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私が世界を救ったのにふたなりチンポが生えるなんて(仮) 第0話+設定集

まえがき 世界を救った魔法少女が倒したラスボスの呪いでふたなりチンポが生えて平和になった世界で肩を並べて戦った仲間達とエッチなコトするみたいなのが書きたいです。書けるかどうかは未定です。 『第0話』  怪異王サタン=ルシフェルが口より放った熱線は着弾地点で膨れ上がり、街を飲み込んだ。  燃える建造物、木々により、深夜にも関わらず辺りは真昼の様に明るくなる。  砕けた道路、アスファルトの上に横たわる少女達――初瀬禊は、小川丸澪子は、月宮瑠奈は、雪咲白華は、怪異王を倒せる相手だと思っていた。これまでの戦いから得た経験。厳しい特訓で鍛えた体と技術。そして、培ってきた絆があれば必ず怪異王を、怪異を束ね操る大男を打倒し、人々を襲う怪異の脅威から世界を救えると思っていた。  少女達と、怪異王。両陣営共に最終決戦と定めた戦いにおいて、押していたのは少女達の方だ。怪異王が召喚した悪魔、妖怪の類を倒し、怪異王に膝を突かせるまでに追い込んだのだ。  しかし――今や形勢は逆転している。追い込まれた怪異王は全ての力を解き放ち、自らの身を高層ビルよりも高い異形の怪物へと変貌させた。  毒々しい紫色の肌で、ドラゴンを思わせる姿であった。鱗が鋭く逆立つ胴体。タンカーの様な尾を一振りすれば熱線により脆くなった建造物は砂糖菓子の様に崩れ、更地に変わる。長く太い首の先にある頭部に残る、薄く青みがかった白髪が唯一、人間と似た姿をしていた怪異王の名残であった。 「力……及ばず、か」  明るくなった空を見上げていた禊の耳が拾ったのは、澪子の掠れた声だった。普段の凛々しさはそこにはない。諦観、悟り、故の悲観、諦めがありありと感じられた。 ――そんなことはない!  禊は叫ぼうとした。だが、声が出なかった。喉がカラカラで、ガサガサで、口からはひゅーひゅーと空気が出ていくだけであった。 「ハハッ、まぁ、アレだろ。怪異に狩られる側の、よわっちい人間にしては頑張ったんじゃねーの、アタシ達」  瑠奈の自嘲気味な笑いが混ざる声は、澪子よりも少し離れたところから聞こえた。  叫び返そうとするが、やはり声は出ない。 「……勝ちたかった」  白華の呟き。それは誰もが同じであった。その為に、勝って平和を掴む為に今まで戦い続けてきたのだから。  はぁ、ふぅ、と三人が息を吐く音が聞こえた。  私達はこのまま負けるのか、世界は終わるのか。  口に出さずとも、三人がそう考えていることが禊には分かった。自分もそう考えたからだ。  力無く横たわる三人と異なる答えを出した禊は、痛む全身に、軋む全身に、焼ける全身に力を込める。熱せられたアスファルトに両手を突く。手の平が燃える様に熱い。がくがくと震えながらも、身を起こし――。 「違うッ!」  叫んだ。腹の底から、心の底から。  途端、喉に激痛が走り、咳き込む。びちゃ、と嫌な音がして、アスファルトに血が吐き出されたのだと気づく。 「ゲホッ! うっ、ゴホッ……違う、よ。わたし達はまだ、負けてない……」 「禊、お前……血が……!」 「だ、大丈夫だよ、澪子ちゃん。こんなの、全然……」 「大丈夫なもんかよッ!」  禊の吐血に気づいた澪子が必死に身を起こそうとし、腕を伸ばしてくる。 ――自分だって口元から血が流れているのに、澪子ちゃんは優しんだから。  口元を拭って笑いかけた禊の身を震わせたのは、瑠奈の叫びだった。 