腕試しに応募して、カテゴリーエラー気味にもかかわらず2次選考まで通った自信作です。 全4章を順次改稿してpixivに投下していきますが、支援者様向けに投稿したままの物を取り急ぎ提供します。 ================================ 序章 壊れたバレエ人形 川地千鶴は黙っていると人形のように美しく、また人形のように寡黙だ。だが、それは誰も話しかけないからだ。 吊り目気味の大きな瞳と長いまつ毛はどこかきつい印象を与え、どこか険ある。きっちりとセットされたシニヨンも人を寄せ付けない神経質さを暗示しているように見えた。 あまり動こうはとしないが姿勢が良く、動く必要に迫られると非常にきびきびと動いた。その歩き方や佇まいもまた人形のような印象を見る人に与えた。 だが、恐ろしく気が強くていつも不機嫌だった。迂闊に話しかけると話しかけた相手も千鶴も傷付くことになる。だから千鶴はいつも一人だ。だが、それを差し引いてもこの数日の千鶴の塞ぎ込み方は度を越していた。 というのも、千鶴は優秀なバレリーナで、一見すると輝かしい受賞歴の持ち主だ。ところがその裏では努力で埋め難い問題に苦しめられてきた。 千鶴の両親は娘にバレエの英才教育を施せるほど裕福ではなく、何より千鶴には身長が足りなかった。149センチというのはバレリーナとしては小さすぎる。 千鶴はそれを努力で乗り越えんとしてバレエに打ち込んだ。しかし、そのストイックさ故に常に苛立っていた。 そんな千鶴が不幸にもレッスン中に右の足首を骨折した。そして完治まで半年、その後も舞台復帰は請け合えないという診断が下されたのが1週間前の事である。 千鶴は2歳の時からバレエのみにその人生を捧げてきて、他に趣味や特技は何もない。そんな千鶴にとって学校が楽しいはずがない。 周りの人間は大変だ。元より近寄り難い千鶴なのに、こうなると不発弾と机を並べているに等しい。 千鶴の席を誰もが避けて通ったが、露口充博はそれができない。席が隣だからだ。 全く親しくはないが、二人は小学校以来の古くから知った仲だ。だが、充博は千鶴を慰める言葉が見つからないし、千鶴もまた充博に泣き言を言うつもりはない。そんな事をすれば逆効果だと誰もが知っていた。 それでも充博の方は千鶴が気の毒だった。千鶴がバレエに真摯に打ち込む姿を長年横目に見てきたし、それは理屈抜きに美しいと思っていたからだ。 それは金曜日の放課後だった。千鶴は誰かと遊びに行くでもなく、勿論レッスンに行くわけでもなく、ただ家に帰る為に廊下を松葉杖を突いて歩いていた。 そこを誰かが千鶴の脇をぶつかって走り抜けていった。千鶴は弾みで松葉杖を取り落とし、たまたま横を通っていた充博が松葉杖を拾った。 「おい、大丈夫か?」 充博は驚くべき物を見た。千鶴はぶつかられたというのに左足に根が生えているようにその場に留まって平然と身体を起こし、走り去っていく誰かを睨みつけている。それは充博には真似のできない動きだ。 「露口、ありがとう」 千鶴は充博に不愛想に礼を述べて松葉杖を受け取った。こんな形でも人と関わり合いになるのが煩わしいと言わんばかりだ。 「バレリーナのバランス感覚は凄いな」 充博は千鶴の身体能力に感心した。千鶴が踊るのをまだ見たことが無いが、きっと見事だろうと思った。 「私はもうバレリーナじゃない」 「なら、川地は一体何なんだ?」 千鶴は言葉を失った。バレリーナでなくなった自分と向き合うことが出来ずに苦しんでいるのだ。答えられようはずがない。 「私って、一体何なの?」 二十秒ほども考えて、千鶴はとうとう充博に答えを求めた。その表情は悲痛そのもので、充博は思いがけず千鶴の悩みに深入りしてしまったのを悟った。 「俺で良かったら相談に乗るよ」 充博はこの際責任を取ろうと腹を決め、駅の近くの喫茶店まで千鶴を引っ張って行った。 二人は客のまばらな喫茶店の奥の席に陣取った。充博はマスターが持って来たメニューをまず千鶴に示した。 「おごるよ」 「ブラックコーヒー」 千鶴はメニューを見もせずに答えた。 「甘い物は嫌いか?」 「そうじゃないけど、ずっと我慢してきたから」 千鶴は常日頃から厳しい食事制限を自らに課し、甘い物は年に数度しか食べないような暮らしをしていた。なので喫茶店で甘い物を食べるという発想自体が無かった。 「栄養不足だと治りが遅くなるぞ」 充博はそう言って勝手にチョコレートケーキを選んで注文した。三分ほどの気まずい沈黙の後、ケーキとコーヒーがテーブルに運ばれて来た。 「まあ食えよ」 そう促されて千鶴は複雑な表情を浮かべながらケーキを口に運んだ。だが、一口食べるとその後は早く、たちまちケーキは皿から消えた。 「なあ、当分踊れないなら踊る為の我慢も当文はしなくていいじゃないか」 「だって、ずっとこうやって生きてきたし」 「だからそんな怖い顔なんだな」 充博は意外な返答に当惑する千鶴に自分の分のケーキも差し出した。 「川地。お前は立派な奴だと思うが、ちっとも楽しくなさそうだ」 充博は物事に打ち込まずに生きる自分の理念に基づいて千鶴をそう評した。 「楽しさって?」 「色々あるだろ。甘い物を腹一杯食べて、友達と長電話して、着飾ってデート…」 「どれもやった事ない」 千鶴は惨めさに表情を歪めてコーヒーカップに視線を落とした。そういう楽しみをバレエの邪魔と信じて拒んできたのだ。 「じゃあ、足の治るまではそういう事をやれよ」 千鶴は充博に促されてケーキを食べ始めた。千鶴は生まれて初めてケーキを二つ続けて食べた。 「明日はスイーツバイキングにでも行って腹一杯食べろ」 「じゃあ露口、連れて行ってよ」 ちょっと良い事を言って一仕事終えた気でいた充博は、千鶴の思いがけない頼みにたじろいだ。 「俺が?」 「私、友達居ないもん」 充博の知る限りそれは事実だ。気難しい千鶴を遊びに連れ出してくれるような相手は思い浮かばない。 