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にゃんす
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Skeb作品

 遠見東高校の二年生、佐伯沙弥香が目を覚ますと、そこは見慣れない場所だった。壁も天井も床もコンクリートの打ちっぱなし、出入り口と思われる扉は金属製の無骨なデザイン。そして沙弥香が目を覚ました場所もコンクリートで一段せりあがる様に作られた簡易的なベッドになっていて、印象としては囚人を閉じ込めておくための部屋のようにも感じられる。何事かと思いながら沙弥香は金属製の扉のドアノブに手を掛ける。が、しかし、それは回ることはない、どうやら外側からカギがかけられているようだ。つまり、沙弥香はこの部屋に閉じ込められたのだ。  しかし、人を一人閉じ込めるだけにしては部屋は広すぎるようだし、壁の一面だけがダンススタジオのように鏡張りになっているのが確認できる。それに手足を拘束されているようなこともないため、沙弥香は部屋の中では自由に動くことができた。  ひとまず冷静に自分の置かれた状況を確認しつつ、沙弥香は自分がどうしてここにいるのかを振り返り始める。 自分自身の足でこんな場所に来るとは考えられない、となると誰かに連れてこられたのだろうか。そうだ、思い出してきた。確か生徒会の仕事で帰りがいつもより遅くなり、暗い道を歩いていた時のこと、突然誰かに襲われたのだ。 背後から抱きつかれるようにして襲われて、動きを封じられた。襲ってきた相手が男性だということだけは覚えている、身体を締め上げる太い腕に恐怖したことはしっかり脳裏に焼き付いていたからだ。  思い出したことで震えあがる身体を自らの腕で抱きしめながら、何か手がかりはないかと考えを巡らせる。そう、抵抗しようとしても力では敵わなかった。襲われた場所は人通りが少ないとはいえそれほどさびれた場所でもない、恐怖で詰まった喉をふり絞って大声を出せば助けが来るかもしれない。そう決意した瞬間、口に何かを当てられて・・・沙弥香の記憶はそこまでしかない。  つまり、沙弥香は何者かによって薬で眠らされ、そのままこの場所へと連れてこられたのだ。それはここがどこなのか、一切の手がかりもないということを証明していた。 そもそもの話、どうして自分がこんな目に合わなければならないのだろうか。沙弥香自身、一般的な女子高生の生活を送っていただけだ、誰かの恨みを買うであったり、誰かに狙われたりであったり・・・覚えが完全に無いではないが、ここまでのことをされる筋合いはない。  自分は誘拐されたのだ、沙弥香がそれを理解し、ここから自分が助かるための方法を思案し始める。自分が誘拐されてどれほど経ったのだろうか、沙弥香のいる部屋には窓がないため、おおよその時間すらも分からない。ただ幸いなことに沙弥香の家は大きく、沙弥香の帰りが遅いとなればすぐにしかるべき場所へと連絡、通報があるはずだ。それを思えばこそ沙弥香は少しばかりの安心を胸に抱くことが出来、これからへの展望が見えてくる。近年の技術というのは素晴らしいものだ、人の一人を見つける程度は容易いこと、沙弥香は自分を安心させるため、そう心の中で唱えるのだった。  落ち着きを取り戻した沙弥香は自らが目を覚ましたベッドに腰を掛ける。ベッドとはいってもコンクリート打ちっぱなしの上に申し訳程度に毛布を敷いただけの粗末なもの、どれだけの時間そこに寝かされていたかは分からないが、沙弥香の余裕が戻ってくるとともに身体の痛みが思い出したかのように襲ってくる。おそらく相当な時間、この場に寝かされていたのだろう。 沙弥香は少し不機嫌そうに背伸びをすると、それとほぼ同時に金属製の扉からガシャンと音が響く。その音はどうやら扉の鍵の音だったらしく、その音から数刻置いて、先ほどまでは開かなかった扉が金属の擦れる音を響かせながらゆっくりと開いていく。 