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② ぼくっこSS

「んむぅ…?」


頬に伝わる冷気を感じてボクは目を覚ました。


「(ボク…痴漢がバレて、それから……)」


「むぐぅ?!(って…ナニコレ…!?)」


そこでボクは口の違和感に気づいた。何かを咥えている。口が閉じることができない。


「んむ…(猿ぐつわ…たしかボールギャグだっけ?)」


痴漢モノのAVで見たことのある拘束具を口に取り付けられていた。ボクは反射的にボールギャグを外そうとした。


ギチ…


「んぐ…?」


自分の両手が言うことを聞かない。思えばボクの両手は身体の後ろに回されてるような…。

ボクはおそるおそる身体の状態を確認した。


「んむぅ!?(縛られてる!?)」


ボクの両手は身体の後ろで束ねられていた。縄を解こうともがいてみても縄の音が鳴るだけで縄が解ける様子はなかった。改めて胴体をみるとおっぱいを絞り出すように縦横無尽に縄を巻かれていた。


「(コレって…“緊縛”だよね…?)」


過去のAVから得た知識からその単語を導き出した。

身体の拘束だけではなく、性的に辱める…それが“緊縛”だった。

ボクの身体に施された緊縛は小さな胸さえも強調させ、女性的な身体のラインを露見させていた。


「ん…!(早く逃げないと…!)」


本能が訴えていた。痴漢の報復で警察に突き出すなら理解できる。でも緊縛、そして猿ぐつわを施すということは性的な目的があるに違いない。


「ん……んむぅ…!(解けろ…!)」


女の中では力の強い方のボクが全力で力を入れても何が緩む気配はなかった。


「(尖ったものとかないかな…?)」


もがいて縄を解くのは諦め、尖ったものをみつけて道具を用いて縄を切ることにした。


ボクは改めて監禁されている一室を見渡してみた。

女の子座りをしているとお尻や足がとても冷える。そこからもわかるようにこの部屋は鉄のような金属でできていた。無機質な牢獄のような立方体の箱のような空間に閉じ込められていた。


「んーーー!!!」


「んーーーー!!!!」


猿ぐつわ越しに叫んでみても反抗することもなく音が吸収されているようだった。つまりいくら助けを求めても外の世界に伝わることはなさそうだった。


幸いにも足は縛られてなかったので部屋の中を歩いて脱出に使えるものが落ちていないか見て回ることにした。


「(あ、ボクのスマホ!?)」


部屋の扉付近に落ちていたのは私のスマホケースだった。


「(本体だけ抜き取られてる…)」


連絡する手段を奪うためだろうか。それでもあのお姉さんは詰めが甘い。このケースを割って、その破片を使えば……。


後ろ手でケースを拾い上げて壁に叩きつけた。


ガシャン


「(やった!)」


目論見通りにスマホケースは割れ、ボクはその破片で縄を切りにかかった。


ギリギリ…


ギリギリ…


ブチィ…


「むぅ!(解けた!)」


身体を締め付けていた縄がハラリと落ちる。


「ん…ぺっ……苦しかった…」


ボールギャグも外し、言葉も自由に操れるようになった。


「うぇ…汚い……」


ボールギャグにはボクの唾液がたくさんついていた。


「早いところ逃げないと…」


この部屋唯一の扉のドアの部を捻る。


ガチャ


どうやら施錠はされていないみたいだ。縛られていては逃げられないと踏んでいたのだろうか。何はともあれラッキーだ。


キィ…


扉を開ける。


「あらあら、随分と早かったわねぇ」


扉の先にお姉さんは立っていた。


「うそ…」


ひきつった笑いを浮かべながらお姉さんを見つめていた。


「縄抜けする女の子っていうのはとても興奮させられるわよね」


お姉さんは種明かしと言わんばかりに、そのマジックミラー性の扉をコンコンと叩いた。


「うふふ、その表情堪らないわ」


冷や汗を流すボクの頬を撫でるように触りながらお姉さんは告げた。


「さぁ、逃げようとした痴漢魔さんにはたっぷりとオシオキしましょうね」


お姉さんの手には痴漢の瞬間を写したスマホと麻縄の束が握られていた。


「っ……!」


ボクは抵抗することなんてできなかった。

せっかく逃げ出したはずの監禁部屋に自分から足を踏み入れた。


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