「もう良いよ、禊! お前は頑張ったよ! だからもう……休んで良いんだ。休め。頼むから……」 「……ありがとう、瑠奈ちゃん。でも、まだ。わたしは身体が動くから」 「馬鹿野郎ッ……もう、良いじゃねぇかッ……! アタシはもう、傷つくお前を見たくないんだよッ! 分かれよッ!」 「……ありがとう。ごめんね」  身を起こそうとした澪子が、瑠奈が、体勢を崩して再びアスファルトに倒れ込む。  禊の目から見ても三人はもう限界だった。立ち上がる気力も無い。白華に至っては視線も虚ろで、首こそこちらを向いていたが、その下の体は全く動いていない。 ――初瀬禊です! 体力だけなら誰にも負けません!  フッ、と禊の脳裏に蘇る自身の言葉。成り行きで怪異と戦い、それと戦うための『組織』に身を置くと決めて、皆の前で挨拶した時の言葉だ。  あの時はまだ、瑠奈ちゃんも白華も居なかった。澪子ちゃんと二人だけだった。  思いだし、禊は笑う。  それから紆余曲折の末に、独自で動き怪異と戦っていた瑠奈とも、敵だった白華とも友達に、仲間になれた。  色々あったけれど、自分の長所は変わらない。澪子が驚いた体力が、瑠奈が体力馬鹿だと笑った体力が、白華に真似できないと言わしめた体力が、私の取り柄だ。だから、まだ立てる。戦える。禊の顔に、強気な笑みが浮かぶ。 「禊」  ちゃりん、と近くで音が鳴った。そちらを向けば、白華が震える腕をこちらに向けて伸ばしている。  体の近くに落ちていたのは、彼女達魔法少女の装備。四人が揃って首にかける、銀十字のネックレス。『杖器』だった。 「雪咲白華は……もう、動けない。だから、それを、一緒に持って行って」 「オイ、シロ! お前こいつにまだ戦わせる気かよッ!?」 「戦って欲しくは、無い。だけど、止めても無駄だって、知ってるから」 「……そうだな」  瑠奈の激昂。白華の返答。その返答に同調したのは、澪子だった。  ちゃりん、と白華の杖器の上に、澪子の杖器が投げ込まれる。 「禊……私も、連れて行ってくれ。私には、もう、これしか出来ない」 「ミオ、お前まで……!」 「酷なことを言うのは分かっている。適合者の物でない杖器など、何の役に立たない事も分かっている! だが、禊。頼む、勝ってくれ!」  大粒の涙を流し、澪子が叫んだ。その叫びが禊の身に突き刺さり、溶けて交わり、力となる。  杖器は所謂魔法の杖だ。魔法使いがその力を行使する触媒となる物だ。  無論、万人に扱えるものでは無い。魔法使いが大勢いた中世、古代ならばいざ知らず、神秘の薄れた現代では扱えるものは国に十人と居ないだろう。  杖器に適合したものはその力を引き出し怪異と戦うことが出来る。選ばれなかった者が触れてもただの首飾り。  禊の杖器は禊を。澪子のものは澪子を選んでいる。適合者以外が触れても、ただの首飾り。異なる杖器の適合者であろうと、それは変わらない。 「ありがとう、澪子ちゃん。シロ」  それでも。禊は嬉しかった。頼もしかった。仲間の力と共に戦えることが。 「……クソッ!」 「瑠奈ちゃん」 「うるせぇッ! 行くなったら行くなッ! 分かれよ頼むよ分かれよッ! 死ぬのは怖くねぇけどお前が死ぬとこ見るのは怖いんだよッ!」  叫ぶ瑠奈に、禊は目を大きく開いた。  出会った頃は何度も罵倒されて、何度も攻撃してきて、その度に何で戦わなきゃいけないのか尋ねては訳も分からずに怒鳴ってきた、瑠奈が。  身を案じてくれることが、死んでほしくないと思われていることは、禊の胸に陽を落す。 「瑠奈ちゃん。死なないよ、だって、私――」  よろける体で近寄って、瑠奈の身の横でしゃがみこんで。  