」


当然というか…沙希さんと友梨さんはのり気でした。

そして光姫さんはというと…


「せっかく優奏ちゃんが提案してくれたんだし、私も頑張るよ。」


企画の提案者の優奏に気を遣ってくれています。本当に優しい方です…。


「分かりました。私もやります…」


「おっけーー!それじゃ、よーいスタート!」


その掛け声と共に私たちは自分の身体に縄を飾っていきました。


__________________________


敗者は勝者の前に跪き、両手を後ろに組んで屈辱の体勢をとるのがルールのようです。


「完敗です……」


私は両手を後ろに組んで敗者の振る舞いをしました。


「そんな…私が負けるなんて……」


「いつの間に上達したの…?」


沙希さんと友梨さんも私と同じように正座をしながら両手を後ろで組んでいます。


「すごいね!優奏ちゃん!」


光姫さんだけは勝者の優奏を讃えるようにしていました。しかし、両手は後ろに回したままです。

亀甲縛りを施されたままこの体勢をとるのはとても恥ずかしいです。


「むふふーそれじゃ私の命令はなんでも聞くんだよね〜」


「仕方ないのです…約束ですから……」


「それじゃ、みんなには目隠しつけてもらうよ〜」


優奏はどこからともなく取り出した黒い布を私たちの目に巻き付けました。


「目隠しプレイとは優奏ちゃん理解ってるね〜」


「目が見えなくなるだけで縄の食い込みとか感じられて最高だよ」


「まったくコイツらは…」


相変わらず沙希さんと友梨さんは縛られるのが好きみたいです。もしかしたらくノ一よりも拷問とかの類に強いかもしれません。


ガチャリ…


両手首に冷たい感触…手錠が嵌められたようです。


ガチャリ…


ガチャリ…


ガチャリ…


御三方にも手錠が嵌められたようです。そして、目隠しを外されました。


「ぇ……」


私たちの視界に入ったのは同じように後手に手錠を嵌められた優奏の姿でした。


「あ、あれ…優奏ちゃんが2人……?」


光姫さんは自分の目隠しを外した優奏と目の前で縛られている優奏を交互に見ながら困惑していました。


「そういうことでしたか……」


私は全てを察しました。

先ほどまで接していた優奏は優奏ではなかったようです。


「あらぁ?さすがに気づいたかしら?」


私は確信を持って偽物の優奏に対して口を開きます。


「縄原……さん。」


「正解よ」


その名を告げると偽優奏の周りに風が起こり、一瞬のうちに縄原さんが姿を表しました。


「わ!どうして縄原が此処に!?」


「沙希ちゃんもおかしなことを言うのね。私の屋敷に私が居て何か問題でも?」


縄原さんはいつものように余裕を持って私たちに接しています。


「まだ帰ってくるには早くない?」


「うふふ、監視カメラの映像を見てたら見知らぬネズミが入り込んでいたのでね。」


「もしかして…私たちを助けるために……?」


光姫さんは疑い半分で尋ねました。


「ギチギチに縛られてる貴女たちをもっと虐めたくて帰ってきちゃったわ」


「………。」


やっぱりこの人は……。


「とは言え私の秘密を守ろうとしてくれたみたいだしね。私の玩具を他人に好きにさせるのはあまり気持ちの良いものではないわ」


「ふん!素直に“ありがとう”くらい言えば良いじゃん!この偏屈ヘンタイ市長!」


クイッ…


ギュッ…!


「んぁぁ!!!」


反抗的な態度をとった優奏は亀甲縛りの股縄の部分を引っ張り上げられオシオキをされました。


「や、やーいへそ曲がり市長〜」


「あまのじゃく市長〜!」


「本当に可愛いわね、貴女たち」


クイッ…


ギュッ…!


「ん…!」


クイッ…


ギュッ…!


「気持ち良い…」


クイッ…


ギュッ…!


「んぁ!?わたし関係なくない!?」


クイッ…


ギュッ…!


「ぁひ…な、縄原さん…!?」


なぜか私と光姫さんまでオシオキを受けるハメになってしまいました。とばっちりもいいところなのです。


「本当はね、貴女たちを縛りたくなかったのよ。でもこの妹ちゃんが私のプライバシーを侵害しようとしていたからそのオシオキってところかしらね」


「普段から私たちのプライバシーを覗き見してるくせにぃ…」


どうやら優奏が縄原さんの屋敷を勝手に探索していたのが気に障ったようです。たしかに縄原さんの道理は分かります。このように縛られて居るのは戒めとして当然のことかもしれません。


「でもね、このまま貴女たちを監禁して調教しようなんて考えていないわ。古町家に手錠の鍵を置いてきたわ。そこまで誰にも見られずに帰れたらお咎めなしとしましょう。」


「そ、そんな……」


「ほらほら、分かったらさっさと帰る!」


「誰かに見つかったら縄原のせいだって言いふらしてやるんだから……」


優奏はそう言いながらも立ち上がって外へと向かいます。

私たちもそれに追従するように縄原邸を後にします。





「友梨ちゃん。」


「は、はい?」


最後に縄原邸を出ようとした友梨を縄原は呼び止めた。


「その…私の秘密……」


「…いつものお礼です。あなたに縛られることも多いけど、助けてもらったことも少なくなかったので……。」


「そのせいで怖い思いをさせてしまったわよね。ごめんなさい。そして、ありがとう…」


「あはは、今日の縄原市長は可愛いですね」


「っ…またお仕置きするわよ……!」


「それは楽しみですけど、私1人だけお仕置きされたら沙希ちゃんにも悪いし…。」


友梨は名残惜しそうにしながら縄原に向き直り、続けた。


「でも、あなたの計画は私たちが絶対に止めます!覚悟しておいてくださいね!」


「ふふ、縛られた状態で何を言っているのかしら」


「身体は縛られてても心は縛られていませんよ!では、みんなを待たせているので」


そう言い残し友梨は縄原邸を後にした。


「まったく…あの子たちを調教するのは骨が折れそうね」


縄原は不敵に微笑みながら呟いた。

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