「責任取ってよ」 この一言は効いた。翌日、充博は責任を取るべく千鶴と駅前で待ち合わせた。充博は気を利かせて十五分早く来たが、千鶴は既に駅前の階段に腰掛けてじっと駅から出てくる人を見ていた。 「悪い、遅くなった」 充博は千鶴に駆け寄って遅れを詫びた。 「まだ早いよ?」 「そりゃあそうだけど…」 「変なの」 千鶴は充博が申し訳なさそうにするのを見て不思議そうにしている。充博にしてみれば女より後に来るのは良くない事だが、千鶴はそういう男女の機微を全く知らないのだ。 「ところで、スイーツバイキングってどんな店?」 千鶴は階段に立てかけた松葉杖を取って立ち上がり、充博に導かれるまま歩き出した。 「スイーツが何種類も置いてあって、好きなだけ食べられるんだ」 「へえ。そんなのあるんだ」 すれ違う人が皆千鶴と充博の奇妙な即席カップルに振り向く。水色のワンピースに身を包み、松葉杖を突いて歩く千鶴はそのくらい目を惹いた。 だが、充博は内心あまり気が進まない。千鶴が転んだり怒ったりすれば責任を問われるのだ。千鶴のそういう危険さを充博はよく見知っていた。 どうにか目当ての店に無事に到着した。千鶴は無数に並ぶケーキに目を輝かせ、人生に食べ損なった分を一度に食べるような勢いで次々ケーキを食べて飽くことが無かった。 そうして店を出た千鶴は古い仲の充博さえ見た記憶のない曇りのない笑顔を浮かべ、血色が良くなったように見える。 「ねえ露口、映画観てみたい」 満腹感と解放感で機嫌の良くなった千鶴は勢いに任せて充博にねだった。 「バレリーナは映画観ないのか?」 「休みに何時間も座ってられないもん」 充博は千鶴の人生に想像以上に楽しみが不足していたのをこの一言で思い知り、観たくもない映画に付き合った。 充博と千鶴がデートをしたという噂は月曜には学校中に知れ渡っていた。充博は冷やかされてどうにも居心地が悪いが、千鶴をこの件で追及できる度胸の持ち主は居ない。そのくらい千鶴は恐れられていた。 なので何も知らない千鶴は次の休みも充博に普通の楽しみへの案内を求め、それが毎週続いた。 そうするうちに千鶴の細い身体は僅かに肉付きと血色を帯びて健康的に見えるようになり、表情はそれ以上に明るさを増して穏やかになった。 充博は最初こそ義務感で千鶴をエスコートしていたが、じきにこの役目を望外の幸運と思うようになった。今や千鶴はそのくらい魅力的な娘に見える。 デートの内容は段々と過激化した。ある日はカラオケボックスで五時間も歌って二人して喉を傷めた。またある日の千鶴は母親のクレジットカードを盗み、大量の洋服を買い込んで充博に持たせて堂々と帰宅した。 千鶴の両親は怒らなかった。それどころか充博が千鶴をバレエから解放した事を大いに喜んだ。千鶴のバレエへの執念は実の親さえ持て余していたのだ。 第1章 人形から娘へ そんな調子でこの奇妙なカップルはデートを重ね、ある日千鶴は充博を自宅に招いた。千鶴の両親は親類の法事に出かけて不在だった。 「来てくれてありがとうね。家空けられないから」 初めてデートした日と同じワンピースで充博を出迎えた千鶴だが、充博にはあの日の千鶴とは別人とさえ思えた。 それは千鶴がずっとポニーテールかシニヨンだった髪を下ろし、肩まで垂らしていたからだけではないだろう。面構えが根本的に違っていた。 「他にも友達作れよ」 「私の事、嫌なの?」 勿論充博にそんなつもりはなかったが、千鶴はそうは思わない。充博にとって千鶴は友人の一人だが、千鶴にとって充博は自分と真剣に向き合ってくれるたった一人の重要人物なのだ。 断れるはずもなく充博はリビングに通され、千鶴とソファに並んで座って怪しげなホラー映画を鑑賞することになった。テーブルにはバレリーナには明らかにミスマッチなコーラのペットボトルとアイスクリームバケツが並んでいる。 「こんなのいつも観てるのか?」 「こういう馬鹿っぽい映画好きなんだ」 今や千鶴は甘い物と馬鹿な物を追い求めていた。それは飢えに耐えながら高等芸術に身を捧げてきた反動なのだろう。 稚拙な映画にはしゃぎ、巨大なアイスクリームにはしゃぐ千鶴は、それでもどこか寂しそうに見えた。だから自分を呼びつけたのだろうと充博は思った。 ところが、しばらくすると様子が変わった。この種の映画に欠かせない濡れ場のシーンが訪れたのだ。 見慣れない役者の演じる男女がゾンビに囲まれた家でやけに楽しそうに身体を重ね、あられもない声を出す。千鶴はずっと喋るのと食べるのにこき使っていた口を思わず止めて、それを食い入るように眺めている。。 じきに画面上で楽しんでいた二人は食い殺されたが、千鶴はその後も黙ったままだった。充博はあまりの気まずさに逃げ出したくなった。 映画はそうして何度かの濡れ場と暴力を繰り返して不条理の末に終わり、リビングは静寂に包まれた。 「ねえ、上の部屋に連れて行ってよ」 機械時計に従えば精々数分、体感時計だと数時間にも感じられる無言の時間を千鶴がその言葉で遮った。 心身が充実したおかげか千鶴の怪我の治りは医者の見立てより早く、もはや家では松葉杖を必要としなかった。充博は手摺に掴まって階段を上がる千鶴を後ろから庇って付き従い、千鶴の部屋に案内された。 部屋の壁には千鶴が初めてプリマを務めた公演のポスターが貼られ、棚にはバレエの技術書が少しと莫大な数のトロフィーが並んでいるが、その他にはベッドと机とクローゼットしかない。女の子の部屋にしてはあまりに殺風景だ。 「凄いな」 充博は西日を浴びて耀くトロフィーの群れを眺めて思わずため息をついた。 「一杯あるけど、一番のトロフィーは殆どないの」 千鶴はベッドに腰掛けて寂しそうに言った。千鶴の上には常に裕福で長身なライバルが居て、トップに立てない宿命を背負っていた。その宿命に必死に抗った結果が骨折だったわけだ。 「ねえ、充博」 充博の心臓がその一言を合図にまさにバレエを踊り始めた。