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12 (完)しばりしばられ 11

その11 → https://nobe.fanbox.cc/posts/4331267


ザッバーン……


ギシギシ…ギシギシ……


人気のない郊外の港に停泊する巨大な船。その甲板に私たちは吊るされていました。


「さっさとあの女の居場所を吐きやがれ!」


「「………。」」


男たちは縄原の所在を聞き出すために尋問しています。ですが私たちは沈黙を貫きました。


「くそ…ここまでしても口を開かねぇのか」


男は焦っているようでした。なぜなら尋問が始まってから私たちは口を閉ざしたままだったからです。少なくとも男たちの思い通りの行動さえしなければ時間稼ぎをできる……。時間さえ稼げば縄原が助けに来てくれると信じていたからです。


「大丈夫ですぜ。」


そう口を開いたのは男の仲間でした。その男は私たちを舐め回すように一瞥し、言葉を続けました。


「こんな姿で縛られているんだ。そのうち心は折れますぜ。」


男は下卑た視線を私たちに向けてきました。


「っ……」


私は唇を噛むことしかできませんでした。現在、私たちは下着姿で吊られていました。縄原を逃した後、私たちは男たちの手によって縛られてしまいました。抵抗した私と優奏は罰として忍び装束をビリビリに破かれ、下着姿に剥かれてしまいました。そして後手縛りと股縄を施され、この船まで連行されてしまったのです。

男達の施した後手縛りは拘束性だけを求めた縛りではありませんでした。胸の上下に巻かれた縄に加えて、胸を割るように縄をかけられていました。小ぶりながらも縄によって強調された胸が男たちを興奮させているのでしょう。


ヴィィィィィン


そして、私たちの股間ではローターが振動していました。縄原がよく使う遠隔型ではない有線タイプの卵型ローターをつけられていました。ローターのスイッチは太ももにガムテープで固定されていました。私の身体なのに私の意志ではどうしようもありません。後手に縛られたこの状態ではローターを外そうにも麻縄の音がギチギチと鳴るだけでした。


「それもそうか。夜明けと共に出港する。それまでにあの逃げ出した女一人で女たちを助け出すことなんて不可能だ。」


リーダー格の男は自分に言い聞かせるように呟きました。


「へへ、まだ乳クセェとはいえ若い女の下着姿ってのは良いもんだな」


「くノ一のコスプレしてたコイツらなんて紐パンはいてやがる」


男たちの視線は私と優奏の下着に集まりました。縞模様の紐パンに男たちは興奮しているようでした。


「みるな!ばか!」


優奏は恥じらいながらも強い口調で男たちに言いました。


「お前も売られたら毎日そんな格好を見られるんだぞ。今のうちから慣れておけよ。」


「うるさい!うるさい!縛られてなきゃ…あなたたちなんて…!」


「だが、お前は縛られている。それが現実だ。」


「っ……!」


私は黙っていられずに口を挟みました。


「貴方たちなんか“あの人”がやっつけてくれます…!」


「ぁ?」


「優奏や沙希さんたちを甘く見ないでください…!たとえ身体は縛られていたとしても心まで縛られたりはしない……!」


「っち……奴隷の分際で生意気言ってるんじゃねぇぞ」


どうやら男の逆鱗に触れてしまったようです。男は果物ナイフを取り出して私を吊っている縄尻にあてがいました。


「お姉ちゃん…!やめて!!!」


「和奏!」


「和奏ちゃん!」


そう、その縄を切られたら私は海に落ちます。縛られた状態で海に落ちたらまず、助からないでしょう。こんな冷静に分析しているようですが、実際汗が止まりません。まだ死にたくないです…。


「なんでもするから……!お姉ちゃんに手を出さないで…!」


優奏たちが私を心配してくれます。もっとたくさん皆さんと遊びたかったです…。


「良いことを教えてやる。この世界はそんなに甘くねぇってことだ。」


ブチィ


「お姉ちゃん!!!!」

「和奏ぁ!!!!」

「和奏ちゃん!!!!」


一瞬にして視界からみなさんの姿が消えました。縄が切られたようです。嘘みたいに時間が長く感じます。あんなことを言わなければ…沙希さんたちを助けにこなければ……。いろんな考えが頭を巡りました。それでも…。


少しは皆さんの役に立てたかな……。


私が男たちの怒りを一手に受けて沙希さんたちが無事なら本望です。優奏…、沙希さんたちを守ってあげてください…。

さようなら……。





「あらあら和奏ちゃんの紐パンは初めて見たわねぇ。股縄を通してあげたいわ〜」





「っ………!?」


何処か懐かしい声が聞こえました。

私は冷たい海に落とされたはずなのに暖かいものに包まれているようでした。


「ご機嫌麗しゅう?助けに来たわよ。」


気がつくと私は宿敵の腕の中で涙を流していました。堰き止めたはずの涙のダムが決壊してしまったようです。こんな姿…縄原に見せたくないのに…涙は止まることを知りません。