「おいおい、年頃のお嬢ちゃんならもう少し取り乱すとかあるだろ、どうしてこんなに落ち着いていられるんだ?」  扉が開くとそこには数名の男が立っていて、その先頭にいる明らかに素行の悪そうな男がやれやれと言った様子で吐き捨てながら部屋へと踏み込んできた。そのほかの男たちも続いて入って来たところを見るに、他の男は先頭の男の部下か何かのようだ。 「自分の力で何もできないと分かっている以上、無駄に体力は使いたくなかったので・・・それで、私を誘拐した理由は何ですか、場合によっては私がやり取りをした方が早いと思いますが?」  沙弥香は出来る限り虚勢を張りつつ、考えられるだけの可能性を提示していく。もしもこの誘拐が身代金目的であれば、自分が家に連絡すれば話は早いと説き伏せて、出来るだけ電話を長引かせる事で逆探知出来る可能性を増やすことが考えられた。そうでなくとも自分が相手に対して逆らうといった意志を見せないだけでも、相手の態度が軟化する可能性がある。そんな可能性をみすみす自ら手放すような沙弥香ではなかった。 「肝が据わって上に度胸もある、それに頭も回るとくればまさに才色兼備、いいね、いい絵になるよ」 「なんのことを言っているんですか、私には理解できません」 「まぁ待ちなよ、まずはコイツを見てほしい」 「いったい、何を・・・あ、え・・・?」  表情を崩さないようにと気を張っていた沙弥香だが、男が見せてきたスマートフォンの画面を見た瞬間から沙弥香は目を見開いて、その表情を崩す。そこに映し出されていたのは沙弥香の同級生にして一番の親友、そして恋心を向けている七海燈子の姿だった。 「ちょうど登校中ってところさな、これはリアルタイムで俺の部下に録画させている映像だ、俺の命令一つでコイツをどうすることも出来るんだ」 「な、何をするつもり・・・!」 「何って、そりゃあ・・・ナニだよなぁ」  沙弥香も年頃のため、自分と同年代の女性が男性からどのように見られているかは承知している。それも自分が一目、横顔を見ただけで惚れ込んでしまったような燈子のこと、男性の目線を集めるのも無理はないと納得する。だが、そんな男共に燈子を穢されるわけにはいかない、そんな思いが沙弥香の胸に湧きあがる 「・・・どうして私に彼女の映像を見せるの、理由があるのなら言ったらどうです、そっちが本当の目的なんでしょう?」 「話が早くて助かるな、流石は学年二位の秀才、生徒会副会長様だな」  沙弥香の個人情報を織り交ぜながら話を進めているのを考えると、男たちは沙弥香の情報も燈子の情報も把握している可能性が高い。下手なブラフは通用しないことを悟りつつ、沙弥香は自らの展開を間違ってはいないと考えていた。現時点で沙弥香に対する危害も燈子に対する気概も加えられていない。つまりは燈子をダシに、沙弥香に何かを押し付けたい、それが相手側の考えだと悟ったからだ。 「まあね、話は簡単なんだ、君のエッチな映像を取らせてほしい、ただそれだけだよ」 「な、なにを言って・・・!」 「もちろん交換条件だ、君が素直に従ってくれるなら彼女には手出しはしない、約束しよう。 いや、むしろ契約だ。 君が一言、うん、と言えばすべては解決だ」  男の申し出は沙弥香自身にとっては何の得にもならない提案なのだが、男は沙弥香が断れないことを確信して言っている。それも沙弥香が『イエス』と言うしかない方向に導きつつだ。何とイヤらしい、一方的な取引なのだろうか。ただ、それでも沙弥香の心は決まっていた。 「分かりました、その提案を受け入れます、ただし・・・」 「分かってる、彼女には手を出さない、俺と君の契約だからね」  沙弥香自身にはなんの得もない話、しかしそれで燈子が守られるのならそれでいい。自分がこの身を捧げるだけで、それが為されるのなら、それが沙弥香の願いだった。 そんな沙弥香の申し出を受けて男はスマートフォンで連絡を取ると、もう一度その画面を沙弥香へと向けた。 「ほら見てごらん、部下にはこれ以降なにもするなと命令した、これで安心だろ?」  