コミッションss『その肉体は伝説となる』(2)
Added 2024-10-24 10:59:32 +0000 UTCさらに旅を続ける一行。 勇者は体型の変化をどうにか誤魔化しているが、胸当ての内側でサラシでも隠しきれないほどに膨らんでいた。 ただ、仲間たちが気づく気配はない。 女戦士や僧侶の変化が顕著なせいで、違和感が生じにくくなっていたのもあるだろう。 しかし……転機は突然訪れた。 ガサッ 4人の前に現れた一匹のモンスター。 大きさや形状はキングスライムのようだが、いつも見ているような半透明の素材ではない。 完全に不透明で金属光沢を放っており、心なしか動きも普段の何倍かの質量を感じる。 それでいて動きは早く、見るからに厄介そうな印象を与えていた。 「お、メタルキングじゃん!」 女戦士が喜びまじりに声を上げる。 倒しにくい相手だが、経験値を大量に得られることで有名なモンスターだ。 うまく倒せれば、全員のレベルが一気に上がるチャンスで── (レベルが……一気に上がる!?) 勇者は、それが意味することを数拍おくれて理解する。 ステータスが上がるのはいい。だが、それに合わせて肉体も一気に変わることになるのでは……。 背筋を冷たいものが走る。 「ちょ、ちょっと待……」 「おらぁぁぁっ!!!」 慌てて止めようとした勇者だが、女戦士はすでに駆け出していた。 裂帛の気合とともに大剣を振りかぶり、渾身のまじん斬りを放った。 ガギィン!!! 金属同士がぶつかるような、固く重い衝突音が響き渡る。 こちらにまで衝撃が伝わってくるような大音量に、反射的に身構える勇者。 「あ……」 顔を上げると、大剣をしまう女戦士が視界に入ってくる。 その奥には、ひっくり返ったメタルキングがいた。 女戦士の会心の一撃によって力尽き、ドロリと水銀のように溶けていく。 いつも通りの、戦闘の勝利。 しかし得られる経験値はいつもの戦闘を何十回、いや何百回分にも達する莫大な量で……。 「お、身体が……」 「ぐっ、うっ!?」 何かを感じて立ち止まり、自分の身体を見下ろす女戦士。 それと勇者が、自分の身体に広がる違和感に顔をしかめるのは同時だった。 内側から何かが熱く膨れ上がっていく異様な感覚に、うずくまるようにして中腰になりつつ自らの胸を両腕で抱える。 息苦しさや圧迫感も加わってきて、自分より前にいる女戦士の姿を眺めるのがやっとな状態。 そして…… モコッ 目の前にいる彼女の肉体が膨れ上がった。 ビキニアーマーで大胆に晒された素肌、そこに筋肉が盛り上がり、内側から膨れ上がっていく。 腕はさらに太く、ボコボコと筋肉が盛り上がり。 背中はさらに広く、うねるように背筋が浮き上がる。 脚は樽のように太く内側から張り詰めて、自然とがに股になっていく。 成長の直後ゆえだからかパンプアップした筋肉が全身を覆い、力を入れていない状態でも肥大化した筋肉の凹凸がくっきりと浮き上がっていた。 アーマーを留めているベルトが、ギチギチと悲鳴を上げている。 「わ、私の胸がっ……!」 「あら、いい感じね」 少し後ろから、僧侶と遊び人の声も聞こえてくる。 振り向くと、あきらかに豊満になった彼女たちが歓喜の表情を浮かべていた。 2人とも両腕で抱えている胸は、あきらかに一回り以上はサイズアップしていた。 僧侶のインナーは窮屈そうに張り詰め、遊び人はバニースーツに収まりきらなくなった乳肉が溢れ出している。 そして同時に、ルビスの加護は彼女たちと同じくらいの影響を勇者にも与えていた。 ブチィッ! 「っ!?」 突然、胸当てが盛り上がる。 ずっと乳房を抑え込んでいたサラシが限界を迎えて千切れ、内圧で押し上げられたのだ。 少しばかりできた身体との隙間、わずかに覗く汗で蒸れた谷間から、熱気がむわりと立ち上る。 女性のフェロモンを濃縮したような甘酸っぱい匂い……それが自分の身体から発せられた匂いだと、最初は認識できなかった。 反射的に自らの胸を抱きかかえるように腕を回す。 端から見れば、胸当てを抑えているようにしか見えていないだろう。