「ぅ…ぇ……ヒック……ウゥ…」


嗚咽で言葉になりません。


「貴女を縛って良いのは私だけよ。私の目の届かないところで好き勝手させるものですか。」


縄原は私の頭を撫でて耳元で一言だけ呟きました。


「その髪留め、借りるわよ。」


コクリ…


縄原は私の髪留めのゴムで髪を結いました。ポニーテールの縄原なんて初めて見ました。


「お前はさっきの…!」


男たちは瞬時に戦闘態勢を取りました。


「「縄原…!?」」


優奏たちは縄原の登場に驚いているようでした。


「可愛い“市民”にこんなことして…覚悟はできてるわよね?」


今までに見たことのない形相の縄原でした。その目は怒りに満ち溢れていて私たちを縛って弄んでいる縄原とは別人のようでした。


「落ち着け…こっちには人質が……」


男は視線を移しました。しかし、その視線の先に沙希さんたちはいませんでした。


「私の部下が救出済みよ。」


「くそ……」


沙希さんたちは黒忍たちによって救い出されていました。


「手加減はしないわよ……!」


そして縄原は目にも止まらぬ速さで男たちを薙ぎ倒しました。

男達が膝をついて倒れ、縄原が手を払いました。すると水平線から太陽が昇り、辺りを照らしていきました。同時にパトカーのサイレンが聞こえてきました。安心感からか私は静かに気を失ってしまいました。


_________________


警察からの事情聴取を終えた私たちは高級ホテルのスイートルームにいました。


「縄原、本当に良いの?」


「遠慮なんて要らないわよ。ゆっくり休みなさい。」


「う、うん。ありがとう。」


縄原は5人分のハーブティを用意してくれました。


「特製のブレンドよ。すぐに寝られると思うわ。」


「わーい、ありがとう!」


友梨さんはニコニコ笑顔でハーブティーを飲みました。


「いただきます。」


友梨さんに続くように私たちもハーブティーを流し込みました。とても優しい味がしました。身体の芯から温まる感じがしました。


一息ついて私は口を開きました。


「…ありがとうございました……。」


「可愛い市民を守るのは市長として当然よ。」


「………。」


なぜか言葉が出てきませんてました。心の鼓動だけがうるさく聞こえます。


「髪留め返すわね。」


縄原は私の後ろに周り、髪を結ってくれました。


「うふふ、後ろ手に組んでない和奏ちゃんの背後に立つなんて初めてかしら?」


「……揶揄うのはやめてください…!」


「はい、完成。髪をおろしたのも可愛いけどやっぱりこっちの方が好きね。」


「………///」


この人は私を弄んでいるのでしょうか。


「縄原“さん”…。」


「ん?」


「私たちは戦わないといけないのでしょうか……」


「当たり前よ。『全少女緊縛計画』、それを遂行しなければならないわ。」


「建前です…、だって縄原さんは優しい……」


「勘違いしてもらったら困るわ。私は、私のテリトリー外で貴女たちが縛られるのが許せないだけよ。」


「………。」


「少なくとも『全少女緊縛計画』に貴女たちの存在は邪魔なの。そんな貴女達を縄で身体も心も縛り上げるのが私の仕事ってわけ。」


「それは…間違ってます……!」


「そう思うなら抵抗して、私に示しなさい。」


「……分かりました……。」


「うふふ、そうでなくちゃね。」


縄原さんは再び私の頭を撫でてくれました。


「ひとつだけ敵からのアドバイスよ。れ


「……?」


「協力関係にあったとはいえ、敵の出したものに口をつけるのは良くないわよ〜」


「ぇ……?」


そう言われて周りを見ると沙希さん、光姫さん、友梨さん、優奏はベッドの上で寝ていました。


「み、みなさん…?」


そうして私も段々と意識が遠のいていきました。段々と暗くなる意識の中、最後に縄原さんの声が聞こえました。


「助けてくれて、ありがとう。」


縄原さんの唇がおでこに重なったような気がしました。


_________________


「…ぇ…ちゃん…」


「お姉ちゃん!」


「ん…?」


私は目を覚ましました。


「やっと起きた…」


目を覚ますと優奏の姿がありました。優奏の身体には無数の縄がかけられていました。後手に縛られ、胸の上下に縄をかけられ、胸を縦に割くようにV字の縄がかけられていました。そして腰縄から股縄が伸びており、股間にはローターが挟められていました。


「縄抜けの練習ですか、朝から熱心ですね。」


「なに寝ぼけてんのさ!みんな縛られているんだよ!」


「はい?」


私は周りを確認しました。すると沙希さん達も同様の縛りを受けていました。そして私も例外じゃありません。


「うわ…ギチギチです……」


「あれ見てよ!あれ!」


優奏の視線の先には張り紙がありました。




“私から最高の目覚めをプレゼントするわね。チェックアウトは明日の朝にしてあるから1日しっかりと悶えるのよ。それじゃadieu”




「あはは……縄原さんの仕業ですね……。」


「「“さん”?」」


縄抜けに挑んでいた沙希さん達は二度見するように私の方に向き直りました。


「はっはーん…なるほどねぇ……」


「和奏ちゃんも乙女ってことか〜」


沙希さんと友梨さんは何やらニヤニヤと見つめあっていました。


「どうしたの和奏!また洗脳されちゃった?」


光姫さんは心配するように尋ねてきました。


「お姉ちゃん!どうして敵に“さん”付けなの!!!」


優奏は怒りながら言ってきます。


私は縄原さんの言葉を思い出しながら心の中で想いました。


私…絶対に負けませんから……!

Comments

敵には変わらないはずなのに…和奏ちゃんの気持ちは……

のべ

敵同士でありながら、ある種の信頼が生まれた所にドラマを感じます!全少女緊縛計画がいつか実行されることを願っております!

セノジ


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