顔を覗き込もうとしても、後頭部しか向けてくれない。  禊はフッと微笑んで、伸ばした人差し指で瑠奈の柔らかい頬を突きながら、 「まだ素敵な恋をしてないもん」  瑠奈が息を呑む音が聞こえた。  怒られるだろうな、とも思った。  けれどこれは真剣で、切実な思いだった。  どこかで出会う、もしくは既に出会っている誰かと素敵な恋をして、幸せな家庭を作る。自分が得られなかったものを、我が子に与える――。  それが、初瀬禊のささやかな夢だった。 「チッ」  怒鳴られはしなかったが、舌打ちはあった。  まぁ怒るよね、と苦い笑みを浮かべる禊の眼前に、震える銀十字が差し出される。 「……ほらよ、持ってけ。動けねぇアタシには必要ねぇ」 「……ありがとう、瑠奈ちゃん」  掌の上に銀十字を乗せて、受け取る。  瑠奈の手が開かれて、ストラップ部分が落ちてきた。  かと思えば、その瞬間。  瑠奈の開いた拳が、禊の胸ぐらを掴んでその身を引き寄せる。  眼前に迫る、瑠奈の新名の面持ち。ゴクリ、と唾を飲み込むと、瑠奈は再び短く舌打ちをして、 「行くならっ、絶対帰ってこいッ! アタシのっ、アタシ達の所にッ! 一人で死ぬのは許さねぇッ……クソッ、なんでッ、なんで動かねぇんだよアタシの体ッ……!」  瑠奈の拳がアスファルトに叩きつけられる。そのまま瑠奈はもう顔も見たくないとばかりに顔を逸らしたが、その瞳から溢れるものに禊は気づいていた。 「……ありがとう。禊ちゃん」  三人の杖器を手に取り、首にかける。四つの銀十字が、禊の胸の上で揺れる。  それを右手で握り締め、よろめきながら立ち上がる。  胸一杯に息を吸うと、熱気が身を内から焼いてくる。痛みに顔が歪む。  右手により力を込め、肌に食い込む十字架の痛みで上書きして紛らわす。 「わたし。自分の杖器が拳なのは、砕く為だと思ってた。敵を、目の前の障害を、怪異を砕く為の力なんだって。でも、違う。今なら分かる――」  澪子の右手と、瑠奈の左手を。  瑠奈の右手と、白華の左手を。  白華の右手と、澪子の左手を。  繋ぎ合わせる。 「わたしの拳は。皆と、繋ぎ合う為にある。平和な世界で、世界中の人と手を繋ぐために。だから!」  禊の体に、中心から右手、四つの杖器を握る右手へと走る光の線。魔力の通り道。回路が浮かび上がる。 「わたし、行ってくる。皆と手を繋いで、行ってくる。世界を平和にして、ここに帰って来る!」  杖器。彼女達が扱う力にして武器。魔法の武器にして、科学の防具。概念歪曲魔法によってその姿を歪める封印が施され、普段はネックレスへと形を変える魔科学兵装。古代より脈々と受け継がれ、修復、改修され続けてきた必殺の魔的対怪兵器。  魔力が奔る。四つの杖器へと。伝わった魔力が、杖器の封印を解き放ち、本来の姿を呼び覚ます。 「我が身は掌ッ! 繋ぐ者ッ!」  起動詠唱。閃光が迸る。刹那、それは弾けて消えて、後には姿を変えた禊が残される。  白銀のレオタードの上に、同じ色の鋭角的な鎧を重ね、手足にはガントレット、アンクレット。額にはサークレットが煌めいている。 「みんな、すぐに戻って来るから――」 「禊っ! 上っ!」 「ッ!?」  白華の叫びに見上げると、怪異王のもたげた鎌首が、高層ビルの頭上からこちらを睨んでいた。  ゆっくりと開いた口が光る。四人の魔法少女を一撃で敗北に追いやった熱線の予備動作であった。  余りにも強大な力を前に、禊は右足を一歩踏み込み、腰を落として息を吸う――。 「ゴォォォォォォァァァァァァアアアアアアアッ!」 「我が身は杖ッ! 唱える者ッ! 詠唱破棄・輝ける八面白銀璧ッ!」  