千鶴は初めて充博を名前で呼んだのだ。 「色々楽しい事を教えてくれたんだから、この際一番楽しい事も教えてよ」 千鶴は振り向いた充博の腕を掴み、舞台でしか見せないような真剣な眼差しでじっと充博を見つめた。 「おい、川地」 「千鶴って呼んで!」 千鶴の言葉と手に力がこもる。それはこんな小柄な少女のものとは思えない強烈なものだった。 「嫌なの?」 充博は躊躇った。本音を言うならこのまま千鶴を押し倒してしまいたいし、遠からずこんな日が来るのを期待はしていた。だが、明らかに千鶴は結論を急ぎ過ぎていた。 「千鶴、後戻りできないぞ」 「後戻りできなくなったのを充博が助けてくれたんじゃない」 そう言い終わるが早いか、千鶴はベッドから左足だけで跳び上がり、二十センチ以上も長身の充博に抱き着いてキスをした。 充博は抱き着いてきた千鶴の柔らかい唇の感触と甘い香りに理性と身体をよろめかせ、棚にぶつかってどうにか止まった。だが、千鶴は決して顔を充博から離さない。 手負いでも千鶴は優れたバレリーナだと思わせる不意打ちだった。充博はどうにか千鶴を引き剥がすと、千鶴を慎重にベッドへ戻した。 「本当にいいんだな?」 「最後まで責任取ってよ」 今度はベッドに倒れ込んだ千鶴の肩を掴む充博の手に力が入る。 「だけど、これ着けてね」 千鶴はワンピースのポケットからコンドームを取り出し、充博に手渡した。つまり、千鶴は最初からそのつもりで充博を家に招いたのだ。 充博はコンドームを黙って受け取ると、興奮と緊張で怪しい手付きで千鶴のワンピースのボタンを外しにかかった。 頼りない麻布に守られていた千鶴の身体は一層頼りなく飾り気のない白い下着だけを残し、初めて男の前にその全容を見せた。 千鶴はあまりに小柄でか細く、白磁のように白い肌にはところどころ青い血管が走り、一見は不健康な印象を与える。 だが、脱がせてみると印象が変わる。全身の全ての筋肉が柔軟性とバランスを維持できる限界まで鍛えられ、脂肪という物が殆どない。常人には有り得ない肉体的均整が千鶴には秘められていた。 「綺麗だ」 充博も対抗上脱いでみたが、千鶴を褒める言葉が他に出なかった。むしろ月並みな言葉で褒めるのが憚られる。 「なあ、全部脱いでくれよ」 目を血走らせてもはや千鶴に配慮する余裕を失いつつある充博は、立派とは言えない下半身でもって千鶴が欲しいと強烈に自己主張していた。 それに気づいた千鶴の中で、充博が自分を求めてくれている喜びと、これからこれが自分に押し込まれる事への緊張が交錯する。 だが、もう後戻りはできない。充博が食い入るように見つめる前で千鶴は下着を脱ぎ、ついに一糸まとわぬ姿になった。 「その、あんまり見ないで」 千鶴がそう言って頬を赤らめたのが充博の理性を飛ばした。充博は千鶴をベッドに組み敷いてしまった。 「ごめん。こんなの我慢できねえよ」 充博は今度は自分から千鶴にキスをした。互いの舌が絡み合うと、チョコレートアイスの味がした。二人は初めての素敵な感触にうっとりとしながら見つめ合い、息の続く限りそうしていた。 充博はそうして千鶴と舌を絡ませながら、そっと右手を千鶴の秘裂に伸ばした。 「ひゃっ!」 おそらくここだろうという一点に充博の指が触れた瞬間、千鶴は驚いて思わず身を震わせ、充博を突き飛ばすようにして引き離した。 「ご、ごめん。こんなの初めてで…」 その反応は充博に後ろめたさを感じさせ、また興奮させるものだった。それを証拠に充博の肉棒は初めて本来の役割に従事できる喜びに打ち震えていた。 小さい頃から気難しさと裏腹に人形のように可愛いと誰もが評した千鶴が、今や自分にだけ心を開いて特別な関係になろうとしている。 それは美しい少女で童貞を捨てるという、充博が生涯忘れられないだろう大事をより特別な意味合いに変えた。他の誰でもなく、千鶴が初めての相手になる事にはそれだけの驚きと感動があった。 充博は不慣れな手つきで理性をせっつくように震える肉棒にコンドームを被せ、千鶴の両足を取って開かせた。 そこは僅かばかりの秘毛に形だけ守られ、ほとんど触れずに生きてきたことを想像させる桜色の小陰唇をわずかに露出させてぴったりと閉じている。 充博は千鶴が少し嫌そうにしたのを見ないふりをしてその柔らかい秘裂を両手で開いてみた。 男を受け入れ、その結果を送り出す役割を帯びた桜色の秘穴は波打つような凹凸を呈し、奥へ行くにつれて窄まっているようだった。僅かに淫靡な匂いが充博の鼻孔を刺激し、何倍にも増幅されて脳と肉棒を刺激した。 「み、見ないで…」 「もう少し、もう少しだけ」 鶴が頬を赤らめて恥ずかしさに手で顔を覆っているのが見える。だが、充博の方は瞬きさえ忘れて秘穴の奥へ続く一点だけを見つめていた。 実は充博が性に目覚めて以来、身の周りで最も美しい少女である千鶴を組み伏せる様を想像してオナニーに及んだ回数は一度や二度ではない。ある時などネット上で千鶴の舞台写真を見つけ、しばらくそればかりをオカズにしていた時期もある。 だが、目の前の光景は想像を絶していた。千鶴は充博だけにしか見せない女の表情を見せ、眼前にある千鶴の女の部分は本能に訴えかけるフォルムでもって、右手では決して得られない快楽をもたらしてくれる事を容易に想像させた。 「恥ずかしいよ…」 千鶴は骨折したその瞬間にも漏らさなかっただろう情けない声を出して身を震わせる。 充博はその様を見てようやくわずかに冷静さを取り戻し、顔を覆う千鶴の手を引き剝がした。少し涙ぐんでいるように見えた。 千鶴が嫌がっても、恥ずかしがっても、仮に誘ったとしても、もはやどう転んでも充博の肉欲をたぎらせるだけであった。 だが、こんな小さな穴に本当に入るのか?それはどちらも考えた事だ。だが、乏しい医学的知識と本能は大丈夫と叫ぶ。 充博は信じられないほど細くて軽い千鶴の腰を掴むと、しきりに催促する自らの肉棒を千鶴の秘所に押し当てた。 