スマートフォンの画面には、段々と遠ざかっていく燈子の姿が映し出されていた。先ほどまではすぐにでも手を出せるような位置での映像だったため、男が部下に手を出すなと命令したのは本当のことなんだろう。 どうかこのまま、燈子に何も起こらないように。沙弥香が心の中でそう願うと、男は燈子を映していたスマートフォンをしまう。 「さてと、それじゃあ始めようか」  男の一声に始まって、沙弥香が閉じ込められていた部屋には撮影機材が運び込まれていた。この部屋の広さは撮影のための広さだったらしい。着々と準備が進んでいく中、沙弥香は固いベッドに座って自らの行く末を案じていた。これから自分は男たちに良い様に扱われ、その映像が残されることになる。しかしこれも親友である燈子を守るため、そのためであれば自分はどうなろうとも構わない。そう決意したはずの沙弥香ではあるのだが、いざその時が迫っていると思うと身体は震え、怯えすくんでしまうのだった。 「緊張してるみたいだね、でもそんな感じの方がクライアントも喜ぶと思うから、そのままでいいよ」  この場を取り仕切っている男は沙弥香の隣に座ると、膝の上に置いた沙弥香の手に手を重ねながら話しかける。男は沙弥香を落ち着かせようとしているのであろうが、沙弥香にとっては敵でしかない男に心を開くようなことなどない。むしろ怒りを抱えながら、これも燈子のためと自らの心を押し殺す。 「よし、準備も出来たみたいだから、そろそろ始めていこうか。 それじゃあ撮影開始、カメラ回して!」  男の指示を受けた周囲の部下たちは機材の準備を終えると、そのまま撮影へと入る。部下たちが機材を操作すると、沙弥香を正面にとらえているカメラに赤いランプが灯り、撮影が始まったのだと沙弥香に理解させた。そして男も撮影が始まったことを確認すると、沙弥香の手に重ねていた手を太ももへと移し、黒いタイツの上からスリスリと撫でる。 「緊張してるね、これからしっかり、ほぐしてあげるからね」  先ほどとは違うことを口走る男、その声色もどこか優しさを含んだような、それによって胡散臭さを隠したような態度。これは撮影用の役に入り込んでいるということだろうか、沙弥香はそんな男に気持ち悪さと恐怖を感じ、思わず身体を男から離す。しかし男はさらに身体を寄せて密着させると腰に手を回し、沙弥香の尻を撫で始める。 「そういう態度も絵になるよ、ありのままを撮らせてほしいな」  言い表しようのない不快感を抱きながら、それでも沙弥香はそれ以上は抵抗もせず、その身体を男のしたいがままに任せている。男は沙弥香の尻を撫で、揉み、そして掴み上げる。その手つきは随分と女の扱いを心得ているようで、沙弥香の身体は段々と喜びを讃え始めていた。 「ん・・・っ、ふぅ・・・っ」 「どうしたの、気持ちよくなっちゃった? これからもっと気持ちよくなるよ」 「ちがっ、あ、んうっ!?」  男の手は沙弥香の尻から腰を撫でながら、勢いよくたわわに実った胸へと伸びた。厚手の制服すらも押し上げるほどの立派な胸は、その制服の上からでも柔らかさを感じさせるように指を食い込ませ、同時に沙弥香の身体に快感を走らせた。男の手は緩急を付けながら沙弥香の胸を責め、その身体に熱を宿らせていった。 「いいね、胸、感じやすいんだ? 自分で弄ったりするのかな?」 「そんなこと、あうっ、してなんか・・・っ」  あまりにも男の手つきが巧みであり、そして沙弥香が自慰の際に胸を弄っていることもあり、強がってはいるが沙弥香の身体は火照っていた。制服の上から揉まれる胸はいつの間にか刺激が足りないとさえ思うようになり、揉まれるたびに乳首が擦れ、切なさを加速させる。 段々と沙弥香の気分も出来上がってきて、股がジワリと熱く、そして湿っていくのを感じていた。さらには沙弥香の放つ匂いにはフェロモンが乗せられているのか、コンクリート打ちっぱなしで通気の悪い部屋には男を惑わせるかのような甘い匂いが充満していく。 「んっ、ううぅ・・・っ」 「良い感じに解れてきたね、そろそろ刺激が足りなくなってきたんじゃないかな?」 