閃光。砕けた光が一点に集まり、禊の身の丈よりも長い杖となる。  迫りくる熱線。空に突き出された長杖。  再びの閃光。現れた光の壁が、熱線を押し留める。 「うぐっ、うぐぐぐぐぐぐぅっ……!」  受け止める禊の体が軋む。  まるで隕石を受け止めているようだ。いや、惑星そのものであるかもしれない。  強い。どうしようもないまでに。  地球にこの怪異王よりも強い生物など存在しないだろう。 ……だが。  だが。  だが! 「負けるッ……もんかぁああああああああああああッ!」  喉が破れるのも厭わずに叫ぶ。  圧倒的質量にじりじりと押し込まれて体が下がっていく。   「白華の、杖の杖器。白華の、光の壁!」 「どうなってんだ……? 適合してない、シロの杖器を起動させやがった……!」  その様を、背後で見守る三人。  見慣れた自らの杖器に白華は目を大きく開き、  白華の杖器を持つ禊の見慣れぬ姿に瑠奈は戸惑う。 「手を、繋ぐ……繋ぐ者……」 「はぁあああああああああああッ!」 「よっしゃあッ、耐えたッ!」  背後からの歓喜の声に、禊は振り向き親指を立てて見せた。  だがすぐに視線を怪異王であったモノに向けて、口を開く。 「我が身は銃ッ! 撃ち抜く者ッ! 奥義ッ! 全射全貫・清浄五月雨撃ッ!」 「私のっ、銃の杖器! 私の奥義っ!」  閃光。粒子が象った物は二丁拳銃。  それを大口開いた竜へ向けて狙いをつけ、引き金を引く。  数秒のタイムラグ、そして、 「頭を隠せッ!」  自らの杖器の特徴を良く知る澪子が叫ぶ。瑠奈と白華が両手で頭を覆った次の瞬間、爆ぜた。  轟音と閃光が怪異王のビルさえ飲もうかと言う巨大な口の中で暴れて突き刺さる。 「我が身は剣ッ! 切り裂く者ッ!」 「アタシの刀だッ! いいぞッ禊、ぶった切れッ!」 「必殺剣法ッ! 侮堕斬ィィィィィィィィィィッ!」  閃光。禊の手に、一振りの刀が握られる。瑠奈の剣の杖器であった。  一閃。放たれた魔力の刃、斬撃が怪異王の喉元を引き裂き、長大な身が勢い良く揺られて暴れ出す。 「そうかッ……そういうことかッ!」 「でけぇ声だすんじゃねぇミオッ! 今いいとこなんだから!」 「概念湾曲魔術だ……禊の奴、自らの思い込みだけで、拳の杖器の属性を『砕く』から『繋ぐ』に歪めたんだ!」 「はぁっ!? 出来んのかよそんなん!?」 「知らん! 出来てるから出来てるんだ!」 「『繋ぐ』属性で私達四人の杖器を繋いだ。だから、白華達の力を使える」  背後の言葉を、禊は聞いていなかった。  自分でも理解できていない。理屈は全く分からない。  帰投後の説明、レポートには手間取るだろうな、とだけ、漠然と理解していた。  そしてきっと、背後の三人が手助けをしてくれることも。 「行って来るッ!」  アーマーは魔道兵器に科学を組み込んだハイブリット。  禊の鎧の背が開き、内に灯る炎で光。 「ブースト・オンッ!」  右足に力を込めてアスファルトを蹴り抜くと、体から体重が消えた。  背のブースターによって禊の体が飛ぶ。  ぐんぐんと怪異王の鎌首が近づいてくる。  右の拳を引く。エルボーブースターに火を灯す。 「これがッ、わたし達四人の力ッ! 私の120%に澪子ちゃんの力で2乗! 瑠奈ちゃんで4乗! 白華で8乗! 4京2998兆1696億%のぉおおおおおおおおおおッ!」  拳に光が渦巻く。禊の赤。澪子の青。瑠奈の黄。白華の白。4色が渦巻き、束ねられ、黄金えと変わる。  近づいて、近づいて、近づいて――。  激突する、瞬間に。 ――これで、決めるッ! 