「縄原市長……縄原さん……麻美さん……っ」
ビクッ…ビクッ…
女は縄で縛られ猿轡を噛まされている縄原麻美の写真を見ながら至高の自慰行為をしていた。これは女が盗撮し、縄と猿轡を編集で付け加えた代物だった。いわゆるコラ画像と呼ばれるものだった。
愛液がついた指で縄原の姿をなぞる。せっかくプリントアウトした写真が汚れてしまう。でも自身の分泌液で思い人が汚れる。そこには背徳感が生まれてきた。
「今日…やっと貴女を迎えにいける…」
カチッカチッとパソコンを操作すると“高額バイト”と書かれたページが開かれた。
「“black bondage”っと…」
指示されたコマンドを入力すると画面が切り替わった。
・〇〇市の縄原麻美の家に忍び込み、金品を強奪する
・換金したのち、指定口座に振り込む
※縄原本人、もしくは同居人に見つかった場合は拘束ないし始末すること。
「何度見ても無機質なもんだなぁ。闇バイトってこんな感じなの?」
画面をスクロールしながらぽつりと呟いた。分かりやすく簡潔ではあるが…。
報酬は振り込んだ金額の50%が後日支払われるという。依頼者が手を汚さない代わりに実行人に多くのリターンがあるというわけだ。そして極め付けは…
「こんなにたくさんの…‘玩具‘を縄原市長に付けられる…」
このバイトに応募した数日後、自宅に採用通知書とともに段ボールが送られてきた。その中身は拘束道具から侵入に役立つ道具がギッシリと敷き詰まっていた。その中から使うものを選択し、犯行に使うことができる。つまり、初心者でも簡単に犯行の遂行が可能というわけだ。
と言っても、拘束道具は必要なかった。
いつか縄原を縛って弄ぶために蓄えてきたものがある。麻縄だけではない。ローターや猿ぐつわ、目隠しだって用意してある。
女は自前の拘束道具と屋敷に侵入するための道具をありったけかばんに詰め込んだ。
「よし…」
そう呟いて、縄原の屋敷へと向かった。
女…ヨーコは今宵、犯罪者となる。
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ヨーコはどこにでもいる普通の女子高生だった。周りと違うところといえばその大きな双丘だろう。引き締まった身体はその大きな膨らみを余計に強調させていた。縄原を彷彿とさせる美しい長髪を靡かせ、暗くなった住宅街を颯爽と歩いていた。
ヨーコは朝起きて学校に行き、友達とお喋りし、家に帰る。ごく普通の幸せな生活を送っていた。変哲もない平坦な日々。それが堪らなく嫌いだった。世の中の求められている“普通”は彼女には受け入れ難いものだった。それ故に刺激を求めた。
ヨーコは元来、生というものに執着はなかった。どちらかといえば“性”に興味があった。ろくな恋愛をしてこなかった弊害だった。拗らせた愛は同市の市長へと向けられた。
「縄原さん…やっと縛れます……」
特殊な性癖を発散しつつ、お金を貰えるなんて…。なんて刺激的なの……。
ヨーコにとってこのバイトはこの上ない条件だった。
たとえ、犯罪に手を染めようとも…。
「ついたわね。」
ヨーコは縄原邸の前に到着した。ヨーコの身体は黒いラバースーツで包まれていた。暗闇に紛れるならちょうど良い。このスーツも送付されてきた道具の中の一つだった。
「さぁ、いきますか。」
高鳴る鼓動を抑えながら、縄原邸へと侵入した。
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「は……?」
縄原が居ると思われるリビングルームへ侵入したヨーコは目を疑った。そこに縄原の姿はなく、5人の女の子の姿があった。
「うわ!本当に悪い人が侵入してきた!」
「おとなしくお縄につくのです!」
「和奏はどーせドジするから優奏ちゃん頼んだよ」
「ど、どういうことですか!」
「はい!光姫さん!あとでたくさん褒めてくださいね」
くノ一の格好をした少女によってヨーコは無力化させられた。
そして縄を持った女の子たちによってヨーコは瞬く間に縛られてしまった。
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「えっと…1時間おきに来ますので具合が悪いとかあったら言ってくださいね。」
ガチャリ…