「あう・・・っ、んんっ」  声を抑えることに夢中で、今の沙弥香には男の問いかけに返事をする事すら出来なかった。しかし男にとっては沙弥香のその反応そのものが返事であり、次のステップへと進む合図となった。 「前座はここまで、そろそろ本番に入ろうか」 「ふあ・・・ん、ああぁぁ・・・っ」  突然に男の拘束から解き放たれた沙弥香は、物足りなさから来る切なさに吐息を漏らす。男はそんな沙弥香を見つめつつ、何かの合図として指を鳴らした。すると壁だと思われていた場所が大きく開き、その奥から身体に響くような低い機械の動作音が聞こえてくる。 「はぁ・・・っ、うぅ、な、なに・・・?」 「本番はここからなんだ、すごく刺激的な、良いものを君に使ってあげよう・・・」  男が手招きをすると、暗闇の奥から何とも形容のしがたい、しかし見た者すべてが恐怖を抱くであろう姿かたちをした二つの機械が現れた。一つは無機質な機械的な顔の下に暴力的な形状をした万力が付いている機械。もう一つは人間を磔にするための、しかしそれにしてはあまりにも過激すぎる形状をした機械だ。 「な、なに・・・これを、私に・・・?」 「そうだよ、万力が付いている方がバイサーデスで、あっちはバイサーショック。 世の中にはそういう趣味の人もごまんといるんだ。 特別に作らないと弾数が少なくてね、だからこうして、我々がクライアントの趣味を反映した作品を作っているというわけさ」  バイサーデスとバイサーショック、これから自らを痛めつけるであろう二つのものの名前を知ったことで沙弥香の胸に渦巻いていた恐怖がさらに解像度を増し、ぎゅっと心を締め付けてくる。近づいてくる二つのバイサーから少しでも距離をとろうとベッドの端へと移動しようとする沙弥香の腕を、男が掴む。 「逃げちゃだめだよ、お友達がどうなってもいいのかい?」  途端に沙弥香の身体が固まった。そうだ、燈子を助けるために沙弥香は身体を差し出したのだ。ここで沙弥香がその契約を不意にしてしまっては、燈子の身に何が起こるかわからない。もしかすると燈子も同じ目に、いやもっと酷い目に合うのかもしれない、もはや沙弥香の心の支えは燈子だけ。その思いだけが沙弥香を踏みとどまらせた、そもそもこの場に逃げ場所などは存在しないのだが。 「く・・・っ、うぅ・・・うあ!? なに、これぇ・・・っ!?」  じりじりと近寄ってくる二つのバイサー達。するとその片方、バイサーショックからにゅるにゅると鞭のような触手のようなものが伸びてきて、沙弥香の身体へと絡みついた。それはまず手足へと絡みついて沙弥香の動きを制限して、それから身体にまとわりつくようにして絡みついてくる。そして沙弥香に絡みついた鞭は見た目に寄らないパワーで沙弥香の身体を軽々と持ち上げて、バイサーショックの本体である磔台へと誘った。 「やめ・・・んっ、うああぁぁ・・・っ、い、痛い・・・っ」  燈子の安全が掛かっているために「止めて」とも言えず、沙弥香の身体は見る見るうちにバイサーショックへと固定されていった。それも手首と足首、そして腰を拘束する締め付けは人体のことなど全く考えていないかのようにきつく締め上げてきて、その痛みだけでも沙弥香は悶え苦しんだ。  こうして沙弥香の身体がバイサーショックに固定されると、今度はバイサーですが音も立てずにすうと沙弥香の頭上まで移動し、そのまま降りてくる。バイサーデスの下に取り付けられた万力がちょうど沙弥香の頭を捉える位置にやってくると移動は止まり、金属の擦れる不快な音と共に沙弥香の頭を万力が捉えた。 「これで君は身動き一つ取れなくなった。 これから行われるのは拷問・・・いや、何かを聞き出したいわけではないから拷問ではないか・・・そう、単なる虐待だ。 我々を雇ったクライアントを楽しませるため、そのためだけの虐待だよ」 「な、なにをするつもりなの・・・?」 「出来ることはいくつかあるけれど・・・君にはきっと、見当が付くんじゃないかい?」 「え・・・?」  