「カルテットッ! シャアアアアアアアアアアアアアイニングゥッ! マァグナァアアアアアアアアアアアアアムッ!」    右肘から先が千切れて、飛んで行ったかの様だった。  ブースターの力によって人体を超えた、インパルスの伝達速度さえも振り切った速度で放たれた拳が怪異王の顎を打ち貫く。 「もういっぱぁあああああああああああああああああああっつ!」  浮き上がった顎先に飛び込みながら、左肘を飛ばす。  ブレーキの効かない速度で飛びこんだ左拳は、そして体全体は、怪異王の身にめり込んで、めり込んで、めり込んで――そして、貫いた。 (お前達の勝ちだ、人間。手を取り合っただけで負けるのであれば認めざるを得まい)  ブースターが止まり、身が重力に捕まり降下を始めた瞬間。  確かに、間違いなく、竜頭と目が合った。聞こえた声は、知能さえ失ったのであろう竜の叫びでは無く、気品と威厳に満ちた怪異王の物であった。 (私の負けに違いは無く、人間の力も捨てたものではないと改めさせられた。だが――怪異の王として、ただこのまま死ぬのも癪なのでな。精一杯の嫌がらせをさせて貰う)  9.8メートル毎秒毎秒。  物体が上から下へと落ちる時の速度。  重力加速度。  その中にあっては耳が空気に叩きつけられる、ごごごごごおおおおおおおおおおおお――という音しか聞こえない筈であるが。  その爆音の中にあっても、禊は確かにその声を聴いた。  嫌がらせ――?  身構えようにも、落下する体は力を使い果たして動けない。  ただ落ちていくだけ――。 「「「禊ーッ!」」」 「あ……」 「禊! 最後のもうひと踏ん張りだ! 頑張れ! もう詰めの甘いお前じゃないってところを見せてみろ!」 「お前帰って来るって言ったんだからちゃんと着地しろよ! 褒めちぎってやるから潰れてぺちゃんことか絶対にやめろよッ!」 「禊! 白華達はここにいる!」   叫ぶ仲間達の声。  近づいてくるその笑顔。  禊の顔にふっと浮かぶ微笑み。  胸に差した陽だまりが、禊の体を動かした。  空中で姿勢を整え、地に向けたブースターを噴射。  次第に落下速度は収まっていく――が。 「あっ」 「「「あっ」」」  ぷすぷす、ぷすん。  炎の勢いが弱まった、と思った次の瞬間にはガス欠で。  重力に抗う力を失った禊の体は再び勢いよく落ちはじめ。 「「「あああああああああああ!」」」  衝撃。閉じた視界はブラックアウト。  しかし身が潰れるなんてことも無く、柔らかめの感触が腰に伝わってきた。 「……やはり禊は詰めが甘い」 「あっぶねぇなぁ! マジで焦らせんなよ!」 「落とすかと思った。重い。禊、少し痩せた方が良い」  次々にぶつけられる、笑い声の混じった悪態に。  目を開けば、暗い空を背景に、こちらを三方から覗きこむ仲間達。  三人の腕が、禊の体を受け止めていた。 「あ、あははっ……ご、ごめん……」 「「「おかえり」」」 「っ……ただいま!」  身を跳ね上げて着地。  即座に反転、両手を開いて三人の仲間を抱きしめる。  ああ、やった。私は、世界を救えたんだ。  心からの笑顔で、三人の仲間を抱きしめる。  瞬間、体がズキンと痛んだことは無理した結果と気に留めず。  三人の仲間を、抱きしめる。 つづく 「キャラ設定集」 初瀬禊(ハセ・ミソギ) 主人公。二年生。一人称は「わたし」。 ごく普通の少女であったが組織が輸送中であった「杖器」を手にし適合した事で魔法少女となり戦う。 始めは戦いの素人であり、周囲に迷惑をかけることも多かったが心身ともに成長しリーダー格となる。 