「千鶴、いくぞ」 「充博、私を女の子に戻して」 千鶴がそう言って充博の首に腕を回すと、それに応えるようにして充博は腰を入れて肉棒を千鶴の秘穴に押し込んだ。 「痛い!痛いよ!」 千鶴は骨盤を二つに割られたのかとさえ思える激痛に、思う様に動かない足をばたつかせながら悲鳴を上げた。 「もう少し、もう少しだから」 千鶴の小柄で筋肉質な、しかも初めて男を受け入れた膣内はただならぬ狭さで、その灼けるような熱さと締め付けは亀頭から脳天まで一直線に突き抜けるような快感をもたらした。 「あぁっ!うぅ!」 「凄い、狭い…」 強烈な快感の一方で不安にさせるほどの千鶴の強烈な締め付けと声にならない声が充博の五感を支配する中、肉棒は確実に、少しずつ膣壁を押し広げながら千鶴に埋もれて行く。 奥へ行く程締め付けは一層強く、温かい手で握り締められているような感触があった。だが、どこまでも入っていきたい充博の願いと裏腹に、そう立派とは言えない肉棒はその長さに余裕を残して明らかな行き止まりに到達した。 「千鶴、全部挿入ったよ」 「無理、こんなの無理ぃ…」 バレエを極めようとすると女本来の機能を損なうという話を充博も聞いたことがあったが、千鶴の身体は明らかにその域に入っていた。 「千鶴、ごめん。我慢できないよ」 「もう!なんでこんなに痛いの…」 充博は痛みに苦しむ千鶴を気遣いながら今度は腰を引いた。奥へ行く程狭くなる千鶴の膣壁は肉棒を握り潰して押し返そうとして、充博は鳥肌が立ちそうなその感触に酔った。 そしてある一点まで戻ると再び戻る。コンドーム越しにも膣壁のひだが亀頭に引っ掛かり、その一回ごとにその刺激が強くなる。 もっと奥へと充博が思う頃に亀頭は子宮口にぶつかり、持ち主の痛みと別の意思を持った子宮口はまるで亀頭にキスをするように吸い付いて来る。 「うんっ!」 「千鶴、大丈夫か?」 「大丈夫…我慢する…」 そして、その瞬間が千鶴にとっては一番痛く、顔を歪めて悲鳴にも似た声を出さずにいられない。その有様が充博を狂わせ、危うく射精しそうになるのを充博は必死にこらえた。 千鶴は痛みと後悔に涙を浮かべ、おっかなびっくり動き出した充博を睨みつける。だが、充博は動くたびに千鶴が痛みで顔を歪め、身体をくねらせ、聞いたことのないような声を出すのに余計興奮を煽られる。 充博は千鶴を守ってきた。だからこんな関係になった。なのに今は千鶴を苦しめている。それは歪んだ征服感を充博に与えた。 むしろ皮膚感覚よりもその反応に充博は興奮し、もっと千鶴を泣かせたい衝動と格闘しながら、しかし確実に少しずつ腰の動きを早めていく。 「千鶴、今の千鶴は凄く綺麗だ」 充博は左手を千鶴の乏しい胸に伸ばし、空いたもう片方に顔をうずめ、鎮座する桜色の乳首に吸いついた。 そこはバレエには完全に不要な器官であって、男を悦ばせる機能は明らかに不足していた。 だが、その小さく固い、未発達な感触がむしろ充博に悪い事をしているような印象を与え、却って肉棒を固くし、腰の動きを早めさせた。 「ねえ…充博は気持ちいいの?」 そうして段々と肉欲に理性を食われていく充博に、千鶴がその一言をかけたのがいけなかった。 もう充博は上半身も下半身も我慢の限界を超えていた。これを聞いていよいよ千鶴を気遣う余裕を無くし、千鶴を乱暴に抱き締めて全力で腰を使い始めた。 「痛い!痛いよ」 「千鶴!好きだ!」 目の奥で火花の散るような膣壁の感触に酔いしれながら、充博は叫びをあげる千鶴を貪る。この時千鶴は人形から人間に自分を戻してくれた相手に快楽を提供するだけの人形に戻ったのだ。 だが、千鶴も千鶴で痛みに苦しみながらもそんな充博が愛おしく、充博の背中に思わず爪を立てた。だが、充博は千鶴に背中の皮膚を斬り付けられるその痛みにさえ射精感を高めた。 こうなると充博の絶頂まではあっという間だった。千鶴を気遣うのをやめて全力で千鶴を貪るとむしろ秘穴はそれに応えるように余計に締め付けてくるのだ。 「出すぞ!千鶴、出すぞ!」 「出して!」 千鶴はそう言い残して充博の首に回した手を引っ張り寄せて充博にキスをした。その瞬間、充博の肉棒は膨らみ、さらに次の瞬間、千鶴の膣奥にコンドーム越しに精子をぶちまけた。 充博はこのまま死んでもいいと思った。だから長い長い射精が終わっても、しばらくそうして上下で繋がったまま余韻に浸っていた。 「初めて好きって言ってくれたね」 どうにか落ち着きを取り戻し、ようやく顔を離した充博への千鶴の一言はそれだった。 「けど、セックスの最中にって最低じゃない?」 「断られたくなかったんだよ」 実際のところ、充博は千鶴が自分を好いてくれている確信を未だに持てずにいた。 「嫌いな相手と毎週デートすると思う?」 「じゃあ、いつから俺が好きだった?」 「喫茶店でケーキをくれた時」 充博はつまらない取り越し苦労をしていた自分を恥じ、同時に千鶴が案外に惚れっぽい事に驚いた。 「あの気難しい千鶴が、一切れのケーキで男に惚れるなんて思わないよ」 充博は苦笑しながら千鶴に引っ掛かれた傷に触れた。傷は意外に深く、手には血が付いた。 「大丈夫?ごめんね。夢中で」 「俺の部屋にはトロフィーはないけど、これは男の勲章だろ」 充博は気にせず肉棒を名残惜しさを残しつつ千鶴から引き抜き、コンドームを外した。その中には大量の愛の証が詰め込まれているが、外に付いてるはずの血が無い。 「きっと、踊り過ぎて処女膜がなくなったの」 不思議そうにコンドームを眺めていた充博の考えを察し、千鶴が慌て気味にそう答えた。 「ごめんね」 「謝るなよ。俺が嫌な奴みたいじゃないか」 「嫌な奴だったら、私を助けてくれないでしょ?」 千鶴はまた充博に顔を寄せてキスをした。まだチョコレートの味がした。 第2章 娘から女へ 充博と特別な関係になった千鶴は、誰憚らずに充博の恋人と名乗り振る舞い始めた。 