内側には乳肉がぎっちりと詰まっているのだが。 ズボンもキツく、思わず内股になって太腿を押しつけ合う。 流石に不自然な動きをしており、バレてしまったかと周りを横目で周囲を伺うが…… 「アタシの身体、最高じゃねぇか……!」 女戦士は自らの腕を曲げたり、上半身に力を込めてビクビクと大胸筋を震わせている。 湧き上がってくる力がたまらない、そんな表情だ。 「こんなに大きくなって……♡」 「なんか気分がいいわ♪」 あきらかにサイズアップした胸や尻に触れて、喜びの声をあげている僧侶と遊び人。 3人とも、自分たちの変化に夢中で気づいていないようだ。 勇者は無言のまま、そっと姿勢を戻す。 ちょうど満足そうな表情の女戦士が振り向き、こちらへと戻ってきた。 「そういや、さっき何か言ってたか?」 「いや……何でもない」 女戦士に問いかけられて、お茶を濁す。 これは自分のエゴなのだ。 魔王を倒すためにはより強くなる必要があるし、レベルはいずれ上げるべきである。メタルキングを倒したのは、間違いなくプラスなのだ。 この身体だってレベルアップとルビスの加護によるものなのだから、受け入れるべきなのだろう。 理性ではそう言えるのだが……まだ自分の身体について受け入れる心の準備ができていなかった。 「これで、このエリアのモンスターはすぐに倒せるだろう。先を急ごう」 葛藤を抱えつつも、勇者として旅を続けないといけない。 普段と変わらない振る舞いをするよう自分に言い聞かせつつ、3人を先導する。 ミチチッ…… 歩き出そうとして、ズボンの縫い目がわずかに音を立てて裂けた。 一気に上がったレベルによって、勇者たちを取り巻く状況は一気に変わった。 まず、戦闘がよりスムーズになった。 全員がモンスターに慣れつつあったとはいえ、森の中など魔物が多いエリアでは警戒する必要がある。ケースによっては丁寧な立ち回りが求められ、思うように進めないこともあった。 だが今は── 「おらぁっ!」 現れた魔物の群れに、女戦士が単身で突っ込んでいく。 3人の中でも筋肉の分だけインパクトがある彼女だが、性格も見た目相応の好戦的で脳筋なものへと変化していた。 「はっ、紙クズみてぇな防御だなぁ!」 口調も戦士らしくより乱雑なものとなり、力のままに大剣でモンスターを切り伏せていく。 荒々しい戦闘スタイルは、戦士の中でも歴戦の……それこそ歴史に残るレベルの猛者のようだ。 「逃がさないわ!」 少し後方に控えている僧侶は、戦士が突っ込んだことで散った魔物たちを的確に魔法で処理していた。 杖を振るたび胸が揺れ、無自覚にその女体が主張する。 「みんなすごいわね~」 遊び人は最後尾をついて歩いているが、その身体は豊満の一語に尽きる。 バニースーツは尻まわりがギチギチに張り詰め、境目である太腿の付け根あたりで肉がたわんで段差ができている。 胸はかろうじて乳首の部位のみは隠れるようにできているが、上乳がこんもりと溢れ出しており、コーンの上に乗ったアイスクリームを連想させる。 その体型とジョブの性質上、戦闘で役立つことは皆無と言っていい。 ただレベルは上がっているようで、敵にやられることはなく狙われたとしてもうまく躱して他の面々に処理を任せていた。 「グラアァアアァァ!!」 「ふんっ、蚊でも止まったかァ?」 最前で戦い続けている女戦士だが、モンスターの攻撃を受けてもまったく応えた様子はない。 分厚い筋肉はそれ自体が強固な鎧のように作用し、ステータスの高さも相まって無傷のままだ。 そして密着した魔物に対してカウンター気味に、さらに強力な一撃を返す。 至近距離で一発を食らった相手は、爆ぜるようにして消えていった。 「うん?何か落としたな」 倒した魔物から何かが地面に落ちる。稀に起こる現象であり、ドロップアイテムのようだ。 拾い上げてみると、それは独特な形状をした植物の種だった。 「お、ちからのたねじゃん」 存在は有名だが、なかなか手に入れられるものではない。 