「禊」という名前は人間は原罪を持って生まれる、人間はみな罪人である、という理由で宗教人の両親によって名付けられたが生まれた瞬間から罪人、悪い人間だと決めつけられたようで一種のコンプレックスになっている。 また、幼い頃からそのような教育を受け、自分は罪人、悪人であると刷り込みに近いレベルで認識している。 戦う道を選んだ理由も、誰かを助けることで生まれ落ちた罪から解放されたいと言う願いから。 思い込みが割と激しく早とちりをするタイプであるが、故に自らの「丈器」の「砕く者」という属性を思い込みのみで発動させた概念湾曲魔術により「繋ぐ者」と捻じ曲げ、仲間達の力と自らの力を繋ぎ合わせた乾坤一擲の一撃で敵の親玉を打ち砕いた。 が、その死に際に呪いを受け男性器が生える。 次第に肉体、思考そのものも変化を始め、このままだと男性になるが、その際に現在の初瀬禊は消滅し全くの別人になる、と告げられたところから物語が始まる。 治療法は呪いの塊であるそれから射精という形で呪詛を吐き出させること、そして呪詛を上回る幸せを得ること。 その為に「恋をしろ」と命じられることになり、仲間の三人がそのパートナーになる為にアプローチを開始する。 将来の夢は「素敵な恋愛をすること」。 「杖器」は拳。 口上は「我が身は拳。砕く者」「我が身は拳。繋ぐ者」 必殺技は「シャイニング・マグナム」「カルテット・シャイニング・マグナム」 小川丸澪子(オガワマル・ミオコ) 一年生。凛としてクールな性格。一人称は「私」。 凛々しい眉、艶やかな黒の長髪。 巨乳。 幼い頃より戦う為に育てられた為、他者に厳しく自らにはもっと厳しい。 戦いの素人であった主人公にかつては冷たく厳しく接していたが、共に戦う内に心を許す様になった。 世界が平和になり、戦士としての使命を終えてからは「普通の女の子」として生きようとしている。 また、年下でありながら嘗て主人公に厳しいことを言っていたことを気にしており、それを改めて一度敬語で話そうと思っている。 主人公には何事も決して諦めない根性を評価したことから始まり、自分に「普通の女の子」を教えてくれたこと、戦いの中で命を救ってくれたこと、敵にさえ手を差し伸べるその姿に惹かれている、ことを自覚しているが、同性であることに苦悩している。 「杖器」は銃。ハンドガンでスナイパーライフルの様に狙撃し、マシンガンの様に連射する変態。 口上は「我が身は銃。貫く者」 必殺技は「奥義・全射全貫清浄五月雨撃(ゼンシャゼンカンセイジョウサミダレウチ)」。 旧奥義「全射全中刹那五月雨撃(ゼンシャゼンカン・セツナサミダレウチ)」を主人公との特訓で強化した、正確な狙いと連射速度を兼ね備えた弾幕技。清浄=刹那の先の先の先。 サムライっぽいガンマン。 月宮瑠奈(ツキミヤ・ルナ) 二年生。乱暴、粗暴、一匹狼。一人称は「アタシ」。 貧乳。 ハーフであり金髪は地毛。幼い頃に亡くした両親を心から愛しており、かつてそれを染めろと教師に言われてから大人に反抗している。 組織には属さずに独自に戦い続け、主人公たちと反抗することもあったが和解し、仲の良い友人となった。 ロボットアニメやヒーロー番組、スポーツ観戦やアクション映画、いわゆる「男の子が好きそうなもの」が好きで、周囲に冷やかされたことからずっと隠していたが主人公に良い趣味、無理して隠す必要も表に出す必要も無い、と言われて以降吹っ切れている。 女らしくなく、乱暴者で、友達もおらず、何度も敵対した自分を受け入れてくれた主人公に対して依存している節がある。 