二人がデートをする仲である事はもやは周知の事実だったが、それでもこの進展は大きな衝撃を周囲に与えた。 それまでの千鶴はバレエを踊る人形のように思われていたし、事実たまにかんしゃくを起こす他は人形のように感情が乏しかった。 それが今や人に挨拶されれば笑顔で応え、昼休みには充博とにこやかに昼食を食べるのだ。千鶴の笑顔や昼食を多くの人は見た事が無かった。 充博の友人は一様に千鶴の人間性を回復させた充博を英雄視し、人間性を取り戻した千鶴の恋人に収まった事を羨んだ。 二人は土日のデートとなれば堂々と腕を組んで歩き、どちらかの両親が留守の時は互いの家で過ごすようになった。 千鶴は遊びを知らないのでデートは信じられないくらい単純で単調だったが、千鶴にしてみれば今やバレエと離れて生きる事自体が喜びなのだ。 だが、セックスが問題だ。充博は二人きりになる度に千鶴を求め、千鶴もそうして充博に求められる事に喜びを感じていたが、バレエのみに最適化された千鶴の身体は充博の若い欲望を受け入れる準備が追い付かず、毎回痛がって大変な思いをする。 その日も充博は千鶴の部屋で千鶴にのしかかっていた。充博は千鶴の引き締まった身体に病みつきになり、互いの部屋に入ると何かの拍子にもよおして千鶴に襲い掛かる有様であった。 「千鶴、可愛いよ。最高だ」 「うん、嬉しいよ。うぁっ!」 その日も充博は千鶴に思いつく限りの賛辞を投げかけながら、痛みに耐える千鶴を貪っていた。 千鶴の秘所の感触はセックスを覚えたばかりの充博を狂わせるに十分過ぎる強烈な快楽であり、我慢など考えられない。 充博が楽しんでいる時、千鶴は顔を歪めて声を押し殺しながら痛みに耐えている。充博を拒む事は千鶴には考えられなかったが、にこやかに気をやるふりをしてあげる余裕はとても持てなかった。 その一方、千鶴の痛がる様は充博を余計に興奮させた。あの気丈な千鶴が自分にだけは身体を許し、痛みに耐える。その光景はある種の麻薬であって、充博はもはや中毒に陥っている。 「充博、もっと優しく…」 「ごめん、もう少しだから」 千鶴が痛がる程に充博は激しく千鶴を貪り、最後はむしろ痛がらせるようにするのが常だった。充博の脳はむしろ肉棒からもたらされる快感よりも、千鶴の苦悶の表情を、うめき声を求めていたのだ。 「ひぃ!んっ!」 「千鶴…千鶴 !」 充博は限界が近づくと千鶴に乱暴にキスをしながら亀頭を膣奥に叩きつける。千鶴は痛みに半ば暴れながら充博の愛にせめて応えようとして舌を絡め、子宮口は亀頭に吸い付いて射精を催促した。 こうなるとあっという間で、時間にして数秒、数往復の末に充博は最後の一撃を子宮口に叩きつけてそれと同時に射精する。 千鶴はコンドーム越しにそれを感じながら、充博に愛されている喜びと苦痛から解放される安堵でようやく表情を和らげる。充博はそれを見届けるまで決して千鶴の中から出て行こうとはしなかった。 「千鶴、いつもありがとうな。気持ちよかったよ」 「うん、充博が喜んでくれるならいいの…」 千鶴はいつもそう言って充博を決して責めなかった。だが、充博はこの爛れ切ったセックスに興奮と同時に酷い罪悪感を感じた。 肉棒はまだ硬さを失っていない。もっと千鶴を寄越せと言っている。だが、二回目を千鶴に求める事は充博には出来なかった。 充博は千鶴とセックスした日は却って欲求不満に陥り、夜は何度もオナニーをするようになった。だが、脳裏に浮かぶのは休日に見せる千鶴の笑顔ではなく、痛みに耐える表情だ。 千鶴は充博を許してくれるが、そんな事がいつまでも続くわけがない。千鶴に女としての悦びが芽生えない限り破局は時間の問題だろう。今や二人の蜜月は愛し合うが故に危機に瀕している。 千鶴も充博と同じくらい悩んでいた。千鶴はオナニーさえした事が無い。そんな行為は汚らわしいと思っていた。それだけに、今になって充博の事を想って自らの秘所を弄ってみても一向に快感は訪れない。 二人のセックスが十回を越えた頃、充博は目先を変えてみることにした。要は前戯をしようというわけだ。それが出来ないくらい充博は千鶴にのぼせ上っていた。 その日の二人は放課後に充博の部屋でゲームをして過ごした。ゲームもかつての千鶴には無縁の娯楽で、充博に教えて貰えるのが千鶴にはたまらなく嬉しい。 「ああ、ずるい!」 「その代わり俺は踊れないからな」 勿論充博は手加減するが、それでも十中八九千鶴が負ける。だが、千鶴はそれが楽しい。 「待ってろ。何か台所にあったと思う」 充博は勝負がひと段落したところで席を立った。記憶通り台所にどこからか貰った羊羹があり、充博はこれにお茶も添えて部屋に戻った。 「わあ、羊羹だ」 一人でプレーしていた千鶴は羊羹を見るなり目を輝かせて手に取った。千鶴がお菓子を食べる光景は見ているだけで充博も幸せになってしまう。 「人生ってわからないな」 二切れ目を選びながら千鶴は言った。どうせ全部食べてしまうのに、こういう時の千鶴は真剣そのものだ。 「高校生が人生かよ」 「だって、骨折してなきゃ今頃レッスンだもん。恋人とゲームしながらお菓子食べてる生活なんて、考えた事なかった」 千鶴は包帯を巻いた右足を床に投げ出して撫でた。その光景は妙にエロティックに見えた。 「千鶴が骨折しなきゃ、俺は彼女なんて出来たかな?」 「だから人生ってわからないの」 そう結んで千鶴は羊羹を頬張る。千鶴は時々こういう示唆に富んだ事を言った。 「正直、千鶴が怪我をしてくれたおかげで俺は幸せだ」 充博は湯呑のお茶を口にしながら、千鶴の左手を握った。初めてそうした時よりも、その手は暖かい気がした。 「怪我が治ったらまたバレエをやるのか?」 「他に何も出来ないもん」 「もし前のように踊れるようになったら、俺は用済みか?」 充博はそれが大いに不安だった。男はバレエに邪魔などと言われればあまりに惨めで、考えたくない事態だ。 「充博、私を何だと思ってるの?」 