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コミッションss『その肉体は伝説となる』(終)

翌朝、宿屋を出たパーティーの4人。 先頭に立つ勇者は、入ったときとは別人のように変貌していた。 「~♪」 サイズの合わない胸当ては取り去り、乳房を薄着一枚で覆っている。 昨夜の一件で女性であることはバレてしまったし、もう隠すつもりはないようだ。ここまで豊満で筋骨隆々の肉体になってしまっては、隠しようがないとも言えるが。 女戦士と遊び人は驚きはしたものの、同性であれ勇者であることには変わらないため、あまり追及はされなかった。 体型についても同様で、自分たちも加護によって恩恵を受けているのだから、リーダーである勇者が変化するのは不思議ではない。 女性であることを隠すために、今まで変化を抑え込んでいた……それが僧侶の夜這いで偶発的に抑制分が解放されたという説明で、ひとまず納得するに至った。 色々なことが一夜にして起きたわけだが、勇者はまったく気にする素振りはない。 むしろ今までの悩みが消え失せ、すっきりとした顔をしている。 どうして今までこそこそ隠してきたのか不思議に思えて仕方ない。 (このカラダを、もっと見せつけたい!) 自分こそが勇者なのだ。 これが本来の自分なのだと、みんなに見せつけてやろう。 記憶にこびりついて離れないくらい、勇者としての姿を強烈に残してやろう。 肉体への自信が溢れだし、露出狂のような欲望が全身に満ちていた。 筋肉の上にむっちりとした雌肉をまとわせた肢体は、戦士よりも女性的でありながら僧侶よりも逞しい。 丸太のように太くなった腕に同じように太くゴツイ腕を絡ませ、しなだれかかっている僧侶がいたが……それを気にする性格ではなくなっていた。 「ふふっ……勇者様、とっても素敵です♡」 僧侶の方も、ちからの指輪の影響で筋肉が発達し、別人のように容姿が変わっている。 インナーは破けてしまったので、素肌の上に僧侶の象徴ともいえる装備「神官のエプロン」を着けている。 しかし巨体にはサイズが会っておらず、大胸筋と脂肪で形成され大きく前にせりだした筋肉爆乳に布の大半を使われて、盛大な乳カーテンを作っていた。 布の幅も足りずに横乳がはみ出しているし、丸出しになった太腿も筋肉のハリと女性的な肉感が立っているだけで主張してくる。 肉体的な変化は凄まじいが、端的に言えばパーティーの装備を整えた状態である。 これだけデカ女がいれば、周囲から視線を集めるのも、肉体に発情するのも自然なことだ。 「お、おい、あれ……」 「デッカ……え、これがあの勇者!?」 驚きと興奮に満ちた人々の会話が耳に入ってくる。 恥ずかしさは全くない。むしろ胸が高鳴り、身体が熱くなってくる。 これからが、勇者としての自分の新たなスタートなのだ。 彼女の全身が、悦びと期待で満ち溢れていた。 そこからは破竹の勢いで進んでいった。 女戦士だけでもモンスター達を蹂躙していたのに、勇者の筋肉と僧侶の魔法がさらに強化されたのだ。 どこを取っても隙が無く、ダメージを受ける前にレベル上昇やアイテムによってステータスが底上げされていく。 順調も順調、しばらくは通っていく先々を、その筋肉と爆乳の巨体とともに蹂躙していく旅になりつつある。 しかし一方で── (……くそっ!) 女戦士は苛立ちを募らせていた。 僧侶が勇者にべったりと張り付いていることにではない。 ある程度は察していたし、彼女自身はそんな色恋沙汰に関心はなかった。 問題は……前を歩く2人の肉体が、自分と同じくらいにデカくなったことだ。 筋肉の塊である自分と、女性らしい胸や尻をした彼女たちは肉体の質が違うのは理解している。 しかし、決して無視できるものではない。 ぶるるっ、ゆさっ、だぷぷんっ! 勇者はガーターベルトを着けたことで性格が「セクシーギャル」となっているが、これが様々な恩恵を生み出していた。 まず体型を隠したり胸や尻をかばう必要がなくなったため、身体がとても動かしやすい。 大胸筋に押し上げられた爆乳をバルンバルンと揺らしながらも今まで以上のスピードで動き回り、強烈な一撃を叩き込んでいく。 力を振るう快楽に恍惚とした表情は、雌としての艶やかさを滲ませていた。 その肉体は凡百の男冒険者たちよりずっと逞しく、それでいて爆乳が女としての魅力を撒き散らす。 ……むくっ、どぷんっ! 「あはっ♪また大きくなっちゃったぁ♡」 魔物を倒すこと、レベルアップすることに抵抗がなくなり、むしろ自ら積極的に肉体がデカくなるよう動いている。 こちらは勇者という素質もあって、4人の中でも最も筋肉と乳房の増大していた。 くわえて「セクシーギャル」という性格ゆえに、能力の伸びが著しい。 