くノ一の格好をした女の子…古町和奏は牢を施錠し、地下牢から出ていった。
「(猿ぐつわしてる状況でどうやって喋れって言うのよ…)」
縄原の屋敷の地下牢に監禁されたヨーコ。彼女の身体には厳重に縄が巻き付けられていた。
ヨーコに施されていたのは“緊縛”、本来この屋…敷の主縄原に施す予定だった縛りを自身の身体に施されているという屈辱だった。
「んむぅ…(ってかこの後手縛りのスキル高すぎ…ギチギチじゃん…)」
ヨーコは後手縛りを施されていた。身体の後ろでギッチリと束ねられた両腕、そして胸の上下にかけられた縄。縛りの名手、横河原沙希と衣山友梨の手によって施された縛りはシンプルかつ完璧な仕上がりだった。
足は縛られていないものの、口にはボールギャグを嵌められ、言葉を奪われていた。
「むぅ…(でも…)」
ブチィ…
ヨーコはラバースーツの内側に隠し持っていた刃で縄を切った。
「ぷは…」
猿ぐつわも外し、拘束を完全に解いた。
「どうして縄原市長の家の地下にこんな場所が…。ってかあの子達何者?くノ一みたいな二人組もいたし…。」
ヨーコには全てが理解できなかった。
「まぁでも聞き出せば良いのか。次に牢屋に来るのは1時間後って言ってたよね。それだけあれば十分準備ができるよ。」
ヨーコは不敵な笑みを浮かべていた。
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「ちゃんと縛られていますか?」
くノ一姿の美少女、古町和奏が再び地下牢へとやってきた。
「………。」
ヨーコは牢屋の中で大人しく縛られていた。先程までと同じ縛りを自分の手で施し、猿ぐつわもきちんと咥えていた。
「大丈夫そうですね。」
「んー!!んー!!!」
「っ?どうかしましたか?」
「んぅ!!!」
「少し待っててください。いま猿轡を外してあげますね。」
和奏は牢屋の鍵を開け、ヨーコの元へ向かった。
「あれ?こんなバッグありましたっけ?連行するときに優奏が持ってきたのでしょうか」
「んーーーー!」
「あ、そうでした。猿ぐつわを外してあげますね。」
ヨーコは和奏の手によって猿ぐつわから解放された。
「ぷは……」
「苦しかったですよね、ボールギャグって涎も垂れてくるので辞めようって言ったんですけど沙希さんたちが『悪者に猿ぐつわ噛ませないでいつ噛ませるのさ!』って聞かなくて…」
そんな和奏を睨みつけながらヨーコは口を開いた。
「アンタら…何者だよ……。ここは縄原市長の屋敷だろ…」
「縄原さんに雇われた警備員…?と言ったところでしょうかね」
「雇われた?アタシとそんなに変わらない歳に見えるけど」
「ま、まぁ…イロイロあったのです。」
和奏は斜め上の方向を見ながら誤魔化すように返答していた。
「ふーん。んで、この地下牢は何だよ。人を監禁するための施設が市長の屋敷にあるって異常だろ」
「えっと…それは……」
「へへ、こんな情報をマスコミに言えばあの市長は終わりだね」
ヨーコはより多くの情報を聞き出すため、話を続ける。
「それにアタシみたいな女を縛って監禁するってアンタらもタダじゃ済まなそうだぞ。」
「むむ…それは違いますよ。先に忍び込んできたのは貴女のほうです。こんな泥棒みたいな格好で泥棒に来ておいて反撃しない方がおかしいのです。正当防衛ってやつなのです!」
「だからってこんな立派な地下牢があるならこんなギチギチに縛らなくても良いんじゃないか?」
ヨーコは縄が食い込んだ自分の身体に視線を落としながら言った。
「(それは縄原さんが『可愛い女の子なら縛って監禁しなさい』って…)」
「ん?何か言った?」
「な、なんでもないのです…!」
まだまだヨーコは続ける。
「それにあのちっちゃいくノ一も、お前も…化け物みたいに強いけど、ナニモンなんだ…」
「えへへ、嬉しいのです♪」
「褒めてねーよ」
「私と妹の優奏はとっても優秀なくノ一なのです。現代に生きるくノ一です!とーっても強いのです。」
「ってことは他の3人も強いのか?」
「沙希さんたちは普通の女の子なのです。でも皆さんとっても優しくて大好きなお友達なのです」
「ふーん。」
「って、私たちの情報を聞き出すつもりですね…!これ以上関係ない話をするのならお口チャックですよ!」