生涯を共にしたい、いつでもどこでもずっと一緒に居たいと思うようになった相手が同性の主人公であることについては「たまたま好きになったのが女だっただけ」というスタンスで割り切っている。 「杖器」は刀。 口上は「我が身は剣。切り裂く者」 必殺技は「必殺剣法・侮堕斬(ヒッサツケンポウ・ブッタギリ)」。 かつての全てを侮る自分を、堕落した自分を戒め、真摯に敵と向かい合い見極めたその急所を切り裂く斬撃。 ガンマンっぽいサムライ。 雪咲白華(ユキサキ・シロカ)=デミ 一年生。無口、無表情、無感動。一人称は「白華」「当方」 白い短髪。 普乳。 敵の手によって捕らえられたことのある澪子、瑠奈の遺伝子となんやかんやを掛けあわせて生み出された人口生命体・デミ。 主人公たちと幾度と無く戦い、時には戦場を離れた場所で交流した末に和解し、仲間となった。 その身体は人間そのものであるが、生まれて間もないこと、一般的な社会に出て間もないことから突飛な発言も多い。 度々主人公のことを好き、と周囲に公言しており、友情と恋愛の区別は分かっていない、と思われているが普通に恋愛対象として好き。 人間としての名前は仲間に加わった際に名づけてほしいと主人公に言い、白い髪と肌から「雪から咲いた白い花みたい」という言葉に「それで良い」と答えて決めた。 「杖器」は杖。 口上は「我が身は杖。唱える者」 必殺技は「詠唱破棄・輝ける八面白銀璧(エイショウハキ・カガヤケルハチメンハクギンヘキ)」 雪の結晶の様な八角形の魔力璧を展開し、盾にしたり投げたりする。 かつては呪文の詠唱が必要であったが、特訓の末に自らの魂、魔術回路に呪文を刻み瞬間的な展開が可能になった。 魔法使いらしい魔法使い。 番場万(バンバ・バン) 「組織」の指令。男性。 筋骨隆々の大男。 子供に、それも少女達に戦わせねばならないことを悔やみつつも、少しでも負担を和らげるために、生還率を高める為に尽力し続けた。 やくどころは回想が終わった冒頭、呪いを受けたことで検査を終えた主人公に呪いについて説明し「恋をしろ!」ということ。 「杖器」 魔法を行使する触媒、魔法の杖にあたるもの。 神秘が薄れ化学が浸透した現代世界では使える人間は極少数に限られ、その力を引き出せるものは「適合者」と呼ばれる。 科学技術と融合させた魔鎧と武器の一組を「概念を捻じ曲げる」魔術で小さな首飾りの形に変えてあり、適合者は有事の際に魔力を流すことで杖器の回路に通電ならぬ「通魔」させることで「概念歪曲魔術」を解除、本来の姿を呼び覚ます。 現代において丈器新たに作り出す技術は失われており、古くから残されたものを改修し使用される。 「組織」 国防隊魔術化混成部隊。その存在は公には秘匿されており、「組織」という隠語で通される。 政府直属の国防隊、その中でも魔術師=杖器の適合者達とその補佐役達で編成される部隊。 「怪異」 古来より人間、世界に仇を為す怪物たちの総称。悪魔、妖怪の類。 怪異王サタン=ルシフェルを禊達が打倒したことで姿を見せなくなるが、サタン=ルシフェルが死に際に「敗北を認めるし人間の力も捨てたものではないと考えを改めるけどそれはそれとして怪異の頭目として何もせず死ぬのもどうかな」と思って放った嫌がらせ(ふたなり化)が禊達を困らせることになる。 主人公に屈辱恥辱を与え、かつ澪子、瑠奈、白華が主人公を奪い合い四人の絆を割く為の嫌がらせ(どうせ乗り越えるだろうとは思っている)であり、主人公への思いを強める為に呪詛精液には依存性、媚薬効果、素直になる効果などなどが盛り込まれている。


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