千鶴は三切れ目の羊羹を皿に戻すと、まさかと言わんばかりの表情で充博の方へ向き直り、充博に肩を寄せた。 「凄い安心した」 充博は内心胸をなでおろしながら、千鶴の肩に手を回した。その感触も最初より少しふっくらとした気がする。 「舞台に戻れたら観に来てくれる?」 「タキシードで来いなんてのは困るぞ」 「それはないけど、先生に紹介できるような格好にして」 「千鶴の踊りって凄いんだろうな」 充博は左手を千鶴の膝に伸ばした。小学校で野球を諦めた充博のそこよりも明らかに引き締まっていて、きめ細かい肌の感触はずっと触っていたくなる。 「充博、触り方がエッチだよ」 千鶴は少し気まずそうにした。普段の充博はこの辺りで我慢が出来なくなって強引に襲い掛かってしまうのだが、今日は違う。 「千鶴を前にしたら男は皆こうなるんだよ」 「私みたいな瘦せっぽっちがそんなにいいの?」 「こんなスタイルの良い女、どこ探しても居ないぞ」 充博の左手は徐々に足の根元へ向かい、膝丈の紺のプリーツスカートへと潜り込み、ついにはいつもの飾り気のない、恐らく白い下着に守られた秘所に達した。 「んっ…」 充博の指がそのコットンの布切れ越しに秘所を撫でた瞬間、千鶴が僅かに声を出したのを充博は聞き逃さなかった。 「千鶴は、自分ではしないのか?」 充博は千鶴の肩にあった右手でセーラー服のボタンを一つ外すと、そこから手を入れた。 「やってみたけど、何も感じなくて…」 「俺は、千鶴の事考えて毎日してる」 「もう。恥ずかしいよ」 充博は左手で秘裂をなぞるようにしながら、右手をスポーツブラの中へ侵入させ、殊更千鶴がコンプレックスを持っているらしき乏しい膨らみを気遣うようにして揉みしだく。 「どうしたの?今日の充博、ちょっと変だよ」 千鶴は抗う事も出来ずに顔を赤らめ、くすぐったい感触に身を震わせるるばかりだ。 「だって、千鶴にも気持ち良くなって欲しくて」 「えっ?」 その一言を聞いた瞬間、千鶴は声にならない声を出しながら身震いした。そして、充博の左手の指はわずかな水分を感じ取った。 「充博、続きはベッドでして」 千鶴はある種の期待を抱きながら充博の左腕を枕にして向き合って寝転がり、充博の頭を取ってキスした。舌が絡み合い、充博の右手が同時に秘所を撫でる。千鶴は今まで感じた事のない奇妙な高揚感を感じ、ついには自ら唇を離してしまった。 「充博、なんか変な感じ」 「それが感じてるって事。多分」 「多分って何よ?」 「俺だって千鶴しか知らないんだよ」 充博は千鶴を今度は仰向けに転がすと、上衣のボタンを全部取り、スカートをめくって千鶴のパンツを脱がせた。黒いゴムの他に全く装飾のない白いそのパンツを開いて見ると、股間に触れていた場所がしっとり濡れている。 「変態みたい」 千鶴が自分のはいていたパンツをまじまじと観察する充博に、複雑な表情を向けた。 「じゃあ、これは?」 充博は千鶴の両脚を掴むと股を開かせ、そこに顔を埋めた。その秘裂を両手で押し開くと、そこは濡れているのが一層明らかだ。 「ちょっと、あんまり…あっ!」 充博は千鶴の言葉を聞き入れず、そこを舐めた。その瞬間、ついに千鶴は甘い声を出した。 舐める度に淫靡な酸味と香りが広がり、千鶴がいつもと違う声を上げ、充博の五感を刺激する。だが、充博はまだこの意味での女の扱いに暗い。 「あああ!そこ駄目!」 充博は秘裂の一番上にある小さな膨らみを舌で転がした。その瞬間、千鶴の背筋を言葉にならない一層強烈な感覚が駆け抜け、思わず叫び、決してバレエの振り付けにならない動きで身をくねらせた。 充博はこの反応を見てついに我慢できなくなり。自らも服を脱いだ。既に痛い程勃起している。 「行くぞ、千鶴」 近頃ようやく着け慣れたコンドームをどうにか着け、充博は肉棒を千鶴の秘所に何度か擦り付け、そして入れた。 「あぁん!」 セックスと痛みがイコールであった千鶴の世界が大きく変わった。充博の肉棒が押し込まれるのに合わせて心地よいショックが全身を駆け巡り、充博が膣奥に達した瞬間、一層強いショックに思わず身震いした。 事前にムードを作って十分に前戯を施された結果、千鶴の身体はようやく真の意味で男を受け入れる事が出来たのだ。 「千鶴の膣内、凄い濡れてる」 「こんなの…初めてぇ…」 千鶴の膣内は十分に濡れ、固く締め付けるばかりだった今までとは全く違った感触を肉棒にもたらした。 肉棒を拒み、押し入るようにして進まねばならなかった膣壁はぬるぬるとした感触でむしろ誘うようにして肉棒を受け入れ、動かさなくてもしゃぶられているような吸い付きがあった。 「動くぞ」 「来てぇ…」 千鶴にお伺いを立て、充博は却って普段より遠慮がちに腰を使い始めた。ともすると締め付けの為に痛みを伴った今までの千鶴と違い、愛液を伴った今日の千鶴の膣壁は締め付けをより純粋に快感に変換させた。 そして、充博が千鶴を求めて腰を使う度に未知の快感が千鶴の全身を駆け抜け、千鶴を狂わせる。 「あぁん!これ、気持ち良いよぉ…」 「俺も、今までで一番気持ち良い」 「ひゃっ!膣奥凄いぃ」 千鶴の目は何処か虚ろになり、普段の佇まいからは絶対に想像できないだらしない蕩けた表情を浮かべ、些細なしぐささえも充博に甘えるようだった。 特に、膣奥を突かれる度に千鶴が甘い声とともに身を震わせ、膣壁が締まり、充博を抱き締める手の力が強くなっていくのは今までの痛がる千鶴を貪るのとは全く違った感動と興奮を充博に与えた。 「千鶴、膣奥突く度に締め付けてくるの最高だ」 「恥ずかしいよ。言わないでぇ」 そう言われても、充博の腰の動きは締め付けと千鶴の声を求めて早くなる一方だ。そうする程に痛みに苦しんだように、今日はそうする程に千鶴の全身を快楽が駆け抜ける。その有様に充博もまた同調して快感を高めていく。 それは若い二人にとって初めて直面するセックスの真の悦びであって、今までのそれとは次元が違う。