なにを言っているのだと疑問を頭に浮かべる時間もないまま、沙弥香の耳には身体を拘束する二体のバイサーから発せられる甲高い音が聞こえてきた。その音は時間が経つごとに高さを増して、背筋にイヤな感覚を覚えさせる。拘束された身体は本能的にそこから逃れようともがくが、拘束がさらに食い込むだけで何の効果もない。焦りと恐怖が沙弥香の思考を塗りつぶしていき、沙弥香の身体は意志とは関係なく生理的に汗を吹き出している。 もしかして、これは、冷静さを欠いた沙弥香の頭に可能性が浮かび上がると同時に、それは襲い掛かった。 「あっ・・・やあああっ!!?」  沙弥香の身体に衝撃が走り、痙攣と同時に叫び声が自然と溢れてくる。そして次に感じられたのが焼けるような痛みと全身を包み込む強烈な熱、逃れることの出来ない痛みや熱に悶えながら、沙弥香は確信した。これは電気によるもので、先ほどの甲高い音はバイサー達が電気を一気に放出するための充電音だったのだと。 「あああぁっ、うあっ、ああぁぁ・・・っ」  暫くすると沙弥香を襲っていた衝撃はぱったりと無くなり、痙攣していた身体からも力が抜けていく。しかし沙弥香の身体は二体のバイサーに拘束されたまま、身体を休めることも許されてはいない。 「まずはあいさつ程度・・・この程度でへばってもらっては困る。 まぁ、気を失っても電気ですぐに起こせるのがコレの良いところだ」 「ひぃ・・・っ、あっ、うあ・・・っ」 「次はもう少し威力を上げて、それとバイサーデスの万力は飾りじゃない、それも身体に教えてあげよう」 「ああっ、ああああぁぁっ!!」  男の声と同時に聞こえてくる甲高い充電音、それも先ほどよりも短いスパンで音は高くなり、その音も先ほどよりも高い様に感じる。そして小さくスイッチの音がすると、再び沙弥香の身体を電撃が襲う。先ほどよりも大きな電撃、拘束されているにも関わらすに身体は痙攣して暴れまわり、手首や足首、腰の拘束具が食い込んで小さく皮膚を裂いていく。さらには全身を焼く熱は高まって、不快な焦げ臭さが沙弥香の鼻を突く。それは自らの身体が焼かれているという証拠でもあり、身体の内も外も合わせて鋭い痛みが駆け抜けていった。  そしてあろうことか、沙弥香の頭を固定する万力すらも動作を始めていた。本当に少しずつ、ゆっくりと不快な金属音を鳴らしながら動作したそれは、沙弥香の頭を固定していた杭を皮膚にめり込ませていく。鋭く研ぎ澄まされた杭は沙弥香の側頭部の皮膚をいとも簡単にかき分けながら、すぐさま頭蓋骨にまで到達した。さらに万力は沙弥香の頭を締め上げて、頭の全体に響き渡る様に頭蓋骨の軋む音を沙弥香へと届けるのだった。 「うああぁ・・・っ、はぁっ、うあ・・・っ」  また唐突に終わる、沙弥香への様々な刺激の押し付け。だが前回と違って沙弥香の身体は電撃に焼かれた痛みが全身に走り、頭に至っては食い込んだ杭のおかげでじわじわと痛みが増していくのが分かった。さらには杭の刺さった場所からはどろりと血液が流れ出していて、電撃によって焼かれて縮れた髪の毛に絡みつき、不快な感触を与えていた。 「いやぁ、良い悲鳴だよもっと聞きたくなってしまうね・・・よし、もう少し出力を上げてみようか、大丈夫、死なない程度には抑えてあげるからさ」 「あっ、あ・・・っ」  電撃によって焼かれ、恐怖に固まってしまっている沙弥香には反抗する余裕すらも無かった。ただただ身体を襲う痛みに震え、またあの苦しみを味わわなければならないのかと怯えている。 そうして始まった三度目の充電音、今度は頭を拘束する万力が食い込んでいるせいか、不快な音が小さな振動と共にダイレクトに頭へと伝わってくる。もう一度あんな電撃を受けてしまったら、さらに頭に杭が打ち込まれるのだとしたら、自分はどうなってしまうのか、それは自分の身を持って確かめることとなった。 「あ、あああああああああああぁっ!!??」  さらに襲い掛かる強力な電撃、あまりの衝撃と刺激に沙弥香は意識が飛んだ瞬間に覚醒させられながら、身体が壊れていくのを実感していた。