使用者の力を強化する、いわゆるレアアイテムだ。 女戦士は拾い上げた種をそのまま口へと放り込み、そのままガリッとかみ砕いた。 その直後── ボゴンッ! 爆ぜるように女戦士の全身が膨れ上がる。 胸板が大きくせり出し、ビキビキと筋を浮かべながら大胸筋100%の爆乳を形成する。 腕はさらに太く、持っている大剣よりも幅がありそうなサイズへ。そして左右に広がった背中と干渉して両脇が半開きになっている。 かろうじて胸や股間を包んでいるビキニアーマーは、局部を隠すだけの飾りのようだ。 もう、筋肉の方がメインの装備のように思えてくる。 「ちょ、ちょっと、確認もせずに使うのは──」 「なんだよ、アタシが食べるのが一番いいだろ?」 パーティーとして一旦はアイテムを共有するのが暗黙の了解のはずだが、 勇者も、女戦士の言い分自体に異論はない。だが仲間たちに確認も取らずに勝手に希少なアイテムを使うことが、今までの彼女からは考えられない行動だった。 「こうして強化されたんだし……な?」 背丈も180センチを超え、縦も横幅もある骨格に筋肉がこれでもかとついている。 ただでさえ大きく逞しかった身体がさらにバルクアップし、圧巻としか言いようがなかった。 首もさらに太く、身体との境目がわからなくなっているし、あまりの筋肉量に背中が横長の長方形のような輪郭を描いている。 太腿も上半身に匹敵するレベルで筋肉が張り出し、尻はサイズアップしながらも大殿筋の形に左右がくぼんで見える。 肘や膝はそのままで上下を挟み込むように筋肉が膨れ上がり、ボコボコと塊が連なっていく。 本人は満足そうだが、他のメンバーはそのデカさに言葉を失っている。 「じゃ、先に進もうぜ」 3人とも、がに股でのしのしと歩く後ろ姿を見つめるしかできなかった。 そこからは圧巻の一言に尽きた。 「おい、金目の物をだ……せ」 そこらの冒険者はもちろん、覆面を被ったごろつきよりも分厚くデカい肉体と筋肉量。 気圧されてすぐに逃げていったが、その差は比べるまでもなかっただろう。 「ウガアアアァァッ!!」 「ちょうどいいや、お前で力を試させてもらうぜ」 重戦車のようにすべてを押し倒し、進んでいく女戦士の戦い。 こん棒を持った巨人モンスター・サイクロプスが現れたにも関わらず、大剣を抜くどころか素手で掴みかかっていった。 「うおおぉぉぉっ!」 ボゴンッ、ビキキッ、ムグッ……! 取っ組み合う両者。 女戦士の腕がひとまわり肥大し、鉛筆ほどの太さの血管が二の腕に浮き上がる。 太腿がワイン樽のようにパンパンに張り詰め、地面に足が食い込んでいく。 圧倒的な体格差があるはずなのに、女戦士の身体は微動だにしない。 むしろサイクロプスの顔の方が険しくなり、そして…… 「オラアァァアアッッ!!!」 真正面から力で押し倒した。 そのままマウントを取って拳一発で倒し、完勝。 立ち塞がるものすべてを、パワーで圧倒してしまう。 戦力としてはこの上なく頼もしいのだが、勇者パーティーとしてはいくらか問題点も生じていた。 「雑魚が何匹集まっても雑魚なんだよォ!」 魔物の群れが現れた途端、一直線に突っ込んでいく女戦士。 前衛とはいえ、敵の群れに単身で突っ込んでいくなど普通はあり得ない。 しかし攻撃を受けても動じることなく、ゆっくりと振りかぶった大剣を一薙ぎするだけで群れの半数が消えていった。 効率のいい立ち回りにも思えるが、弊害もある。 具体的にはパーティーとしての連携のしようがなく……とにかく前に出て倒していくので、他の面々の出番がほとんどなくなっていた。 「ちょっと、動かないでください!」 「あぁ?問題ねーよ、すぐに終わらせっから」 力量としては十分に戦闘へ参加できるはずの僧侶は、女戦士に誤射してしまうのを恐れて魔法を放てない。 というよりも女戦士の方が、僧侶の射線上にいる敵へと飛びかかっていた。 突貫する筋肉の塊は、むしろ自分の獲物だと言わんばかりにモンスターを蹂躙し、残った数匹に痛烈な一撃を叩き込んでいく。 「うぐっ……」 勇者も戦闘力では負けていないのだが、その動きは鈍い。 