二人が僅かに残った理性で考えていたのは、もっと早くこの段階に至れなかった後悔だけであった。 「千鶴、気持ち良いか?」 「いいの!こんなの初めて!」 「俺も最高だ!」 充博はもう限界が近いのを悟り、千鶴の腰を掴んで持ち上げると膝立ちになって全力で腰を使ってラストスパートに入った。 「これ、変なの。何か来るの…」 激しい充博の欲望を前に経験した事のない快楽の渦に溺れる千鶴は、身体の奥底に更に未知の感覚が訪れるのを感じ、期待と恐怖の入り混じった上ずった声で叫んだ。 「千鶴、イけ!俺と一緒にイけ!」 だが、その真意を分かっている充博は動きを止めない。むしろ限界を超えて千鶴を求める。一突き毎に千鶴の奥底の未知の感覚は全身に浸透し、そしてある瞬間爆発した。 「あ!あ!あああぁ!」 千鶴は理性を失って叫びながら初めての絶頂に達し、我を忘れて充博を抱き寄せてキスをしながらその制御できない快感に狂った。 充博は千鶴がイったという事実とそれに呼応して肉棒を痛い程締め付ける膣壁の感触に耐えられず、そのまま固く抱き合いながら膣奥で射精した。 初めての時より、精通の時よりも多くの精子がコンドームの中に溢れる。充博は思わずそのまま千鶴にのしかかるようにして倒れ込み、その快感に浸った。 「ごめんよ。気持ち良すぎて我慢できなかった」 充博は千鶴に全体重を預けていることに気付いて慌てて身体を起こした。だが、千鶴はかすかに痙攣しながら虚ろな表情で充博を見つめ、次の瞬間笑みを充博に向けた。 「いいの。私も気持ち良かったから」 「そうか。良かった!」 「充博が夢中になる理由分かった。こんなの我慢できないよね」 充博のセックスには精神的充足が欠け、千鶴のセックスには肉体的快感が欠けていた。それがようやく揃ったのだ。 「またセックスしようね」 千鶴がそう言ってこれ以上ない笑顔を見せたものだから、千鶴の膣内に居座っていた充博の肉棒はびくりと震えた。 「千鶴、もう一度いいか?」 「いいよ。もっと気持ち良くしてくれるならね」 名残惜しく千鶴の膣内を出た充博は、コンドームを慌てて着け直すと、今度は千鶴を四つん這いにした。 「こんな動物みたいな恰好で?」 「もっと色々あるから今度やろうな」 充博は芸術的なまでに細い千鶴の腰を掴み、小ぶりながらつんと上を向いた形の良い尻を舐め回すように眺めて一呼吸置くと、千鶴に合図するように肉棒を膣口にゆっくり当て、再び待ち望んだ千鶴の膣内に入った。 「これ、違う。さっきと違う!」 「どうだ?良いか?」 「深い。いいのぉ」 体位が違えば入り方も違う。それにさえ思い至らない千鶴の初々しさが余計に充博をたぎらせる。 バックだと正常位より深く挿入る。腰が自由に動く、そして何より、二度目なので余裕がある。 充博は更に濡れて肉感を上積みした千鶴の膣内の感触をじっくりと堪能し、千鶴の反応を確かめながら大いに楽しんだ。 深く挿入るので文字通り膣壁にぶつかるような形になる。果てしなく柔らかい千鶴の秘密穴の中で唯一固さを持ったその壁がたまらない快楽を両者にもたらす。 「膣奥好きぃ…気持ち良いよぉ…」 「ここか。これがいいのか?」 「そこ…もっとぉ」 「凄いぞ…きゅうきゅう締め付けてくる」 「だって…だって!」 千鶴が気持ち良い時、充博も気持ち良い。充博は従来の意地悪なやり方を少し思い出してわざと強めに膣奥を突いてみたが、千鶴は却ってそれを悦んで締め付けてくる。 そうして快楽の交錯するうちに千鶴の膣壁の搾り取るようなうねりが充博を快楽によって追い詰めていく。 「ああ、感じてる千鶴は可愛いよ」 「駄目。可愛いって言いながら膣奥つんつんしちゃ駄目…」 「だって、こんなの我慢できないよ」 「じゃあ、これ好き…?」 それを聞いた千鶴は充博を悦ばせてやろうと一計を案じ、膣壁を締め付けた。バレリーナとして鍛え上げらた身体を初めて男を悦ばせる為に使った瞬間、充博はあまりの締め付けに酔い、射精しそうになって動きを止めた。 「止めちゃ嫌だよ。気持ち良くして」 「そんな締めたら射精ちゃうよ」 「いいから、一緒にイこう」 千鶴は自分から腰を使って充博を逆に貪り始めた。 「いいのぉ。もっと、もっと!」 吐き出す側から搾り取られる側に回った充博は今までとは別種の倒錯を感じながらも自分だけ先に達してしまわないように考え、右手を腰から離すと、代わりに肉棒が出入りしているすぐそばの秘核に手を伸ばした。 「あぁあ!そこ駄目!」 秘核を指がなぞった瞬間、千鶴は背中をのけぞらせて悲鳴を上げ、手加減を忘れて目いっぱい充博の肉棒を締め付けた。 これは二人を狂わせた。充博は千鶴の声と締め付けを求めて秘核を弄び、その度に腰の動きが早くなる。千鶴はその内外からの快楽の攻撃に理性を失い、段々と獣のようになっていく。 お互いが相手を絶頂に導こうと躍起になり、結果として夢の一時は短く、しかし濃密になっていく。充博はもう我慢は限界と悟り、千鶴もまたあの快楽が目前にあるのを観た。 「千鶴、こっち向いて!」 充博がそう言うと、千鶴はバレリーナ特有の長い首で振り向き、感極まった表情を充博に見せた。それだけで充博は危うく射精しそうになる。 充博は千鶴に顔を寄せてキスをした。その瞬間千鶴は顔色を変え、全身を痙攣させ、膣壁が小刻みに収縮した。 その感触と安心感にたまらず充博もまた射精した。二人はキスをしながら同時に絶頂の快感を共有し、ベッドの上にへたり込んだ。 「こんなのやめられなくなっちゃうよ…」 息も絶え絶えに千鶴は呟いた。この何倍の時間踊り続けても息を切らさないはずなのに、二度に渡る絶頂はこのまま眠ってしまいたいほどの疲労感と、今まで勝ち取ったどんな賞よりも深い満足をもたらした。 「俺も」 充博の消耗ぶりはそれ以上だが、千鶴への責任を果たした達成感と、もう千鶴以外では射精できないのではないかという心配が心中で渦巻いていた。 