もはや動くことも敵わず、全身を駆け巡る電流によって筋肉は収縮し、じわじわと熱によって焼かれていくのが分かるのだ。さらに杭のめり込んでいく頭は本当に割れてしまうのではないかと思わせるほどの痛みで、身体全身に受けた痛み、衝撃、熱で沙弥香は叫びを上げる事しか出来ないのだ。 「んー、よしOK、良いね、そういうのが欲しかったんだよ、ははは、予想以上だな・・・」 「あ・・・っ、あ・・・っ」  男の合図によって沙弥香への電撃が止められる。男の思っていた以上に沙弥香は良い反応をしたのだろう、男は満足そうに拍手をしながら沙弥香へと近づいていった。そしてぐったりとした沙弥香の顔を覗き込み、さらに口角を釣りあげて笑う。 「うん、よしよし、死んでないね。 後は適当に眠らせて元居た場所に戻しておくから、自力で病院にでも・・・あ、ごめんね、ちょっと待って・・・はいどうも、ご依頼のものは順調に・・・えぇ、はい・・・」  沙弥香の身体はボロボロだ、先ほどよりも深く食い込んだ杭のおかげで頭からの出血は酷く、それが焼き付いて肌にこびり付いている。さらには全身の筋肉が一気に収縮から解き放たれた影響だろうか、沙弥香の股からは小水がちょろちょろと漏れ出ていて、彼女の足を伝って滴り押していた。 しかし、これでようやく解放される、助かるのだ。そう思えばここまで耐えた甲斐もあるというもの、それで燈子が助けられたのなら本望だ。薄れゆく意識で男の言葉を聞いていた最中、男の懐からスマートフォンの着信音。男はすぐさまそれに応じると、沙弥香に背を向けて話し込み始めた。もう解放されるのならどうだっていい、早くそうして欲しい、思考する余裕などない沙弥香の頭はそればかり考えていた。 「ふふふ、そうでしょう、流石はお目が・・・え、あぁ、変更・・・しかし、よろしいので?」  電話口の男の声色が明らかに変わる。陽気だった男が少し弱気になったような、それだけ大きな変化だ、流石に今の沙弥香にでもわかる変化だ。 「えぇ、なるほど、それでしたら、まぁ・・・はい、そうですね、それがよろしいかと・・・はい、ではそのように、はい、はい・・・っと」  通話を終えてスマートフォンを懐にしまうと、男はやれやれといった顔をしながら沙弥香へと振り向いた。そして項垂れている沙弥香の顔を下からのぞき込むと、ため息交じりに離し始めた。 「ちょっとクライアントから変更の要請があってさ・・・うん、君、殺すことになったんだ」  今、何と言ったのか・・・殺す、私を? 沙弥香は理解が追いつかないままにその言葉を頭の中で反芻した。先ほどの解放するというのは何だったのか、ここまで耐えた意味とは何なのか、沙弥香の胸には怒りが湧きあがる。 「なんかさ、君があまりにも好みなもんで、滅茶苦茶にしたいんだってさ・・・はぁ、急に変更って言われたって困るのにさ・・・ってころで、もう少し付き合ってもらうね」  沙弥香の同意など得ないまま、事態だけが沙弥香を置き去りにして進んでいく。男は部下たちに指示を与えると、まるでそう言った急な変更に慣れているかのように機材を操作、調整していく。そしてそれは沙弥香を拘束している二体のバイサーにも及ぶ。 沙弥香の両足をまとめて拘束していたのが解かれたかと思うと、バイサーショックは形を変え、沙弥香の左右の足をそれぞれ拘束しながらさらに変形をしていった。そうすることで沙弥香の股は大きく開かれ、先ほどから垂れ流しになっていた小水が漏れているのがよくわかるようになっていた。 「うあ・・・っ、あ・・・っ」  抵抗する余裕など当の昔に消え去った沙弥香に、部下の男たちが迫る。そして勢いよく胸倉を掴まれると、ところどころ焼け焦げて血液も染みついている制服の胸元が破かれる。さらに沙弥香のたわわな胸を支える下着を刃物で切り裂くと、堪能するようにあふれ出た胸を揉みしだいた。 それから男たちは慣れた手つきで何かを取り出すと、沙弥香の両方に乳首にそれをねじ込んでいった。それはどうやらピアスのようで、よく見ればそのピアスからは細いワイヤー、ピアノ線のようなものが結びつけられていた。