和奏はボールギャグをヨーコの前に突き出した。
「いーじゃんか。優秀なくノ一さんのお話、もっと聞きたいな。」
「えへへ〜なんでも聞いてください〜」
ちょろ…。
もう少し…。もう少しだけ情報を…。
「アタシとお前が戦ったらどっちが勝つと思う?」
「もちろん、私が勝つのです。私はとっても強いのですよ。」
「でも、1%くらいは可能性あるんじゃないか?」
「うーん…痛いところを突いてきますね。私や優奏といえどもいつも勝てるわけではありません。“ドジ”を踏んでしまうことが多々あるのです……」
「へー、優秀でかっこいい完璧なくノ一でもそんな面があるのか。」
「えへへ…煽てても何も出ませんよ。」
和奏は上機嫌で続けた。
「私たち姉妹はよくドジを踏んでしまうのです。咄嗟のことに弱いというか…『ドジしたら縛られてしまう…捕まってしまう…』という場面にとても弱くて………」
そこまで聞いたヨーコはニヤリと笑った。
「それが聞けて良かった。」
「えっ…」
ヨーコは一瞬で縄を解いた。
自分で縛り直したため、簡単に縄を解けるように細工していた。
「食らいな」
ブシュゥゥゥ…
後手に隠し持っていた小型のスプレーを和奏に噴射する。
「な、なんですか?!」
和奏が怯んでいる隙に、先程とってきておいたバッグの中から麻縄の束を取り出した。
「油断したね。大人しくお縄についてもらうよ。」
ヨーコは麻縄の束を手に持ち、和奏に言った。
「油断しているのはそちらの方です。私が貴女のような一般人に負けるとでも…?」
そこまで言ったところで、和奏の身体に異変が起きた。
「あ、あれ…?」
その様子を見たヨーコは一歩和奏に近づいて口を開いた。
「さっきのスプレーは特注品で強力な筋弛緩剤と“媚薬”を特殊配合してあるんだ。」
「っ…!?」
「たとえ強いくノ一でもそんなものを喰らったらどうなるか分かるよな?」
しかし、和奏の目はまだ諦めていなかった。
「でも…完全に力が無くなる前に貴女を縛りあげれば問題ないですよね…!」
シュバッ…
次の瞬間、和奏は目にも止まらぬ速さでヨーコに向かっていった。
「(これは賭け…さっきの発言を信じるしかない…)」
ヨーコは意を決して和奏に言った。
「ふふ、もし負けたら…アンタはギチギチに縛られるんだぞ!」
「ふぇ!?ギチギチ?!」
明らかに動揺する和奏。
「う、うわぁ!?」
ドテンッ…
和奏は何もないところで躓いて転んだ。その隙をヨーコが逃すはずもない。
「へへ、くノ一ちゃん、捕えたり。」
うつ伏せに倒れる和奏の上に馬乗りになり、両手を身体の後ろへ捻りあげる。
「ぁう…」
抵抗しようと力を入れるものの、和奏の身体は彼女の意思ではどうにもならないレベルになってしまっていた。
「力が……」
「ドジだね〜くノ一ちゃん……」
そう言うとヨーコは和奏の手首に縄を巻きつけ、キツく縛った。
「はぅ…」
甘い声を漏らす和奏の耳元でヨーコは囁いた。
「あれ?くノ一さんってもしかして縛られるのが好きだったりする?」
「っ…そんなことありません……」
「ふーん?でも身体は正直らしいよ」
ギュゥ…
「んぅ…」
胸の上下に通した縄を引き絞り、胸を強調させるようにキツく縛りあげると和奏は再び甘い声を出した。
そしてヨーコは手を緩めることなく、和奏の腰に縄を巻き付ける。
「ひ…股縄…!そんなところに縄を通さなくても私はもう身動きできないですよ…やめてください…」
「へー、くノ一さんは股縄も知ってるんだ。結構えっちなくノ一さんだね」
「揶揄わないでください!だいたいあんなクスリさえ使わなけ
ギュッ
あひぃ!?」
股縄をキツく締めると身体を大きくのけ反らせるように反応していた。
「捕まってるくせに威張りすぎじゃない?囚われの女の子はもっと大人しくしてな」
「酷いです…媚薬まで盛って……」
「あ、媚薬は嘘だよ」
「へ…?」
「即効性マシマシの特殊配合した筋弛緩剤が主成分なだけ。他は何も入ってない」
「じゃあ…」
「そう。今のくノ一さんはただただ縛られて気持ちよくなってるだけの変態さん」
「そんな…」
落胆する和奏を尻目にヨーコは頭の中で次なる作戦を練っていた。
「さぁ、残るは4人だね。どうやって縛ってあげようか。」
たくさんの拘束道具を見ながらヨーコは不敵に微笑んだ。