抑えつけた胸や肥大化しつつある尻のせいで、以前のようなスピードを出せなくなっていた。 まったくの無理というわけではないが、強引に動けば服が破けてしまうだろう。 「ほら終わった。アタシにやらせてりゃ問題ねぇんだよ」 結局、戦士1人ですべてを終わらせてしまう。 経験値は等しく入ってくるため、それで戦力に偏りが生まれるわけではないのだが……。 「突っ立ってないでさっさと進むぞ」 まるで自分がリーダーかのように振る舞う女戦士。 パーティーとしての一体感はないが、彼女一人であっても場違いなほどの戦力ゆえにどんどん先へと進んでいく。 一行の進みだけをみれば、旅は非常に順調といえた。 「たぶん一時的なものだろう、戦士も落ち着いたら普段の調子に戻るさ」 勇者が僧侶と遊び人へ声をかけつつ、不和が生じないようバランスを取ろうとする。 ただ、締め付けた胸の息苦しさもあって、あまり余裕は感じられない。 レベルアップを繰り返し、無理やり締め付けたサラシと胸当ての中で乳肉の質量は増し続けている。 「…………」 そして、僧侶がじっと勇者のことを不満げに見つめている事にも気づけていなかった。 「ガツッ、ムシャッ、バクッ……大皿おかわり!」 ドカリと股を開いて椅子に座り、ガツガツと大皿に盛られた料理を貪り食う。 戦えば戦うほど経験値が入り、体格が増して筋肉が肥大する。 すでに彼女の肉体は筋肉でできた小山のようだ。 この筋肉を維持するためか、自然と食べる量も増えていた。 モンスターを倒した数も跳ね上がり、稼ぎはそれ以上に増えているので財布事情は問題ない。 だが人間離れしつつある筋肉巨体と野太い声は、冒険者のひしめく酒場でも注目を集めていた。 「あんな脳筋は放っておいて、今くらいはしっかり休んでください」 女戦士の振る舞いを気にしている勇者へ、僧侶が声をかける。 傍若無人な戦士に対しての嫌味を多分に含んだ発言だったが、やはり彼女も加護によって性格に微妙に影響が出ているようだ。 「そういうお前は、バカでかい乳で勇者を誘惑してんのか?」 「なっ……そんなの言いがかりよ!」 「あぁ、ケツもでけーよな」 椅子から溢れだしている尻を示しながらガハハと笑う女戦士。 顔を赤くして睨みつけている僧侶だが……実際のところ彼女のアプローチは肉体に合わせるようにより過激になっていた。 あまり色恋に興味のない勇者でも、意識せざるを得ないくらい激しいスキンシップを繰り返している。 意識的に腕に胸を押し付けてきたり、何かと理由をつけて一緒になろうとしたり、あまつさえ部屋に入ってきたり……。 男であれば悩殺されて当然とも言えるレベルの誘惑の数々だが、実際のところは同性である。 サキュバスの魅了が効かないように、僧侶の行為の数々も勇者には届いてなかった。 テーブルの間にピリピリとした空気が流れるが、遊び人はこの場にはいない。 誘いをもらった男冒険者たちの席へ赴き、その胸や肢体を見せつけてサービスしている。 勇者たちの視界にも入っているし、流石に度を超えるような行為はしていないようだが……レベルが上がるごとにマイペースな放蕩癖に拍車がかかっているように思える。 (大丈夫だとは思うけど……) 冒険者たちが集まれば、クセのある者同士の奔放な行動や小さなトラブルなどはよくあることだ。 喧嘩になるわけでもないし、このぐらい荒々しい空気に慣れるべきなのかもしれない。 勇者の思考は、ある程度は間違っていなかった。 ……その視線が女戦士の方へと向いたタイミングで、僧侶の顔が険しくなっていたことを除けば。
Comments
コメントありがとうございます! シンプルな強化が肉体に反映されるのもエッチだなと思うこの頃です。
HNZM
2024-10-24 15:35:11 +0000 UTCハーレム?パーティーに不和が 大量経験値やステアップアイテムがトリガーなの良いですね
瀬谷(アイコンは渦巻トグロウ様)
2024-10-24 15:31:37 +0000 UTC