「みんなこんな気持ち良い事してたんだ」 「そう。だから俺達も今後どんどんやろう」 「約束だからね」 「約束する」 本物のセックスの快感は二人の絆をより強固なものにした。二人はそのままの格好で再びゲームに戻り、帰り際にもう一度身体を重ねて別れた。 第3章 お姫様と百年の恋 千鶴は学年の変わる少し前、半年かかるはずの怪我から四ヵ月でレッスンに復帰した。医者は驚いたが、病は気からという事なのだろう。 レッスンは月曜日を除く週六日、土日には十二時間に及ぶ。勿論、今までのようには好きな物は食べられない。 だが、千鶴のバレエと向き合う姿勢は若干変わった。自分にも他人にも厳しく、教室でも恐れられていたのが人の変わったように優しくなり、驚きを通り越して気味悪がられた。 「千鶴、あんた変わったね」 千鶴の恩師である老先生がある日曜のレッスン終りにそう言った。多くの優秀な弟子を育ててきた事とスパルタぶりで知られるこの先生にとって、千鶴はお気に入りの教え子だった。だが帰ってくると様子がおかしいのだ。 「怪我して休んでる間に色々考えたんです」 千鶴の言葉は紛れもない本心であったが、まさかどうやって何を考えたかまでは言えない。 「まあ、発表会に穴を開けないように頑張りなさい」 「はい、先生」 数か月後に教室の発表会がある。これが千鶴の復帰公演だ。 「だけどね、腹の出たバレリーナくらいみっともない物はないよ」 別れ際の先生の一言は千鶴の寿命を縮めた。先生は色々な弟子を見て来たのだろう。 「そりゃ怖いな」 その翌日、充博もその話を聞いて肝を冷やした。何か起こるとその先生は充博の元に怒鳴り込んでくるのではないかとさえ思われた。 「だけど、充博と甘い物が無いと私もう頑張れないよ」 千鶴はもはやバレエだけの為に生きる事は不可能であった。悪い言い方をすれば、洗脳が解けたと言うべきかもしれない。 「バレリーナだって結婚するだろ」 「先生は独身。それに、結婚しても子供が出来ない人って多いよ」 「そうだろうなあ。そんなに身体を仕上げたら」 充博は千鶴が着替えるのを目の前で眺めていた。レッスンを再開してから千鶴はまた引き締まってきたように見える。 レッスンが休みの月曜日は大事な一日だ。幸い充博の両親は遅くまで家を空けるので、二人はいつも月曜の放課後になると充博の部屋にしけこみ、何か食べてセックスするのだ。 「けど、充博って結構変態だよね」 着替え終わった千鶴の姿に充博はたまらず鼻の下を伸ばしている。千鶴は充博に頼まれて練習着である黒い長袖のレオタードを着ていた。 「いや、バレリーナの恋人がいる男なら一度は着てもらうね」 充博はレオタードから伸びる千鶴の肢体を眺め、バレリーナの恋人を得た幸運にしばらく浸っていた。千鶴が立っているだけで芸術のように思われる。 「けど、充博が喜んでくれるなら悪い気しないな」 充博はこういう千鶴の健気さがたまらなく愛おしい。既に脱いでしまっている充博の肉棒は、千鶴への愛で既に固くなっている。 「充博、この格好で興奮しちゃったの?」 千鶴はベッドに腰掛けていた充博の左側に座ると、自らの脚の間に飛び出した充博の肉棒をすっかり慣れた手つきで撫でた。 「この格好で私とセックスするの想像して、オナニーしてたんでしょ?」 千鶴は愛おし気に充博の肉棒を握ると、ゆっくりと、焦らすようにして上下にしごき始めた。 「ねえ、私をどんな風にする事想像してるの」 こういう時に千鶴は絶対に充博と視線を外さないし、外させない。見る人を恐れさせてきた瞳がセックスでは武器になる。 「そう、千鶴が踊ってるところを後ろから捕まえてそのまま押し倒して、こんな風に」 充博はお返しとばかり自分も右手を千鶴の股間に伸ばした。そこは既に濡れ始めている。 「千鶴、いいぞ」 「充博も…」 二人は既にお互いがどうすれば気持ちが良いのか知っている。だが、こういう展開になると大抵勝つのは千鶴だ。 「充博、びくびくしてるよ」 優れたバレエダンサーはどんな難しい振り付けも瞬時に覚えて再現して見せるという。その技術はセックスにも応用できると見えて、今や充博は手玉に取られることがしばしばだ。 「うう、千鶴…」 千鶴の手技に耐えかねて充博の手が止まる。千鶴はそれを見てぞくぞくするような興奮を覚えるのだ。 「じゃあ次はこれ」 千鶴は悪戯っぽい笑みを浮かべ、充博の股間に顔を埋めて先走りを垂らす肉棒を口に含んだ。 「あぁ!いいぞ。千鶴…」 千鶴は充博の肉棒を根元まで咥え、右手の親指と人差し指で輪を作って肉棒を握り、唇に添えて上下させる。 固めに握った指が肉棒を擦り上げ、柔らかい唇がカリ首を引っ掛けて刺激したかと思えば一気に戻り、その間にも舌が亀頭を這い回り、空いた左手は玉を優しく撫で回す。それは千鶴を知る他の誰も想像できない淫らなしぐさであった。 千鶴は充博に教えられるまでフェラという方法が存在するのを知らなかった。予備知識が全く無かったのが却って充博には都合良く、千鶴は男ではなく充博を悦ばせる方法だけを教えられ、完璧にこなした。 従って充博が千鶴の口淫を楽しめる時間は短い。すぐにこみ上げてしまう。 「一人だけ気持ち良くなっちゃ駄目」 なので充博が限界に近づいたのを見抜いて千鶴は止める。週に一度のセックスの機会を無闇に減ずるような千鶴ではない。 「千鶴、今日は上と下どっちがいい?」 「どうせ何回もするくせに」 千鶴はそうは言いつつも一応自分の意見を尊重してくれる充博がやはりたまらなく愛おしい。 「じゃあ、最初は上にしよう」 千鶴は充博をベッドに転がすと、コンドームを咥えて口で充博の肉棒に被せた。 「そんなの覚えて来たのか?」 「嬉しい?」 「見たらわかるだろ」 「充博が私をこんな風にしたんだからね」 千鶴はレオタードをずらして秘所を充博の肉棒にあてがい、妖艶な笑みを浮かべて一呼吸置き、一気に腰を落とした。 「いい…いつもより固い…」 「千鶴も、いつもより締