女戦士は、自分の筋肉量すらもいつかは抜かされてしまうのでは……という危機感すら抱いていた。 「ほらほらほらぁ、真空の刃を食らいなさい!」 そして一番の問題は僧侶だ。彼女は後衛で魔法を放つことがメインのはずなのに、一晩で筋肉を肥大化させてきた。 今では魔法もガンガン撃つようになっているし、自分にも容赦なく当ててくる。 それでダメージを受けるようなやわな筋肉ではないが、戦闘での成果が減ったのは否めない。 (アタシの筋肉が一番に決まってるのに、ちょこまかと……!) 自分だけが抜群に活躍している……そんな状況ではなくなりつつあった。 以前の彼女であれば気にしなかっただろう。 しかしレベルアップしていく己の肉体に合わせて、そのプライドも肥大化していたのだ。 勇者が自分に匹敵するバルクの肉体へと変貌した今、その優位性も危うい。 単純な攻撃力だけなら、まだ自分の方が上だといえる。 しかし総合的な戦闘力は、彼女に匹敵するレベルまで急激に高まったと言えるだろう。 そして、さらなる危機感を覚える戦闘が起きた。 「バギクロス!……あれ、効かないの?」 魔力に対して強い耐性を持つゴーレムが現れた。 何度魔法を放っても、ビクともしない相手に眉をひそめる僧侶。 それこそ、女戦士が大剣で物理的に倒してしまえば解決する話なのだが……。 「……うざったいわね」 低い声を呟いた僧侶は、持っていた杖を構えて魔物に向かって突っ込んでいく。 筋肉の上に脂肪の乗った巨体は魔物の攻撃でひるむことなく間合いを詰めてゆき、勢いのままに杖で殴りつけた。 ドゴォッ! 宝箱から見つけた重厚感のある杖であり、頑丈そうではあったのだが……物理攻撃のためにそう作ったわけではないだろう。 しかし重く強力な一撃によってゴーレムの頭部は破壊され、そのまま前に倒れ込む。 「おい、それはアタシの領分だろ!」 「いつも魔法を無視してるクセによく言うわねぇ!」 前衛での戦闘は女戦士に任せる……パーティーとして暗黙の了解があるはずだった。 それを一方的に破ってきた相手へ怒鳴ったのだが、僧侶の方はまったく気圧された様子はない。それどころか、女戦士と変わらない乱雑さと野太い声で怒鳴り返してきた。 今までは発情こそすれど理性的な口調だった彼女だが、性格の変化とともに感情のままに振る舞うことが多くなっていた。 僧侶の方が止まらないため、2人して競い合うように魔物をなぎ倒していく。 「こんのォ……!」 こみ上げてくる怒りに筋肉を震わせながら、女戦士は危機感を募らせていた。 「いいな~」 我先にと魔物を倒していく光景を後方で眺めつつ、遊び人はマイペースに呟く。 しかし同時に、内心では微妙な感情も抱いていた。 3人とは異なり、彼女の肢体に筋肉質な印象はまったくない。 レベルアップによって成長を繰り返した肉体は、柔らかそうな肉感とともにみちみち、むちむちと音を立てそうなほどに脂を乗せている。 足元が全く見えないサイズの爆乳は、自分で抱きかかえるのも難しいほどだ。 他の3人は胸板の厚みや筋肉でサイズアップしていることを考えれば、彼女の乳房が最も女性的な魅力に溢れていると言えるだろう。 そう……性的な魅力は、自分のジョブこそが一番ふさわしいと思っていた。 しかし彼女に匹敵する爆乳や雌らしい肉付きとなった僧侶と勇者が現れてから、状況は一変した。 街中を歩いているときも、自分に集中していた男たちの視線が、彼女たちにも分散しているのを肌で感じる。 くわえて彼女たちは戦闘力もある。冒険者というのは、それに近しい男というものは、強い女にも惹かれるものだ。 もちろん自分も言い寄られるし、この身体の魅力が負けているわけではないだろう。 ただ……勇者パーティーの一員というのもあって、冒険者としての魅力について考えてしまうのだった。 「モンスターも倒したしぃ……じゃあ行こっか♪」 レベルアップした自らの肉体を愛撫しながら勇者が号令をかけ、4人それぞれ筋肉や雌肉を詰め込んだ肉体を重たげに揺らしながら歩きだす。 変わりゆく精神とそれぞれの感情を抱えたまま、彼女たちの旅はまだまだ続いていく。

Comments

コメントありがとうございます!転職でさらにブーストがかかるとどうなってしまうのか……。

HNZM

こちらこそお読みいただきありがとうございます! 依頼いただいた内容に沿って書いた本作ですが、続きがあるなら転職きっかけに賢者が爆発しそうです。

HNZM

遊び人ちゃんは賢者になった時が楽しみですねえ。

スコール☆

ありがとうございました! 遊び人さんはこの後は転職の道弾けそう

瀬谷(アイコンは渦巻トグロウ様)


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