その線は撮影をしている男たちがたむろしている方へと伸びていて、男たちはそれを引っ張って沙弥香の胸を弄ぶ。 「う、あぁぁ・・・い、いたい・・・っ」 「おい見てみろ、乳首がビンビンだ」 「股だってそうさ、この臭さはションベンだけじゃないだろうぜ」  男たちの下品な言葉は沙弥香の耳に痛いが、そう言われても仕方がないほどに沙弥香の身体は醜く爛れ、汚れていた。男たちはそんな沙弥香の汚れた姿を舐めるように身ながら、それぞれがその手をバイサーデスの万力のハンドルへと手を伸ばした。 「いやぁ、一回やってみたかったんだ」 「お前初めてか、頭蓋骨が割れる音は気持ちいいぜ?」 「いぎ、あ、があぁぁ・・・っ」  遊園地のアトラクションを弄るかのようなテンションで男たちはバイサーデスの万力を締め上げ、沙弥香の頭を捉えている杭をさらにめり込ませていく。ミシミシ、ビキビキと頭蓋骨が軋み、ヒビが入って行くことが痛みで分かり、さらに音でもそれを思い知らさせてくる。悶える沙弥香の姿を動物園の動物でも見るかのようにしながら、男たちは左右から万力を締め上げる。そしてついに沙弥香の頭蓋骨が砕け、万力の杭は頭蓋骨の内側へと食い込んでいく。 「あが・・・っ、あああぁぁ・・・っ!」 「おいおい、これがお嬢様の姿か?」 「人間、皮を向いちまえば誰でも同じよ。 ほら、危ないから離れろ」  作業を終えた男たちが距離をとっても繋がれたピアノ線によって沙弥香の胸は弄ばれて、雑音が掛かったようにしか聞こえない沙弥香の耳にもあざ笑っているかのような声が届いていた。 男が離れるのと時を同じくして、変形して以降沈黙していたバイサーショックが駆動音を響かせる。バイサーショックは最初に沙弥香を拘束した鞭を再び作動させ、今度は開いた股の間を狙う。 「ひあ・・・っ、あ、うああぁぁっ」  バチバチと火花を飛び散らしながら動作する鞭は、電撃を纏っていた。その鞭が沙弥香の身体に触れると、さしても微弱とは言えない電撃が沙弥香の身体に走る。その感覚は先ほどの全身を焼かれるような感覚を思い出させ、沙弥香を恐怖させる。 その鞭はあろうことか沙弥香の割れ目を押しのけて膣内まで入りこみ、今度は内側から沙弥香を責める。全身ではなく身体の一部のためか、沙弥香の腹は不自然なほどに痙攣を繰り返している。そしてそんな姿を笑いながら、その様子を撮影している男たちはピアノ線を伝って沙弥香の胸をさらに弄び、その映像を記録している。 「よしよし、これだけ撮ればクライアントも満足だろう・・・それじゃあ最後に、最大出力で一発入れてみようか・・・まぁ、その一発を入れたら死んじゃうから、どのみち最後なんだけどさ」 「う、あ・・・い、いや・・・」  身体は電撃に焼かれてボロボロ、頭蓋骨も砕かれて脳に損傷を負っている、それでも本能的に生きたい、助かりたいと願う気持ちだけが、今の沙弥香に残ったすべてだった。だが、そんな微かな沙弥香の声をもかき消すように、これまでとは比べ物にならない充電音が鳴り響く。その音は二体のバイサーを通し、沙弥香の頭蓋骨を貫いて脳まで届いた杭を伝って感じられた。すると突然、沙弥香の頭を拘束しているバイサーデスの棘も回転を始めた、まるで自らの最大の力を見せつけられるのを、喜ぶかのように。 「これでおしまい、フィニッシュだ」 「あ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛!?!?」  特大の充電音から解き放たれた電撃は、部屋のすべてを真っ白に染めた。それと同時に焼き焦がされていく沙弥香の肉体、さらには頭蓋骨を砕いた杭はこれまでにないほどの高速回転で沙弥香の脳を貫いて、完膚なきまでに粉砕していく。コントロールを失った沙弥香の肉体は、その身体に残された生命をすべて吐きつくすかのように無様に、そして無残に叫ぶのだった。


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